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早稲田実業学校高等部 2024年出題傾向リサーチ

出題傾向リサーチ

英語

A 語彙:小問数3

与えられた定義を参考に、英文の空所に入る英単語を答える問題でした。

B 正誤問題:小問数3

2023年同様、誤りのある箇所を選び、訂正する問題でした。標準的な難易度と言えます。

C 並べかえ英作文:小問数3

与えられた日本語の意味を表す英文になるように、英単語を並べかえる問題でした。

D 和文英訳:小問数2

例年通りの英訳問題ですが、与えられた文章がすべて日本語だった2023年と異なり、英文のなかで日本語になっている一部を英訳する形式でした。(2)は条件として与えらた単語がヒントになりました。

E 説明文の読解(約470語):小問数9

オーガニック食品についての説明文で、設問の多くが文脈把握、内容理解に関するものでした。空所に3語以内の英語を記述する問題が4問出されました。

F 物語文の読解(約800語):小問数10

村人たちが知恵を出し合い問題に対処していく様子をユーモアを交えて描いた物語文でした。村人たちの誤解に基づいた行動を正確に読み取る必要があり、思考力が求められました。

G エッセイの読解(約1050語):小問数13

ある大学教授の時間の過ごし方に関する講演の一部を書き起こした文章からの出題でした。問8は、文章で説明されている写真に写っているものを推測する問題で、単語と文脈から状況をイメージする力が求められた難問でした。

H リスニング問題:小問数12

リスニングは試験開始後53分経ってから始まります。3つのパートで構成され、内容一致や空所補充などさまざまな出題形式が見られました。放送問題Ⅰは1度しか放送されないため注意が必要です。

数学

1 小問集合

(1)素因数分解、(2)二次方程式と式の値、(3)データの活用、(4)カードの並べ方、(5)座標平面上の最短距離の5問からなる小問集合でした。いずれも難度は高くありませんが、(4)は場合分けをして丁寧に数える必要がありました。(5)では解法の記述が求められました。

2 文章題

(1)は合理的な正多角形の並べ方に関する対話文の空欄を補う問題でした。解法の記述も求められていましたが、積の形を作る典型的な不定方程式の問題でした。(2)は速さの文章題でしたが、難度は高くないので、時間をかけずに解答したいところでした。

3 二次関数

座標平面上にできる図形について考察する問題でした。(1)は2つの直線の交点の座標を文字で表す基本問題、(2)は与えられた面積比を用いて、座標や比例定数を求める問題でした。座標や面積に文字が含まれたまま処理する必要がありますが、完答を目指したい大問でした。

4 平面図形

おうぎ形と二等辺三角形の面積を比較することで、円周率の値を考える問題でした。丁寧な誘導がついているので、出題の意図をしっかり読み取れれば、完答できたと思われます。(4)は答えるべき値を勘違いした受験生もいたことでしょう。

5 正八面体の切断

正八面体を平行な2つの平面で切断する問題でした。(1)(2)では切断面を正確に把握する必要がありました。(3)の2つの平面にはさまれた立体の体積を求める問題で差がついたと思われます。

国語

1 大江健三郎『数十尾のウグイ』

作者が幼少期にウグイの魚群を見ようと、川に潜ったときに体験した出来事について回想した随筆文です。文章量や設問数は2023年までとほぼ同程度でした。難解な表現は少なく、内容を把握すること自体はそれほど難しくなかったと思われます。設問はすべて記号選択形式でほとんどが文章の内容理解に関するものでした。なかには文章全体の把握が必要なものや、判断に迷うものも含まれていたため、丁寧に文章内容を確認しながら取り組む必要がありました。

2 國分功一郎『目的への抵抗』

自由な行為について、目的との関係から述べた文章です。冒頭に政治哲学者の著作からの引用があり、抽象度の高いテーマであるため読みづらさを感じた受験生もいたかもしれません。例年通り字数制限のある記述が4問出され、うち3問は指定された言葉を用いて書くものでした。限られた字数の中で、書くべきポイントを意識してコンパクトにまとめる必要があります。そのほか、漢字の書き取りが2問、読み取りが1問出されましたが、やや難しいものも含まれていたため点差がついたと思われます。

3 『今昔物語集』

平安時代後期の説話集からの出題で、主人公が大切に飼っていた怪力の牛の行方を探すところから始まる古文でした。記号選択は傍線部付近を丁寧に読解していけば対応可能なものがほとんどで、物語の展開も掴みやすくそれほど苦労することはないと思われます。古典常識や古文単語などの知識はどれも標準的な難度でした。ここは素早く正確に解き終えたい大問です。