特集コンテンツ

東京都立立川高等学校 2024年出題傾向リサーチ

出題傾向リサーチ

英語

1 リスニング問題:小問数5

問題A、Bの二部に分かれています。Aは対話文と質問を聞き、与えられた選択肢から答えを選ぶ問題が3つ、Bは動物園の来園者に向けた説明と質問を聞き、適切な答えを選ぶ問題と英語で答えを記述する問題が1つずつという出題です。

2 対話文の読解(約1350語):小問数9

岩石や地熱エネルギーについての対話文です。問5の並べかえ英作文は蒸気と地熱の関係を正しく把握したうえで英文を完成させる必要があり、難度の高い問題だったと思われます。問6のような4つの連続する文章を正しい順番に並べかえる形式は、2021年から毎年出題されています。問9の自由英作文は例年通りの形式で、質問に対する答えを40語以上50語以内で述べるものです。自分で具体例を考えて正しい英語で書く必要がありました。

3 物語文の読解(約1590語):小問数13

離島に引っ越して、現地の踊りのイベントに取り組んだ中学生の物語文です。物語文中の空所に連続して入る英文の順番を答える問3はここ3年では新しい形式です。接続詞といった文法的な視点から判断するだけでなく、主人公の心情に注目して答えを選ぶ必要がありました。問8は本文中で述べられた出来事や心情の変化、それらが起きたタイミングまで把握できたかどうかが正解への鍵でした。問10は主人公が書いたメールの空所に入る適切な語を選ぶ問題です。2023年までは適切な語を本文中から抜き出す形式でしたが、2024年は選択肢が与えられました。本文中の表現とは異なるものもあり、内容理解に加えてそれらを言いかえる語彙の知識も求められました。

数学

1 小問集合

式の値、連立方程式、確率、作図の4問構成でした。問題数が1問減っていますが、難度や必要な計算量は例年並みでした。あまり時間をかけずに正解したいところです。

2 二次関数

放物線上にある点を通る直線と、座標平面上にできる図形に関する問題でした。〔問1〕は直線の式から座標を求める基本問題です。〔問2〕は座標平面上にできる三角形の面積に関する問題で、座標や線分の長さを文字を使って表し、丁寧に計算をしていくことが求められました。〔問3〕は回転体の体積比に関する問題で、典型的な設定のため対応しやすかったと思われます。

3 平面図形

内角・外角の二等分線に関する問題でした。〔問1〕は線分の長さを求める問題、〔問2〕(1)は相似の証明、(2)は三角形の面積を求める問題でした。〔問1〕は内角の二等分線定理の証明を理解していれば、手早く正答を導けます。〔問2〕(1)の証明は標準的な難度なので、記述の方針は立てやすかったことでしょう。(2)も(1)を利用できれば解法には悩むことはなかったと思われます。

4 空間図形

立方体と正四角すいを組み合わせた図形に関する問題でした。〔問1〕の体積を求める問題は基本的な内容で、〔問2〕の最短距離に関する問題も、類題演習の経験があったことでしょう。〔問3〕は立体の体積について、文字を用いて計算をする問題でした。そこまで煩雑な計算は必要ではないため、落ち着いて条件を一つ一つ処理したいところです。

国語

1 漢字の読み取り

例年通り5問が出されました。難度の高い四字熟語が出されています。

2 漢字の書き取り

例年通り5問が出されました。一字一字は難しい字ではありませんが、しっかりと意味を考える必要があります。

3 逸木裕『風を彩る怪物』

パイプオルガンの音づくりに打ち込む少女の姿を描いた小説文です。文章量は多いものの、テンポよく読める内容でした。設問はすべて記号選択で、いずれも内容理解や心情説明に関するものです。この大問は例年6問構成でしたが、2024年は5問構成に変わりました。

4 池上嘉彦の文章/石黒圭の文章

言語という「記号」のメカニズムについて論じた2つの文章を複合的に読解するという内容でした。いずれも抽象度が高く、受検生にとって読みづらい文章でした。空欄を補充する形式の記述2問が出されていますが、この傾向は2022年から続いています。文章の細部まで理解ができていないと、2つの記述はもちろんのこと、記号選択も正解することができないため、大問全体の難度は高かったと言えます。

5 齋藤希史『漢文ノート』

「読書の秋」について考察した文章からの出題です。3つの漢詩が引用されているので、解説文や注釈をヒントにして読み進めていかないと文章の展開をとらえられません。設問は内容理解に関するものが中心でしたが、記号選択のほかに、抜き出しが1問出されました。知識分野では口語文法についての問題がありました。