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作文・小論文の書き方 ~基本の『き』!~

学習アドバイス

良い作文・小論文とは

「文章を書く」ということは、「読み手に自分の考えを伝える」ことにほかなりません。

つまり、良い作文や小論文とは「うまく」書かれたものではなく、「分かりやすく」書かれたもののことなのです。

文章を「分かりやすく」書くポイント

  1. 形式(ルール)を守った読みやすい文章であること
  2. 自分の意見をしっかりと述べ、説得力のある論理展開で、読み手が納得するような内容であること

この記事では失敗例を交えながら、「分かりやすく」書くアドバイスを紹介します。

<ポイント1> 形式(ルール)を守る

以下の作文は失敗例です。何がいけないのか、考えながら読んでみてください。

原稿用紙を正しく使う

A.文章の書き出しや段落の最初は、一マス空けて二マス目から書くこと。

B.行末にかぎかっこの“とじ”や句読点がくるときは、行末の文字と一緒に最後のマスに入れる。

正しい日本語を使う

C.「なぜなら」と書き出したら「~(だ)から」で受けるなど、言葉の呼応に気を付けること。

D.話し言葉を使わないこと(ただし、「 」内の会話文は除く)。

E.常体(だ・である)、敬体(です・ます)は、どちらかで統一すること。

  • 他にも…主語・述語がねじれないように注意する。助詞(てにをは)を正しく使う。

丁寧な文字で書く

F.字を間違えたらしっかり消しゴムで消して書き直すこと。

G.続け字や略字、なぐり書きはせず、何が書かれているのか読み手が分かるように書くこと。

<ポイント2> 内容をしっかり組み立てる

次に文章の内容についての重要ポイントを紹介します。以下の失敗例のような作文にならないように気を付けましょう。

また、文章を書き終えたら、必ず最後に読み直し、意見がぶれていないかなどを確認して、必要に応じて修正することが大切です。

自分の意見をしっかり書く

失敗例⑴

(課題文を読んで)課題文のあらすじや筆者の意見を書いただけ。
(テーマについて)具体例をたくさん挙げただけ。

出題者はあなたの「考え」を聞いています。課題文の内容(出題者なので十分に分かっています)や、具体例だけを聞きたいのではありません。

失敗例⑵

(課題文を読んで)僕は筆者の言うとおりだと思う。だから特に書くことがない。

「なぜ賛成なのか」を考えて、その理由となる具体例を交えること。「反対意見の人」を説得するつもりで書きましょう。

文章の構成をしっかり考える

失敗例⑶

なんとなく書き出したら、始めと終わりで意見が変わってしまった。

いきなり書き出すのではなく、まず結論を考え、どんな具体例を挙げるかなど、構成を練ってから書き出しましょう。

失敗例⑷

途中で挙げた具体例が長くなりすぎて、結論部分が一行だけになってしまった。

具体例を挙げる場合は、最適なものを挙げ、簡潔に述べましょう。結論の字数を見越して書いていく必要があります。ただし、全体で制限字数の八割以上は書きましょう。

SAPIX中学部 国語科では、慶應女子高、早大学院の受験指導の一環として、毎年秋~冬にかけて、中3生を対象に「作文コンクール」を開催しています。他学年の皆さんも、この記事を参考にして文章を書く力をアップさせましょう。