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東京都立青山高等学校 2023年出題傾向リサーチ

出題傾向リサーチ

英語

1 リスニング問題:小問数5

例年通り問題Aと問題Bに分かれています。問題Aは3つの対話文とその内容に関する質問がひとつずつ放送され、答えとして適切なものを選ぶ形式でした。問題Bは外国人の先生が中学生に向けて行ったスピーチについて、放送された質問に対して適切な答えを選ぶ形式と英語で記述する形式でした。

2 対話文の読解(約1250語):小問数14

4人の高校生による、日本美術に用いられる表現技法についての対話文でした。問2の選択問題は、話題となっている絵画がどれを指すのかを文中から読み取るものでした。問4は、語句の内容を読み取って、その語句を言い換えた文の空所に入る語を本文から抜き出す設問でした。問5は、登場人物と発言の組み合わせが問われ、文頭で紹介される各人物の情報も根拠になりました。問8は、例年都立青山高で出される、本文の内容として正しい英文の組み合わせを選択する問題でした。誰がどのような発言をしたのかを整理しながら読み進めることがポイントでした。

3 説明文の読解(約1100語):小問数9

雷にまつわる研究の歴史と、雷が発生する仕組みについての説明文でした。都立青山高の出題傾向として、図やイラストを用いて内容の理解度を測る問題があります。2023年においても、地図やグラフから読み解く問題が複数ありました。問1は、本文で説明される雷の仕組みを把握し適切な図を選ぶもの、問3は、与えられた地理的情報から適切な都市名を選択するもの、さらに問4ではグラフから読み取れる情報を選ぶものが出題されました。英文や図から与えられた情報を正確に分析する力が求められています。問7の自由英作文は、本文の内容に関係した内容について、40語以上50語以内で書き表すものでした。詳細に書こうとすると、語数の制約があることを難しく感じたと思われます。

数学

1 小問集合

平方根の計算、連立方程式、確率、データの活用、作図の5問からなる小問集合でした。〔問1〕から〔問4〕までは丁寧に解き進めて、正解しておきたい問題です。〔問5〕の作図は方針を立てるのに時間がかかった受検生もいたと思われます。

2 二次関数

放物線と直線に関する問題でした。すべての小問が、都立青山高の受検生であれば類題の演習経験があると思われる基本問題なので、手早く全問正解を目指したい大問でした。

3

円の内部にできる図形について考察する問題でした。与えられた条件に則した図を自分で描き直す必要があり、図を描き直していくなかで、図形の性質に気づけたかどうかがポイントでした。証明問題は比較的方針の立てやすい内容でした。

4 空間図形

回転体について、先生と生徒の会話文を読みながら解いていく問題でした。〔問1〕は基本問題、〔問2〕は例年通りの求めるものを選択肢の中から自分で選ぶ形式でした。どの選択肢を選んでも難度にそれほど差はないので、悩まずに自分のイメージしやすいものを選んで解答しましょう。〔問3〕は内接球の問題で、類題の演習経験があったかどうかで差がついたと思われます。

国語

1 漢字の読み取り

例年通り、漢字の読み取りが5問出されました。一部、読み違えしやすい語も含まれています。

2 漢字の書き取り

例年通り、漢字の書き取りが5問出されました。受検生にはなじみの薄い語句も含まれています。

3 瀧羽麻子『虹にすわる』

椅子職人としての人生を歩み始めた主人公たちの姿を描く小説文からの出題でした。2022年に2問あった抜き出しは出されず、代わりに制限字数30字以内の記述が1問出されました。設問意図がやや読み取りづらいため、慎重に取り組む必要があります。記号選択では文中の象徴的な描写の意味を正確に把握することが求められました。

4 小川仁志の文章/東中竜一郎の文章

2022年に引き続き、2つの文章を複合的に読み解く形式での出題でした。文章Ⅰ・ⅡともにAIに関連する話題で、時事的な要素を色濃く反映した内容だったと言えます。記述1問や抜き出し2問などをはじめとして、要求される作業量は2022年よりも増加しました。制限字数200字以内の作文では、文章Ⅰ・Ⅱの内容に関する生徒A~Eの話し合いの様子をふまえて解答を作成する必要があり、複数の資料を的確に読み取る力が要求されました。

5 鈴木健一『古典詩歌入門』

与謝蕪村の句の鑑賞に関する文章からの出題でした。文章量は2022年と同等ですが、抜き出しが2問あるため、時間配分には注意が必要です。慣用表現の意味に関する記号選択が1問出されていますが、標準的な難度なので確実に正解しておきたいところでした。