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【国語】難関高校合格を目指す中学生のためのSAPIXオリジナル一問一答

オリジナル問題

SAPIXの講師が厳選したオリジナル一問一答を掲載しています。どれも難関高校の入試で問われる重要な知識ばかり。ぜひ、挑戦してください。

  • 問題文に付いている★は問題ごとの難度を5段階で表しています。★の数が多いほど高難度です。

1. 「えもいはぬにほひの、さとかをりたるこそをかしけれ」(『徒然草』)で用いられている、「えもいはぬ」の意味を答えなさい。(★★★☆☆)

  • 解答・解説
      何とも言えない(たとえようもない)

    「え~ず」で「~できない」という不可能の意を表す。「えもいはぬ」は直訳すると「言うことができない」だが、転じて「何とも言えないほど(たとえようもないほど)~」という格別の強調表現となる。

2. 古文において、「世を背く」、「発心ほっしんす」、「かしらおろす」、「様ふ」は、いずれも「□□する」の意です。□□に当てはまる語を漢字二字で答えなさい。(★★★☆☆)

  • 解答・解説
      出家

    その他、「世を捨つ」、「世をのがる」、「世をいとふ」、「御髪みぐしおろす」、「剃髪ていはつす」、「形変ふ」なども、同様に出家を示す表現として知っておきたい。

3. 古文において、「す」、「かくる」、「むなしくなる」、「はかなくなる」に共通する意味を答えなさい。(★★★★☆)

  • 解答・解説
      死ぬ

    「いたづらになる」、「あさましくなる」、「みまかる」、「ゆ」なども、同様に死を示す表現として知っておきたい。

4. 「召す」、「おはす」、「おぼす」、「のたまふ」、「さふらふ」のうち、一つだけ敬語の種類が異なるものを選びなさい。(★★★☆☆)

  • 解答・解説
      さふらふ

    「さふらふ・さうらふ(候ふ)」は、謙譲語で「お仕えする・お控え申し上げる」、丁寧語で「~です・ます」「~があります・おります」の意。他は全て尊敬語。

5. 『枕草子』の冒頭文「春はあけぼの」の「あけぼの」の意味を答えなさい。(★★★☆☆)

  • 解答・解説
      明け方(夜明け頃)

    『枕草子』は平安時代中期に清少納言が著した日本で最初の随筆で、「をかしの文学」とも称される。冒頭には「をかし(=趣深い)」のものが並べられていて、「春はあけぼの(曙)。」は「春は明け方が最も趣深い。」の意。

6. 『平家物語』の冒頭「祇園精舎ぎをんしゃうじゃの鐘の声、諸行しょぎゃう□□の響きあり」の□□に当てはまる語を漢字二字で答えなさい。(★★★☆☆)

  • 解答・解説
      無常

    「無常」とは、この世で永遠なものは何もなく、全てのものは変わりゆくという、仏教的価値観を表す。現代では「無常観」の語で使われることも多い。

7. 松尾芭蕉の『奥の細道』の冒頭「月日は百代はくたいの過客にして…」の「過客」の意味を漢字二字で答えなさい。(★★★☆☆)

  • 解答・解説
      旅人

    「行き交ふ年もまた旅人なり」と続いていくのを踏まえるとわかりやすい。他に「客」を「カク」と読む語には、「旅客りょかく(=旅人)」、「客死かくし(=旅先で死ぬこと)」、「客舎かくしゃ(=旅館)」などがある。

8. 日本で川端康成・大江健三郎の両名が受賞している国際的な賞の名を答えなさい。(★★★☆☆)

  • 解答・解説
      ノーベル文学賞

    川端康成は1968年、大江健三郎は1994年にそれぞれ受賞しており、日本人のノーベル文学賞受賞者は史上この2人だけである。

9. 雑誌『文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう』を創刊し、芥川龍之介賞・直木三十五なおきさんじゅうご賞を創設した人物の名を漢字で答えなさい。(★★★★☆)

  • 解答・解説

    菊池寛きくちかん

    戯曲ぎきょく『父帰る』、小説『恩讐おんしゅう彼方かなたに』も覚えておきたい。

10. かつて千円札の肖像画としても採用された、東京大学本郷キャンパスの「三四郎池」の由来となった小説『三四郎』を著した人物の名を漢字で答えなさい。(★★★★☆)

  • 解答・解説
      夏目漱石

    吾輩わがはいは猫である』、『坊っちゃん』、『草枕』、『こゝろ』、『明暗めいあん』などの作品も覚えておきたい。

11. 1858年、吉田松陰よしだしょういんが江戸での処刑に際して残した「身はたとえ □□の野辺のべに ちぬとも とどめおかまし 大和魂やまとだましい」という辞世の句の、□□に当てはまる旧国名を漢字で答えなさい。(★★★★☆)

  • 解答・解説
      武蔵

    「武蔵国」は、現在の東京都、埼玉県、神奈川県の一部。江戸で処刑されることを「武蔵の野辺に朽ちぬ」と表現しているのである。

12. JRの特急列車「あずさ」「ひだ」「しなの」「ひたち」の中で、旧国名に由来を持たないものを一つ選びなさい。(★★★☆☆)

  • 解答・解説
      あずさ

    特急あずさは、長野県から流れる梓川あずさがわが由来となっている。他は、飛騨ひだ(岐阜県北部)、信濃しなの(長野県)、常陸ひたち(茨城県)、をそれぞれ由来とする。

13. 「彼時かれどき」とは、どの時間帯を指すか答えなさい。(★★★☆☆)

  • 解答・解説
      夕方。夕暮れ時。

    日暮れに伴って薄暗くなり、相手の顔がはっきり見えずに、「誰?あなたは?」と問うような時間帯。「黄昏たそがれ」と表記することも多い。

14. 一月七日の「人日じんじつの節句」において、一般に食される料理の名を答えなさい。(★★★★☆)

  • 解答・解説
    七草粥ななくさがゆ人日の節句では、長寿と健康を願って、春の七草(せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ)を入れた粥を食す。

15. 三月三日「上巳じょうしの節句」は別名「桃の節句」ですが、九月九日「重陽ちょうようの節句」の別名「□の節句」の、□に当てはまる語を漢字で答えなさい。(★★★★☆)

  • 解答・解説

    重陽の節句には、長寿を祈願し、杯に菊を浮かべた菊酒を飲む習慣がある。

16. 「一寸」とは、約何cmか答えなさい。(★★★☆☆)

  • 解答・解説
      3cm

    昔の単位で、一分=約3mm、一寸=約3cm、一尺=約30cm。「一寸法師」、「一寸の虫にも五分ごぶの魂」、「寸借詐欺」などの用例も見られる。

17. 十二支に由来する「経線」の別名「□□線」の、□□に当てはまる語句を答えなさい。(★★★☆☆)

  • 解答・解説
    子午しご古方位は十二支で表され、(北)とうま(南)を結んだ南北の線が子午線(経線)である。兵庫県明石市を通る東経135度が「日本標準時子午線」として日本の時刻を定めている。

18. 2023年、東京都江東区にある東京辰巳国際水泳場が閉館し、アイスアリーナに改修されようとしています。この「辰巳」という地名は、皇居(旧・江戸城)から見て、□□の方角にあるため名付けられたものです。□□に当てはまる八方位を漢字で答えなさい。(★★★★☆)

  • 解答・解説
      南東

    十二支を用いた古方位では、辰巳(たつみ)は南東の方角を指し示す。百人一首に収められている喜撰きせん法師の「わがいほは 都のたつみ しかぞ住む 世をうぢ山と 人はいふなり」にも用いられている。こちらは喜撰法師の家が平安京から見て、南東の方角に位置しているということである。

19. 「あをによし」、「しきしまの」、「ちはやぶる」、「とぶとりの」、「やくもたつ」のうち、地名にかからない枕詞まくらことばを一つ選びなさい。(★★★★☆)

  • 解答・解説
      ちはやぶる

    「ちはやぶる」は「神」を導く枕詞。他は、「あをによし」→「奈良」、「しきしまの」→「大和」、「とぶとりの」→「飛鳥あすか」、「やくもたつ」→「出雲いずも」を、それぞれ導く。

20. たとえ仲の悪い者同士でも、居合わせて共通の困難に遭ったら協力することを、古代中国の国名を用いた故事成語で何というか、漢字四字で答えなさい。(★★★☆☆)

  • 解答・解説
    呉越同舟ごえつどうしゅう兵法書『孫子そんし』において、呉と越が対立していた春秋時代に、両国の人がたまたま同じ舟に乗り合わせて難破に遭遇し、手を取り合って協力したという故事に由来する。

21. 「気の置けない友」とは、どのような友のことか答えなさい。(★★★☆☆)

  • 解答・解説
      親友

    ここでの「気」は、気遣いや遠慮の意。「気の置けない友」は、それらが不要なほど気心の知れた親友のことである。

22. 「彼はにわかに立ち上がった」の「にわかに」の意味を答えなさい。(★★★☆☆)

  • 解答・解説
      急に・突然

    「にわかに(俄に)」は、「急に・突然」の意。「にわか雨」などの用例もある。対義語は「おもむろに(徐に)」で、「ゆっくりと」の意。

23. 「急がば回れ」、「負けるが勝ち」、「損して得とれ」、「失敗は成功の母」、などに共通して見られる修辞を漢字二字で答えなさい。(★★★☆☆)

  • 解答・解説
      逆説

    「パラドックス(paradox)」ともいう。一見すると矛盾をはらんでいるが、一面の真理を示しているもの。接続の仕方を表す「逆接」とは異なるので注意。

24. 「暗雲」、「地震」、「豪雪」、「火災」、「高波」のうち、熟語の組み立てが異なるものを一つ選びなさい。(★★★☆☆)

  • 解答・解説
      地震

    「地震」は、「地が震える」の意で、主語・述語の関係。他は全て、修飾語・被修飾語の関係。

25. 「前代未聞」、「空前絶後」、「波乱万丈」、「破天荒はてんこう」、「未曾有みぞう」のうち、意味の異なるものを一つ選びなさい。(★★★☆☆)

  • 解答・解説
      波乱万丈

    「波乱万丈」とは、激しい変化に富んでいること。他は全て、今までに例がないこと。

26. 「□菜に塩」、「□天白日」、「□はあいよりでて、藍より□し」、「隣の芝生は□い」、「□写真を描く」の、□に共通して当てはまるものを漢字一字で答えなさい。(★★★☆☆)

  • 解答・解説

    他に「青二才」、「青臭い」、「青筋を立てる」、「青田買い」、「青天の霹靂へきれき」なども知っておきたい。

27. 「伯母おば」は自分から見て、どのような親族関係の人物を指すか答えなさい。(★★★☆☆)

  • 解答・解説
      親の姉

    一方、「叔母おば」は親の妹を指す。混同しないように気を付けたい。父方か母方かの区別はない。また、「伯父おじ叔父おじ」は、それぞれ親の兄・弟の意。昔の爵位「伯爵」をイメージして、「伯」が付く方が上(兄・姉)と覚えておくとよい。なお、「小母おば小父おじ」は、血縁に関係なく、それぞれ年配の女性・男性の意。

28. 「いとこ」、「はとこ」、「曾祖父そうそふ」、「めい」、「玄孫やしゃご」のうち、自分から見て最も血縁が遠いのは誰か答えなさい。(★★★★☆)

  • 解答・解説
      はとこ

    「いとこ」は、親のきょうだいの子。「曽祖父」は、祖父母の父。「姪」は、きょうだいの娘。「玄孫」は、孫の孫。「はとこ」は、祖父母のきょうだいの孫で、この中だと最も親等が離れている。

29. 「にこにこと」、「けらけらと」、「めそめそと」、「くすくすと」、「しくしくと」のうち、性質の異なるものを一つ選びなさい。(★★★☆☆)

  • 解答・解説
      にこにこと

    「にこにこと」だけ、声や音のしない擬態語。他は全て、実際に声や音を表す擬声語(擬音語)。

30. 「うつくしい」、「うるわしい」、「かわいい」、「きれい」、「きよい」のうち、文法的に性質の異なるものを一つ選びなさい。(★★★☆☆)

  • 解答・解説
      きれい

    「きれい」は形容動詞「きれいだ」の語幹。他は全て形容詞。