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慶應義塾志木高校 2026年 教科別入試問題分析

英語

物語文の読解(約1070語):小問数19

近未来が舞台の文章からの出題でした。下線部の指示内容を明確にして和訳する問題が出され、本文内容を正確に把握することが求められました。また、空所に入る最も適切な表現を選ぶ問題では、選択肢の中に見慣れない会話表現が含まれていたため、戸惑った受験生が多かったと思われます。

伝記文の読解(約1030語):小問数16

身体の一部が巨大化する病気に苦しんだジョゼフ・メリックの生涯に関する伝記文でした。日本語記述が1問出され、自然な日本語でまとめる必要がありました。また、段落内の英文を意味が通るように並べかえる問題が2年連続で出され、順番を特定するうえでヒントとなる語を確認しながら解く必要がありました。

エッセイの読解(約500語):小問数12

作者が心理学の分野でキャリアを積むきっかけとなった出来事について述べたエッセイです。空所に入る適切な動詞を選ぶ問題は頻出ですが、文脈の理解だけでなく、時制によるスペリングの変化も意識する必要がありました。また、英単語の意味を漢字で答える問題が5年ぶりに出され、日常生活にまつわる言葉も問われました。

適語句選択:小問数10

英文の空所に当てはまる語句を選ぶ問題が5年ぶりに出されました。難度の高い熟語が出されてたため、この部分で差がついたと思われます。

正誤:小問数5

英文の正誤に関する問題が3年連続で出されました。ほとんどが標準レベルの問題なので、全問正解を目指したいところです。

自由英作文:小問数1

2023年から4年連続で自由英作文が出されました。2026年は、あるテーマについて、具体的な理由も含めて自分の意見を45語以上60語以内の英語で答える形式でした。

長文読解 記述 文法 リスニング 発音・語彙
日本語 英語 大問 長文内
2026年 物語文 伝記文 エッセイ
2025年 説明文 説明文 スピーチ
2024年 物語文 物語文 エッセイ
2023年 物語文 説明文 説明文
2022年 エッセイ 説明文 説明文

数学

1 整数

いずれも文字式の等式から自然数を限定していく問題でした。適切な式変形をできたかどうかが、正解を導くためのポイントでした。(1)は条件を満たす自然数が限られるため、代入して解答を得ることもできます。

2 場合の数

7個の数字から4桁の自然数を作る典型的な問題です。慶應志木高の過去の入試問題でも類題が複数回出されていて、得点しておきたい問題でした。

3 平面図形(直線図形)

三角形の内部に線を引き、線分の長さや三角形の面積を求める問題でした。シンプルな設定なので、合格のためには手早く処理したい大問です。

4 空間図形

立方体の内部に、条件に合わせた線分や立体を作り、その長さと体積を求める問題でした。考えるべき立体の把握は容易ではなく、多くの受験生が苦労したことでしょう。

5 関数

座標平面上に放物線と正六角形がある問題でした。数値がやや複雑ではありますが、慶應志木高の受験生にとってみれば難度は標準と言えます。

6 平面図形(円)

正方形の内部に複数の円が描かれていて、その半径を求める問題でした。答えを導くための方針は複数考えられますが、いずれにしても複雑な計算をこなすことになります。数学的な知識から方針を立てることもできたため、計算の煩雑さも含め、差がついたと思われます。

7 文章題(約束記号)

与えられた条件を使いこなしていくタイプの問題でした。見慣れない条件の与えられ方だったため、どのように解き進めればよいか悩み、手が止まってしまった受験生も多かったと思われます。

計算問題 整数 作図 証明 文章題 平面図形 関数 二次関数 場合の数 確率 データの活用 空間図形
2026年
2025年
2024年
2023年
2022年

国語

1 青山七恵『かけら』

主人公である娘が父と2人でバスツアーに参加する様子を描いた小説文からの出題でした。文章は5ページを超える長さでしたが、言葉遣いや場面設定は受験生にとって理解しやすいもので、文章内容の理解に苦しんだ受験生は少なかったと思われます。知識は漢字や一般常識、古文に関するものや表現技法まで幅広く出され、苦手な分野をつくらない学習が受験生には求められました。読解は、記号選択が10問、抜き出しが2問、記述が短答形式含め9問という構成です。記述は制限字数が最も多いもので40字以上50字以内と、少ない字数でまとめる力が求められましたが、標準的な難度のものが多く、じっくり取り組むことよりもスピーディーに解いていくことが必要でした。記号選択と抜き出しは、標準的な難度のものの中に、判断に迷うものや時間のかかるものがいくつかあり、時間をかけるべき問題とそうでない問題の見極めができたかどうかがポイントでした。

2 『野人送朱桜』

唐の時代の漢詩からの出題でした。白文に、書き下し文と現代語訳がついている形式ではあるものの、細かい部分の文章内容まで読み取ることは難しかったことでしょう。しかし、漢詩の対策をしっかりとしてきた受験生であれば手堅く正解できたであろう問題もあり、そこが得点の分かれ目だったと考えられます。慶應志木高ではこれまでにも漢詩が出題された年があるので、受験生には今後も漢詩に対する備えをしておくことが求められます。問題数は知識が2問と読解の記号選択が4問の計6問で、短時間で解き終えたい構成でした。

文章1 文章2 文章3 文章4
2026年 青山七恵『かけら』 『野人送朱桜』
2025年 安岡章太郎『球の行方』 黒井千次『老いへの歩み』 吉本隆明『詩の力』 中西進の文章
2024年 モーパッサン『宝石/遺産』 森博嗣『科学的とはどういう意味か』 『井蛙抄』 出題校による文章
2023年 吉村昭『羆嵐』 武田尚子『チョコレートの世界史』 『紫式部集』 吉川発輝の文章ほか
2022年 平田オリザ『演劇入門』 『宇治拾遺物語』 新美南吉『花を埋める』