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【親子インタビュー】
大好きな野球と受験勉強を見事両立
開成高・筑駒高の合格を勝ち取り さらなる高みを目指す

インタビュー

開成高校1年(新浦安校 卒業生)
T・Sさん


お母さま
K・Sさん

※2025年12月取材時点

小5の夏期講習からSAPIX中学部に入室したT・Sさん(以下Tさん)。中学校の野球部で部長を務めながらの受験勉強は、時間的にも体力的にもかなりハードだったそうです。

それでもハイレベルな文武両道を貫き通した結果、開成高校と筑波大学附属駒場高校の合格を勝ち取りました。開成高校野球部での活動に励みながら東大野球部を目指すTさんと、充実した高校生活を今も支え続けるお母さまに、5年間の受験生活を振り返っていただきました。

生徒が考えるきっかけを与え
発言を導いてくれる双方向授業

――TさんがSAPIXに入室したきっかけを教えてください。

Tさん 小5の頃、周囲に中学受験のための塾に通っている友達が何人もいて、「僕も塾で勉強してみたい」と思ったのがきっかけです。しかし、小5は中学受験のスタートラインとしては遅く、しかも土日は野球の練習があります。そこで、「高校受験に向けて、今からしっかり勉強しよう」と考え、中学部の夏期講習に申し込みました。

お母さま SAPIXのカリキュラムは小学校での学習内容のうち、高校受験で重要となる分野・単元を繰り返し学習し、中学入学に備えられるようになっていると知り、わが家が求めるものだと思いました。

――通ってみていかがでしたか。

Tさん 小5では週1回の通塾で英語・算数・国語の3教科を受講し、小6からは週2回の通塾で理科・社会を加えた5教科を受けました。授業はすごく面白かったです。先生は知識を教えるというよりも生徒が自ら考えるきっかけを与え、発言を導いてくれました。教室では双方向的なやりとりが活発に繰り広げられていました。答えは一つでも、「別の解き方はある?」などと他の生徒にも聞くので、「自分が当てられたらどう答えるか」を常に考えていました。先生はクスッと笑えるような言葉掛けも織り交ぜてくれるので、「勉強って楽しいかも」と思えるようになりました。平日は習い事をしていなかったので時間的にも余裕があり、課題はほとんどこなしました。

お母さま 迎えの車の中で、国語で取り上げられた本の話をしてくれたことがあり、後日、学校の図書室から借りてきたようです。私もその本を読んで、ひそかに共感して楽しんでいました(笑)。

――中学生になって変化はありましたか。

Tさん SAPIXでの授業に大きな変化はありませんでしたが、生活は大きく変わりました。野球部の練習で忙しくなり、先輩が引退して部長になったあたりからは時間的にも体力的にもかなりきつかったです。フルで放課後練に参加してからSAPIXに向かっていましたが、遅刻した上に、練習疲れで2コマ目、3コマ目になると寝てしまうときもありました。すると先生が、「今、夢の中にいるTさん」「今にも寝そうなTさん」などと面白い声掛けで起こしてくれたので、僕も疲れを忘れて楽しくなり、「今日もSAPIXに行ってよかったな」と思えました。

お母さま 部活も勉強もと頑張っているTのことを先生方が理解し、温かく見守ってくださったのが本当にありがたかったです。帰宅が遅れ、車で校舎へ送る途中で爆睡してしまい、到着したのに降りられないことがしばしばありました。どうにも困り果てて先生に相談したところ、本人と話をしてくださり、それからは割とすんなり降りられるようになりました。

苦手な国語は弱点を意識
試行錯誤を経て成績が安定

――家庭学習はどのように進めたのでしょうか。

Tさん 苦手だった国語は、中3になった頃から丁寧に学習しました。授業で先生が長文読解の手順や要素の探し方を分かりやすく論理的に説明してくれるので、大切なポイントを忘れないようノートにメモし、帰宅後はそれを見直して、解説を思い出しながら解き直しノートに取り組みました。それでも解けないときは、何度も質問に行って先生に教えていただき、要点を弱点補強ノートに書き込みました。自分の弱点を意識しながら解くように工夫してみたところ、試行錯誤を通じて少しずつ成績が安定してきました。

――他の教科はいかがでしたか。

Tさん 英語の文法は得意でしたが、長文読解で苦戦しました。先生が必要に応じて出してくれた対策プリントを解いていったところ、次第に長文も読めるようになり、「英語はやればやっただけ力が伸びるんだ」と実感しました。

数学は得意だと思っていましたが、サピックスオープンの出題量が増えて難しくなる中3あたりから、実は得意ではなかったと気付きました。中2の問題に戻って基礎からやり直そうかと考えましたが、先生が「理解できているところからやり直す必要はない」と、その後の取り組み方をアドバイスしてくれました。

理科・社会は安定した得点源でした。小学生の頃、コロナ禍で休校が続いていたため、アプリを使ってさまざまな知識を身に付けていたからです。中学入学後もきちんと課題に取り組んでいたので、土台はできていたのだと思います。ただし、あちこちに「抜け」があったので、部活を引退してから穴埋めに時間を掛けました。

お母さま 「抜け」や自分の甘さに気付くことができたのは、レベルの高い集団の中にいたからこそだと思います。

優秀な仲間が集う環境を熱望
進学先の選択は野球が決め手に

――志望校はどのように決めましたか。

Tさん 入室当初から先生には「開成高、筑駒高を目指している」と伝えていました。ドラマをきっかけに弁護士になりたいと思っていた時期があり、「司法試験に合格するには東大がベストで、そのためには開成高か筑駒高がいい」と幼心に考えていたからです。弁護士の夢はいつの間にか消えていましたが、「優秀な仲間が集う環境で刺激を受けたい」という思いは変わりませんでした。さらに、野球への思いも強まり、「大学で野球を続けるなら、スポーツ推薦がある私立大学よりも東京六大学に属する東大に入るのがいいのでは」とも考えるようになったのです。

灘高野球部は夏休みに東大を見学するために上京するそうです。その際、東大野球部の活動場所である東京大学野球場で開成との練習試合が行われます。打席に立っているのが僕です。この日はサードとセカンドで出場しました

開成高と筑駒高のどちらを第一志望にするかはかなり悩みました。高校で野球を続けることを考えると開成高の方がいいように感じましたが、少人数で学年の全員と知り合いになれそうな筑駒高も捨て難かったからです。幸いなことに両校から合格をいただき、両親を交えて相談をしました。いずれもすばらしい学校であるなかで開成高を選んだ最終的な決め手は、開成高の方が自宅から通いやすいため、部活動や学校の活動により打ち込めると考えられたことです。開成高の合格者説明会に参加して、その点について再確認しました。

―併願校についてはいかがでしょうか。

Tさん 1月17日に市川高、19日に渋谷幕張高を受験しました。2校受けても中1日空くので日程的に余裕があると思い、出願しました。渋谷幕張高の後、2月10日の開成高入試までは間が空くので、緊張感を保つためにどこか1校入れた方がいいと考えて、2月6日に慶應志木高を受けました。ただ、自宅から遠くて実際に通うのは難しいので、渋谷幕張高が不合格だった場合は、自宅から通いやすく、野球部も盛んな県立船橋高への出願も視野に入れていました。

お母さま なお、慶應志木高の入試は慶應義塾大学(三田キャンパス)で受験しました。

――開成高対策の進め方を教えてください。

Tさん 数学は授業に集中して解説を聞き、要点をノートにまとめて、課題をする前にそれを見直しました。注目すべきポイントを頭に入れておくと、解法がひらめきやすくなります。スピードアップを図ると同時に、優先すべき問題を判別する力も鍛えました。数学は1問当たりの配点が高いので、解けない問題に時間を割いても無駄になってしまうからです。ただし、正解にたどり着けなくても部分点がもらえる可能性があるため、途中式を書くことは大事です。

国語もスピードが鍵なので、寝る前に必ず、大問を1題さっと解いていました。僕は時間がないと焦って空回りし、つまらない失敗をして、部分点すらもらえないくらいバッサリ間違えてしまうことが多々あったからです。

英語は9月以降、リスニングとシャドーイングにセットで取り組み、リスニングの音声を少しずつ速めていきました。筑駒高に合格した先輩の「倍速で聴いていたら、本番ではゆっくり聴こえた」という経験談を先生から聞き、参考にしました。 理科・社会は一問一答やまとめノートを持ち歩き、隙間時間を活用して知識の定着を図りました。

解き直しノートや弱点補強ノートは苦手な国語だけでなく、数学・英語のも作成。入試当日も会場で復習したところ、渋谷幕張高の数学で弱点補強ノートにまとめた内容がそのまま出題されて驚きました

「焦り始めると総崩れするタイプ」
先生の助言を受験本番に生かす

――成績は入試本番までどのように推移しましたか。

Tさん 中2までは模試の成績が安定していましたが、中3になり、みんなが受験勉強を始めると偏差値が下がっていきました。部活を引退し、受験勉強に本腰を入れてもすぐには反映されず、学校別サピックスオープンの開成高も筑駒高も合格可能性は65%でした。僕にとっての理想的な点の取り方は、得意な英語・理科・社会で周囲を引き離し、数学・国語は差がつかない程度の失点にとどめるというもの。でも、筑駒高は国語が良かった一方で英語・数学・理科が悪く、開成高は英語・数学が駄目で、どちらも理想には程遠い結果でした。危機感が増したので先生に相談し、それまでやっていたことを継続しながら、さらに必要な対策をしました。11月から通常の授業内では点が取れるようになってきたと感じていましたが、テストの結果として表れてきたのは1月の開成テスト演習でした。

お母さま 夏休み明けは周りの生徒が実力をつけてくる頃だと分かっていたので、「秋以降に結果に表れてくるだろう」と考え、黙って見守っていました。

 

――本番はいかがでしたか。

Tさん 最初の受験校の市川高は、1週間くらい前から緊張し始めてしまったので、当日は緊張することにも飽きてきたようなところがあり、「やっと本番の日が来た」という感じでした。そのため、他の受験生を「緊張しているのかな」と冷静に見ることができたほど。先生からは「一度、焦り始めると総崩れするタイプ」と言われていたので、焦らずに済むように学校には早めに到着し、気持ちを安定させました。

渋谷幕張高の国語では古文が例年よりも多く出題され、いつもなら慌てて焦っていたと思います。しかし、自分がどのようなタイプなのか事前に分かっていたので、「いや、大丈夫」と自分で暗示を掛けることができました。

折り紙研究部でもらった開成祭名物「合格カエル」には「合格して開成にカエル」という思いが込められています。偏差値表とともに机の正面に張り、学習へのモチベーションを高めました

好きなことに打ち込める環境と
枠にとらわれない学びが魅力

――開成高に入学されていかがですか。

Tさん クラスの雰囲気は明るく居心地がいいです。僕は昼休みに友達とよくサッカーをするのですが、場所取りが熾烈なので、4時限終了のチャイムと同時に校庭に飛び出しています(笑)。一方で教室に残り、数学の話などで盛り上がって問題を解いている人たちもいます。好きなことを好きなようにやっても決して浮かないのが大きな魅力だと思います。

枠にとらわれない学びも開成ならではといえるでしょう。高2の修学旅行では北海道を訪れますが、校内には『ゴールデンカムイ』のコミックが置かれています。また、授業では方言を学び、地名がテストに出るそうです。この他にも、地域に密着した学びとして谷中散策も行われました。

お母さま 国語で『対岸の家事』(朱野帰子著・講談社・2018年)が取り上げられたときには、母親にインタビューをする課題が出ました。男子校で女子がいないので、こうしてジェンダーについて学ぶ機会を作っているんだと感じました。

――野球部は期待通りでしたか。

Tさん 生徒が考えるゆとりを残しつつ、厳しさもあります。僕が求めていた以上に理想的な環境でした。しかも部長やキャプテンをはじめとする先輩方が、みな人格者なのです。朝練は水曜日、放課後練は木曜日か土曜日に行われ、他の曜日は自主練習です。自主練習では、部員それぞれが都合に合わせて参加し、ティーバッティングや羽根打ち、トレーニングルームでの筋トレなど、「自分が今、すべきこと」を考えて取り組みます。

お母さま 週末はほとんど遠征試合で、埼玉や神奈川にも出かけています。中学の頃より活動範囲が広がったと感じます。

――後輩たちにメッセージをお願いします。

Tさん 「やらなきゃいけないものがたくさんあるのにやりきれない」「勉強してもなかなか結果が出ない」と思い悩むことは誰にでもあります。そんなときは独りで悩んだり、諦めたりせずに、先生に相談しながら勉強を継続しましょう。「伸びるタイミング」をじっくり待つことも大切です。僕は部活が忙しい時期に学習内容の優先順位をつけてもらいました。漢字テスト対策と、授業で解説された問題は必ずやり、それ以外は「余裕や興味があったらやろう」くらいに割り切ってみたら、忙しい時期も乗り切ることができました。

それでも時間が足りなくなるときがあります。僕は過去問演習が始まると、スマートフォンのアプリを削除しました。時には思い切った決断も必要です。

お母さま 何か困ったことがあったら、もんもんとせずに先生に相談することをお勧めします。先生方は受験生だけでなく、保護者の悩みもちゃんと受け止めて、サポートしてくださいます。

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講師からのメッセージ

新浦安校 室長
新井

改めまして、合格おめでとうございます。

部活を引退して以降、校舎が開いている日は毎日自習に来て勉強に打ち込んでいましたね。こちらが課題を出す前に自ら次のメニューを求めてやってくるTさんの姿を、今も鮮明に覚えています。

 

部活との両立は本当に大変だったと思いますが、試行錯誤を通して「本物の努力の仕方」を身に付けたTさんは最強です!これからも、自信を持って夢に向かって突き進んでください。