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【卒業生インタビュー】筑駒高 ▶▶ 東京大学 理科三類【現役合格】
最高の存在だったSAPIXの仲間や 「チャレンジャー」の精神が今につながる

インタビュー

中1の頃にSAPIX中学部東京校に入室し学ばれ、見事、筑波大学附属駒場高校へ進学したT・Rさん(以下Tさん)。

そして、この春には東京大学理科三類へと進学されました。

東京大学理科三類を目指したきっかけやSAPIX中学部での経験や学びについて、お話しいただきました。

東大医学部の実験に興味を持ち
「医師」という職業を真剣に考える

――東京大学理科三類合格おめでとうございます。合格者が98名という狭き門を突破し、現役合格されましたが、いつ頃から目指していたのでしょうか。

Tさん ありがとうございます。ぼくがSAPIX中学部に通っていた中1の頃、東京校から筑駒高に進学し、東京大学理科三類に合格した医学部の先輩が、仙田先生(当時)のところにあいさつに来ました。その時に、マウスの脳を用いた実験の様子を聞いて、「東大の医学部って面白そうだな」と思ったのがきっかけです。

その後、中学校のキャリア教育で職業研究を行った際に医師について詳しく調べました。人の命を助ける素晴らしい仕事だと強く感じて、「医師」という職業を真剣に考えるようになりました。東大医学部はその最高峰なので、目指す価値があると思ったのです。

 

――高校受験で筑駒高を目指したのは、その時の先輩の影響でしょうか。

Tさん 中1・2の頃は、漠然と筑駒高か都立日比谷高に行きたいと考えていました。同じように東京校に来てくれた都立日比谷高の先輩からも高校生活の話を聞いて、とても楽しそうだと思ったのです。合格発表の後に仙田先生に相談して、最終的には筑駒高への進学を決めました。

SAPIX中学部での経験や学びが
大学受験でも通用する礎に

──SAPIX中学部時代は、国語が足を引っ張ることがあったそうですね。大学受験に向けて勉強をしていく中で、当時、身に付けたことが役立ったと思うことはありましたか。

Tさん 国語は、傍線部をしっかりと分析したり、論理関係に注意したりといった、読解の上で基本となる作業に丁寧に取り組むようにしていました。これはSAPIXで仙田先生から教わったこととも共通しているので、高校受験での経験がストレートに生かされたのではないかと思います。

 

──理系教科についてはいかがでしたか。

Tさん 数学では、大学入試の問題は高校入試の問題よりも解答までの途中経過をきっちりと論証することが要求されるため、最初はそこのギャップに苦労しました。論理の正しさが大切になってくるので、論理的に記述できるようにたくさん問題を解きました。記述以外の面では、特に幾何学などの図形分野の考察において、SAPIXで得た経験を生かせたように思います。

理科に関しては、記述式の2次試験でも、基本的には答えを出すことが重視される問題が多いです。高校の理科は、中学で習ったことがベースなので、SAPIXで身に付けたしくみを理解する習慣が役立ちました。

 

──高校受験では、「自分の得手不得手を知ること」が合格につながったと話していましたね。東大理三を目指すに当たって、自分の得手をどのように伸ばし、不得手をどのように克服したのでしょうか。

Tさん 自分の得手不得手は中学部時代からずっと変わらず、数学が得意で、国語が苦手でした。国語は古文の文法や現代文読解の基本的な作業を徹底的に繰り返し、「難しい問題は解けなくてもいいから、誰もができる簡単な問題を取り切ろう」というような気持ちで頑張っていました。数学に関しては、簡単なミスをしないように気を付けつつ、難しい問題にもチャレンジしていくことで、さらに力を伸ばしていけたと思います。

最高の仲間たちに恵まれ
SAPIX時代の恩師からの言葉が励みに

──SAPIX中学部に通っていた頃から振り返ってみると、Tさんにとって、大学受験はどのようなものだったと思いますか。

Tさん SAPIX時代のクラスメートや他校舎の仲間は、自分にはできない問題がスラスラ解ける一方で、お互いに楽しく話したりもできて、友達としてもライバルとしても最高の存在だったと思います。高校に入ってからは、違う校舎にいたSAPIX生と仲良くなる機会もありました。大学受験でも同じように、筑駒の仲間とお互いに励まし合いながら、勉強を頑張ることができました。

筑駒では、数学の授業で、クラスメートが一つの問題に対してさまざまなアプローチを発表していたので、「そんな解き方があるんだ」と感心させられ、たくさんの刺激を受けました。「自分よりも勉強ができる人」ばかりで苦労することも多かったのですが、常にチャレンジャーの意識を持ち、「上の人たちに勝ちたい」というマインドを保てたのは、SAPIX時代に仙田先生から言ってもらって、弱点ノートの表紙にも書いた「チャレンジャー」という言葉を覚えていたからだと思います。

──今後の目標をお聞かせください。

Tさん 東大医学部と聞くと、研究をしている印象が強いかもしれませんが、僕としては臨床にも力を入れて、患者さんに対して多方面から尽くせる医師になりたいと思っています。

中学部時代に間違えた問題などを書き込んでいた「弱点ノート」。表紙に書いた「チャレンジャー」という言葉は、大学受験の際にも常に意識していました

高3の文化祭ではコントを披露(右がTさん)

後輩の受験生へメッセージ

T・Rさん

高校受験勉強は大変でしたが、手に入れた高校生活は何物にも代え難いものでした。

周りのレベルが高く、刺激をたくさん受けることができたのです。

だからこそ、将来の夢への次のステップに進めました。皆さんも今はつらいかもしれませんが、その先のことを思い描いて頑張ってください。

 

講師からのメッセージ

仙田
東京校室長(当時)/国語科

Tさんが先輩に憧れを持ち、尋常ではない努力を苦とせず大願成就することができました。

今度はTさんの姿に憧れを持つサピックスの後輩が、あなたの後に続いていきます。

校舎で3年連続現役で東大理三合格が出たのも、最難関に「チャレンジャー」として向き合った結果です。

本当におめでとうございます。次の挑戦を見守っています。