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東京都立戸山高等学校 2024年出題傾向リサーチ

出題傾向リサーチ

英語

1 リスニング問題:小問数5

問題A、Bの二部に分かれています。Aは対話文と質問を聞き、与えられた選択肢から答えを選ぶ問題が3つ、Bは動物園の来園者に向けた説明と質問を聞き、適切な答えを選ぶ問題と英語で答えを記述する問題が1つずつという出題です。

2 対話文の読解(約1430語):小問数14

折り紙の歴史と、現代におけるその応用技術に関しての対話文が出題されました。問1のセリフを選ぶ形式は例年通りの出題で、空所前後の内容を確認すれば正解にたどり着けるものでした。問2の空所に入る適語の組み合わせを選択肢から記号で答える形式は、文脈把握だけでなく形容詞や分詞の理解が試されました。下線部の内容に合う選択肢を答える問5は、文脈把握ができていれば、難なく解けるレベルでした。本文の内容に関して短い手紙文の空所に適語を入れる問7は、空所に入れるべき単語の品詞や意味を意識する必要がありました。

3 説明文の読解(約1190語):小問数10

ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡に関する説明文が出題されました。可視光線や赤外線などの語句が本文中に含まれていて、文脈を理解するのに苦労した受検生が多かったと予想されます。問2の文の並べかえは、都立戸山高で例年出題されている形式で、接続詞や代名詞、冠詞などの文法を確認しながら問題を解く必要がありました。問3の単語の並べ替えは正確に文脈が把握出来ていないと解けない難問でした。問7の自由英作文は、本文の内容に関する質問が英語で与えられ、40語以上50語程度の英語で解答する形式で、自分の意見を正しい英語で記述する力が求められました。

数学

1 小問集合

平方根の計算、二次方程式、連立方程式、確率、作図の5問からなる小問集合でした。例年通りの出題で、基本的な内容が問われています。ミスに注意して完答を目指したい大問です。

2 二次関数

二次関数と反比例の融合問題でした。〔問1〕は基本問題で、正答率は高いと思われます。〔問2〕(1)は未知数が多く、方針を立てるのに苦労した受検生が少なくなかったと思われます。(2)のほうが取り組みやすかったため、解く順番を前後させると、うまく解き進められたかもしれません。

3

円の内部にできる図形について考察する問題でした。〔問1〕は三平方の定理を利用する基本問題でした。〔問2〕(1)の証明は必要な要素が多く、どのように記述をするか戸惑った受検生もいたことでしょう。(2)も難度が高く、解法によって計算量に差が出たものと思われます。

4 空間図形

都立戸山高では頻出の立体と動点に関する出題で、2024年で6年連続となりました。2024年は円柱の周上を移動する点についての問題でした。設問ごとに適切な図を自分で描いて考えることが重要です。高校入試において頻出のテーマなので、落ち着いて取り組みたい大問でした。

国語

1 漢字の読み取り

2023年に引き続き、2024年も標準的な難度のものが中心でした。

2 漢字の書き取り

高難度の語句も含まれています。標準的な難度の語句を手堅く得点するのがポイントでした。

3 宮本百合子『雨と子供』

雨の日に特別感を抱く筆者が、自身の幼少期を回想する場面を描いた小説文からの出題です。2023年の文学的文章は現代を舞台にしたものでしたが、2024年は例年通りの昭和時代以前に成立した古い作品に戻り、読み取りが難しいものでした。感覚的な表現が含まれた傍線部の意味内容を、前後の文章をもとに丁寧に把握することが求められました。

4 濱良祐『曲がり角の向こう』

インターネットの発展が人々に与えた影響や、その問題点について考察した論説文からの出題です。受検生にとってなじみのあるテーマだったので、読み取りの難しさはありませんでした。抽象的な内容の傍線部を理解して、それに関する具体例を選択する記号問題もありました。例年通り、200字以内という字数制限のある作文が出されています。

5 渡辺秀夫『かぐや姫と浦島』

日本人が「竹」についてどのように考えてきたか、さまざまな古典作品を引用しつつ論じた文章からの出題です。知識分野では漢字の字義が問われましたが、基礎的な難度です。それ以外の4問はすべて文章内容に関する記号選択で、標準的な難度でした。大問3の難度が高いことを考えると、この大問は、極力時間をかけず、かつ確実に得点を重ねておきたいところです。