学校紹介

【青山学院高】
主体的に学び深める選択科目 英語で考え、発信する力を磨く

【青山学院高】<br />主体的に学び深める選択科目 英語で考え、発信する力を磨く

「平和・共生」の精神を基盤に、国際的な視野に立って社会に貢献できる人材の育成に努める青山学院高等部は、選択科目の拡充に力を入れています。実際にどのような授業が行われているのでしょうか。「英語の青山」といわれ、英語教育に定評のある同校を象徴する選択科目「メディア・イングリッシュ」の授業を見学し、生徒を指導するサム・ベリー先生に教育の目的や成果などについて伺いました。

英語科 サム・ベリー先生

英語科 サム・ベリー先生

英語で社会の課題と向き合い
グループに分かれて議論を

青山学院高等部では、生徒一人一人の興味・関心に応じて学びを深められるように、多彩な選択科目を設けています。その一つが、3年生を対象とした「メディア・イングリッシュ」です。今年度は約40人が履修し、2クラスに分けて週2時間の授業が行われています。

授業で扱うのは、新聞記事やニュースで取り上げられる時事問題です。ただし、新聞を読むこと自体が目的ではありません。事前に記事を読み、語彙や内容を確認した上で、そのテーマについて英語で議論することが授業の中心になります。

この日のテーマは、2026年6月に発表された「2027年から16歳未満のSNS利用を禁止する」というイギリス政府の方針について。まずは授業の冒頭で、最新ニュースの見出しを使った英単語学習や、この日のテーマについての語彙学習を実施します。その後、生徒たちはSNS規制に対して考えを述べる8人の記事を読み、その意見が「賛成」「反対」「中立」のどれに該当するのかを整理していきます。

続いて、ベリー先生が「Let's go. Have fun!」と笑顔で声を掛けると、生徒たちは4人前後のチームに分かれ、英語でのディスカッションを始めます。「SNSは若者に悪影響を与えるのか」「年齢制限は本当に必要なのか」といった簡単には答えの出ないテーマについて、自分の考えを英語で述べ合います。生徒によっては言葉に詰まる場面もありますが、最後まで自分の意見を英語でまとめ、伝え切ろうとする姿が印象的です。

授業には海外からの女子留学生が出席していて、グループ内での議論をリードする場面も見られます。そんな留学生に刺激され、他の生徒たちも積極的に自分の考えや疑問点を述べ始めます。分からない単語を教え合ったり、相手の意見を引き出したりするなど、お互いを支え合う雰囲気が教室全体に広がっていました。

議論が白熱する中、ベリー先生は教室内をめぐりながら生徒たちの様子を見守ります。必要に応じて質問に答えたり、英語表現についてアドバイスをしたりすることはありますが、議論そのものにはあまり介入しません。

「これは『Independent Discussion(自立したディスカッション)』だと考えています。生徒自身が準備し、自分たちで質問を作り、自分たちで議論を進めることが大切です。私の意見を入れ過ぎないように心掛けています」とベリー先生は話します。

「メディア・イングリッシュ」の授業風景。ベリー先生からこの日のテーマについて説明を受ける生徒たち

「メディア・イングリッシュ」の授業風景。ベリー先生からこの日のテーマについて説明を受ける生徒たち

授業はテーマに関する英語でのディスカッションを中心に進められる

授業はテーマに関する英語でのディスカッションを中心に進められる

授業で重視しているのは
自分の言葉で伝えようとする姿勢

メディア・イングリッシュの最大の目的は、「時事問題など自分の世界の外にあるテーマについて、自信を持って英語で話せるようになることです」とベリー先生は説明します。

そのため、授業では政治や社会問題も扱いますが、生徒が議論を続けられるレベルのテーマが設定されています。身近な社会の出来事に触れながら、自らの意見を形成し、それを英語で表現する経験を積み重ねていくことを大切にしているのです。

後期には、今インターネット上で大きな問題となっているフェイクニュースをはじめ、陰謀論、メディアバイアスといったテーマも扱う予定とのこと。英語を通して、現代社会のさまざまな課題について理解を深めていきます。

扱うテーマだけを見ると、英語で議論するのは難しく感じるかもしれません。しかし、ベリー先生は「この授業で重視しているのは、積極的に英語でコミュニケーションを取ろうとする姿勢です」と語ります。

「実際、英語が決して得意ではなかった生徒が、この授業で積極的に発言し、大きく成長したケースは少なくありません。自分の言葉で相手に伝えようとする意欲があれば、十分に英語力を伸ばしていけるのです」

英語は知識として学ぶだけでは身につきません。社会の出来事に関心を持ち、自分の考えを養い、それを相手に伝えるとともに、異なる価値観にも耳を傾ける。その積み重ねが世界に向けて英語で発信できる力につながっていきます。メディア・イングリッシュの教室では、「自分の頭で考え、英語で対話する」姿が、ごく自然で日常的な光景として広がっていました。

自分で考えたことを英語でお互いに伝え合う生徒たちと、その様子を楽しそうに見守るベリー先生 自分で考えたことを英語でお互いに伝え合う生徒たちと、その様子を楽しそうに見守るベリー先生

大学の学びを高校時代から体験する
「学問入門講座」

青山学院高等部では高大連携プログラムにも力を入れています。その代表的な取り組みが「学問入門講座」です。この講座では、青山学院大学・専門職大学院の教員が、それぞれの専門分野について分かりやすく解説します。

年間30ほどの講座がオンデマンド形式(一部対面形式)で用意されているため、生徒は自分の興味・関心に応じて幅広い分野の学問に触れることができます。文学や法学、経済学、理工学、国際政治、AI、メディア、デザインなど、テーマは実に多彩です。

講座の中身は大学の各学部・学科からテーマが提案され、継続的に内容が更新されています。オンデマンド形式のため、自分の都合に合わせて受講できる点も大きな特徴。また、対面形式の講座では、熱気あふれる会場で講師の話を直接聞くことができます。

講座は全学年の生徒が受講できます。文部科学省が高校で必修としている「総合的な探究の時間」の学びの一環として位置付けられていて、講義を受けた後は講義ノートや感想を提出します。

進路を考える際、「大学では実際にどんなことを学ぶのだろう」と疑問を持つ高校生は少なくありません。学問入門講座は、そうした疑問に応えながら、自分の将来を具体的に思い描くきっかけを与えてくれる取り組みです。

今年5月に対面で行われた学問入門講座、社会情報学部 飯島泰裕教授の「AIコンサルタントって何者」の1コマ 今年5月に対面で行われた学問入門講座、社会情報学部 飯島泰裕教授の「AIコンサルタントって何者」の1コマ

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TEL 03-3409-3880(代)  URL www.agh.aoyama.ed.jp/

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