学校紹介

【江戸川女子高】
企業の一員として社会に挑む 「情報」で育む実戦的な力

【江戸川女子高】<br />企業の一員として社会に挑む 「情報」で育む実戦的な力

企業の見習い社員として実社会の課題に向き合い、仲間と協働しながら解決策を考える――。江戸川女子高等学校では、高1の「情報」の授業で「企業インターンワーク」を実施しています。企業研究から企画立案、プレゼンテーションまでを経験する中で、生徒たちはどのような力を身につけているのでしょうか。情報科の不破芳宣先生と、同校の卒業生でもある数学科・情報科の山﨑かれん先生にお話を伺いました。

情報科の不破芳宣先生(左)と、数学科・情報科の山﨑かれん先生(右)

情報科の不破芳宣先生(左)と、
数学科・情報科の山﨑かれん先生(右)

社会人としてのマインドを身につけ
“正解のない問い”に向き合う

江戸川女子高等学校では、高1の「情報」の授業で、「企業インターンワーク」に取り組んでいます。2015年にスタートしたこのプログラムは、現在では年間を通して実施される同校の特色ある学びの一つとなっています。

生徒たちは約5人でチームを編成し、リーダーやサブリーダーなどの役割を分担。食品メーカーや通信会社、小売企業などの企業に「見習い社員」として所属し、企業ごとに課題解決に取り組みます。

プログラムは大きく二つのミッションで構成されています。まずは企業の歴史や理念、商品・サービスの特徴などを調査し、フィールドワークも交えながら企業への理解を深めます。不破先生は、「単に企業について調べるだけではなく、『その会社の一員だったらどう考えるか』という視点を持つことが大切です」と話します。生徒たちは企業マインドを学びながら、社会との接点を広げていくのです。

その後、生徒たちは企業から与えられる課題に挑戦します。例えば、新たな商品やサービスの提案、企業が抱える課題への解決策の提示など、テーマは企業によってさまざま。特徴的なのは、一つ一つの課題には明確な正解が存在しないことです。生徒たちは企業担当者自身も答えを持っていない問いに挑み、情報を集めて議論を重ねながら自分たちなりの答えを探していきます。

「この授業で育てたいのは、答えのない課題に向き合う力です」と不破先生。導入当時は「アクティブ・ラーニング」という言葉もまだ一般的ではなく、生徒からは「江戸女らしくない授業」と言われることもあったとか。しかし、自ら考え、試行錯誤しながら課題解決に取り組む経験こそが、これからの社会で必要になる力につながると考えているそうです。

「発表」から「プレゼン」へ
相手を意識した伝え方も学ぶ

企業インターンワークでは、アイデアを考えるだけでなく、それを相手に伝える力も重視されています。活動の節目ごとに行われるプレゼンテーションでは、企業担当者が来校したりオンラインで参加したりして、生徒たちの提案にフィードバックを行います。

時には企画内容の不備などを厳しく指摘することもあります。過去には大手製薬会社がテーマのCM企画に対し、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)」や「食品衛生法」の観点からアドバイスを与えたこともあったそうです。生徒たちはこうしたやりとりを通じて、社会のしくみやリアルな企業活動を学んでいきます。

また、このプログラムでは振り返りも重視されています。生徒同士で採点表を用いて相互評価を行う他、自分たちのプレゼンテーション動画を見返しながら改善点を分析します。

山﨑先生自身も、かつてこの授業を受けた卒業生の一人です。「自分ではうまく伝えたつもりでも、意図した内容が相手に十分伝わっていないことに気づきました。高校生のうちにその経験ができたことは、とても大きかったと思います」。その後も「相手にどう伝わるか」を意識する姿勢は変わらず、現在の教育活動の土台にもなっているといいます。

活動を続けるうちに、生徒たちの意識にも変化が見られるようになります。当初は「発表」と呼んでいたものが、後期になると自然に「プレゼン」という言葉へと変わっていくそうです。ただ話すのではなく、相手にどう伝わるかを考えるようになる。その変化こそが成長の証しだと先生方は話します。

過去には、大手コンビニエンスストアに提案した「マイ容器を持参して揚げ物を購入することでSDGsに貢献する企画」が実際の店舗で採用されたこともありました。自分たちのアイデアが社会の中で形になる経験は、生徒たちに大きな自信を与えています。

近年はAIを活用して資料や動画を作成する生徒も増えています。しかし、不破先生は「AIはきれいな文章や動画を作ることはできますが、それだけでは人の心は動かせません」と語ります。仲間と議論を重ね、情報を取捨選択しながら一つの提案を作り上げる過程にこそ、人間にしかできない価値があると強調します。

全国57校、約1万人が参加するこのプログラムにおいて、同校は全国大会で1位を2回、2位を2回獲得しています。その背景にあるのは、教員が先回りして答えを与えるのではなく、生徒自身の気づきや挑戦を大切にする姿勢です。

約5人のチームで活動する企業インターンワークでは、意見がぶつかることもあります。しかし、そうした経験も含めて、「社会に出るための距離感」を学べることが、この取り組みの大きな意義だと先生方は話します。

最後に受験生へのメッセージを伺うと、山﨑先生は「女子校だからこそ、誰もがリーダーやサブリーダーなどの役割を経験できます。集団の中で自分がどう動くべきかを考えながら、自分らしい強みを見つけてほしいですね」と語ります。

また、不破先生は「プレゼンテーションに0点も100点もありません。振り返りを通して自分たちの良いところを見つけ、次につなげてほしい」とエールを送りました。

企業から出される指示は、商品やイベントの企画・提案など具体的なものがほとんど。生徒たちは4、5人のチームでプレゼンを行います

企業から出される指示は、商品やイベントの企画・提案など具体的なものがほとんど。生徒たちは4、5人のチームでプレゼンを行います

「『自分自身で気づいてほしい』という思いから、グループワークやプレゼンでは、生徒たちの自主性を大切にしています」(不破先生)1
「『自分自身で気づいてほしい』という思いから、グループワークやプレゼンでは、生徒たちの自主性を大切にしています」(不破先生)2

「『自分自身で気づいてほしい』という思いから、グループワークやプレゼンでは、生徒たちの自主性を大切にしています」(不破先生)

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〒133-8552 東京都江戸川区東小岩5-22-1

JR「小岩」駅より徒歩10分、京成線「江戸川」駅より徒歩15分

TEL 03-3659-1241  URL www.edojo.jp

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