筑波大学附属高校 2026年 教科別入試問題分析
英語

1 リスニング問題:小問数6
リスニング問題は試験開始3分後に始まります。男女の対話と内容に関する質問を聞き、4つの選択肢から記号で答える例年通りの形式です。対話文と質問は2回ずつ繰り返されます。
2 物語文の読解(約980語):小問数12
住まいの隣にある空き地を駐車場にする計画を知った主人公が、その計画の撤回を求めて行動する様子を描いた物語文でした。本文中の空所を補う語句の組み合わせを選ぶ設問は、その場の様子や登場人物の心理を正確に把握する必要がありました。下線部の内容説明では、提示されている日本語の空所に当てはまるよう15字以内で簡潔にまとめる記述力が求められました。
3 物語文の読解(約1060語):小問数11
独奏会で緊張して演奏できなかった経験を持つ主人公が、あるイベントを通じて過去の失敗を克服していく姿を描いた物語文です。下線部の内容を説明する問題では、与えられた英文の空所を補う語を本文から抜き出して答える形式で、品詞や文構造に注意する必要がありました。日本語で下線部の内容を説明する問題では、必要な要素を含めながら25字以内にまとめるのに苦心した受検生も多かったのではないかと思われます。例年、筑波大附高では字数制限のある日本語記述が出されているので、過去の入試問題を解いてしっかりと対策しておくことが必要です。
4 和文英訳:小問数4
対話文において、最後のセリフとして与えられた日本語を英訳する問題で、筑波大附高で頻出の形式です。日本語特有の主語を省いた、日常でよく使う会話表現を適切な英文へ置きかえられるかどうかがポイントです。日本語の日常会話を英語で表すならどうなるか、普段から気にかけたり実際に書きためておいたりすることが攻略の鍵となることでしょう。
| 年 | 長文読解 | 記述 | 文法 | リスニング | 発音・語彙 | |||||
| ① | ② | ③ | ④ | 日本語 | 英語 | 大問 | 長文内 | |||
| 2026年 | 物語文 | 物語文 | - | - | ● | ● | ● | ● | ||
| 2025年 | 物語文 | 物語文 | - | - | ● | ● | ● | ● | ||
| 2024年 | 物語文 | 物語文 | - | - | ● | ● | ● | ● | ||
| 2023年 | 物語文 | 物語文 | - | - | ● | ● | ● | ● | ||
| 2022年 | 物語文 | 物語文 | - | - | ● | ● | ● | ● | ||
数学

1 整数
ある自然数を、2つの自然数の平方の差で表せるかどうかを考察する問題でした。(1)で条件を満たす組をどのように調べればよいかが分かるため、(2)以降の問題に取り組みやすくなっていました。できるだけ時間をかけずに、手早く対応したい大問と言えます。
2 空間図形
立方体の容器に水を注いだときの、水位と時間の関係について考える問題でした。(1)は基本問題です。(2)(3)はそれぞれの状況に応じて図を描く必要があり、手間のかかる問題でした。取り組みやすい問題を優先することが得策だと思われます。
3 三角形の合同
三角形の合同条件を題材にした会話文形式の出題で、2つの三角形が合同になるかどうかを考察する問題でした。(1)の作図は、筑波大附高の受検生にとっては基本的な内容なので、確実に正解したいところです。自分でさまざまな図を描きながら調べていく必要があるため、難度は高くないものの、解答に至るまでに時間を要したことでしょう。
4 データの活用
ある中学校のテストの得点について、ヒストグラムや箱ひげ図をもとに考察していく問題でした。組別、男女別のデータがあるため、情報を整理しにくく、ほかの大問と同様に、時間と手間がかかる問題でした。最後の大問であることも加味すると、完答できた受検生は少なかったと思われます。
| 年 | 計算問題 | 整数 | 作図 | 証明 | 文章題 | 円 | 平面図形 | 関数 | 二次関数 | 場合の数 | 確率 | データの活用 | 空間図形 | 球 |
| 2026年 | ● | ● | ● | ● | ● | |||||||||
| 2025年 | ● | ● | ● | |||||||||||
| 2024年 | ● | ● | ● | ● | ● | |||||||||
| 2023年 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | |||||||
| 2022年 | ● | ● | ● | ● | ● |
国語

1 山崎吾郎の文章
新型コロナウイルス感染症などを例に出しながら、現代社会の答えを出しにくい問題についてどのように対処していくべきかということを述べた論説文からの出題でした。論旨ははっきりしていて、議論の展開も丁寧なので、段落ごとの関係をしっかりと押さえていた受検生であれば、読解に苦労することはないでしょう。記号選択は、前後の文脈をきちんとふまえれば正解が出せる標準的な難度でした。記述が1問出されましたが、すべての記述で字数が指定されていた2025年と異なり、字数制限はありませんでした。2つの傍線部の理由をそれぞれ答えることが求められましたが、両者の差異を明確に表現できたかどうかが得点を左右したものと思われます。また、例年通り漢字の書き取りが出されましたが、いずれも標準的な難度で、ここでの失点は避けたいところです。
2 標野凪『占い日本茶カフェ「迷い猫」』
主人公の視点から、祖母、祖父、曾祖父の関係を描いた小説文からの出題でした。登場人物の人間関係がやや複雑であるため、それぞれの心情を把握することに手間取った受検生もいたかもしれません。記号選択は、話の流れを押さえていれば難しいものではありませんでした。ほかの選択肢が誤答である根拠もはっきりしているので、ここでの取りこぼしは避けたいところです。3問出された記述はいずれも字数制限がありましたが、そのうち制限字数50字以内の2問は、登場人物のセリフから心情を正しく推測し、かつ正確に表現することが求められているという点で難度が高かったものと思われます。日頃から、心情問題の記述対策をしておきましょう。
| 年 | 文章1 | 文章2 | 文章3 | 文章4 |
| 2026年 | 山崎吾郎の文章 | 標野凪『占い日本茶カフェ「迷い猫」』 | - | - |
| 2025年 | 石戸諭『ニュースの未来』 | 森沢明夫『エミリの小さな包丁』 | - | - |
| 2024年 | 橋場弦『古代ギリシアの民主政』 | 水野良樹『誰がために、鈴は鳴る』 | - | - |
| 2023年 | 山下浩の文章 | はらだみずき『海が見える家 逆風』 | - | - |
| 2022年 | 野口悠紀雄『知の進化論』 | 重松清『かさぶたまぶた』 | - | - |
理科

1 動物、人体(生物)
動物の分類と人体についての知識問題です。語句指定の記述問題はやや難度が高く、一部で発展的な知識が問われましたが、全体としては平易な内容でした。取りこぼしは最小限に抑えたい大問です。
2 電流、運動とエネルギー(物理)
前半は電気回路についての典型的な問題で、取りこぼしは避けたい内容です。後半は物体の運動とエネルギーについての問題で、正確な理解と状況を分析する力が求められました。難度は高くありませんが、受検生の理解度に大きなばらつきがあるテーマであるため、得点差が生じた可能性があります。
3 天体(地学)
星座や太陽の見かけの位置と動きに関する問題です。多くの受検生が扱いに苦慮する図が用いられていて、難しさを感じた受検生も少なくないと思われます。一方で十分に準備してきた受検生であれば、自ら図を描き直すなどして状況を適切に把握できたと考えられ、大きな差が生じたと思われます。
4 気体、化学変化(化学)
化学変化における基礎~標準レベルの知識問題と計算問題です。知識問題は全問正解が望まれます。一方で計算問題は難度が高いものでした。
| 年 | 物理分野 | 化学分野 | 生物分野 | 地学分野 |
| 2026年 | 電流、運動とエネルギー | 気体、化学変化 | 動物、人体 | 天体 |
| 2025年 | 力 | 気体、化学変化、中和 | 生態系、植物 | 地質、火山 |
| 2024年 | 電流、磁界、運動 | 物質の特徴、化学変化 | 動物、進化、人体 | 天気、天体、岩石 |
| 2023年 | 電流、光、運動とエネルギー | 中和 | 生殖、植物、生態系 | 天体 |
| 2022年 | 力、光 | 物質の特徴、化学変化 | 植物、遺伝、生態系 | 天体、地質、火山 |
社会

1 世界地理
世界の自然・産業・気候に関して出題されました。訪日外国人旅行者に関する問題は、他校の入試問題でも頻出のテーマですが、資料と説明文を検討して記述する形式で、より深い理解が必要なものでした。
2 日本地理
日本の自然・産業・地形図などに関して出題されました。例年であれば、多くの受検生が初見だろう統計や資料が多数用いられますが、2026年は資料も問題の論点も定番のものが多く、取り組みやすくなりました。
3 古代~近世の歴史
感染症の歴史に関するレポートを題材として、奈良時代~江戸時代までの日本史と世界史が出題されました。年代整序・空欄補充・正誤判断・文章記述と形式は多様でしたが、基本的な問題が多く、確実に得点したい大問でした。
4 近現代史
世界と日本の万博を題材とした出題でした。大問3と同様に出題形式は多岐にわたりましたが、大問3よりも求められる知識・読解力・思考力のレベルは高く、得点差がつく大問でした。
5 政治
憲法に関する文章をもとに、三権・選挙・人権に関して出題されました。基本的な知識で解答できるものがほとんどだったので、確実に得点したい大問でした。
6 経済
企業・為替・市場に関して出題されました。その場の対応力が試される出題は例年通りで、この大問にある程度時間を残せるような時間配分が大切でした。
| 年 | 日本地理 | 世界地理 | 日本史 | 世界史 | 政治 | 経済 |
| 2026年 | 自然・産業・地形図 | 自然・産業 | 古代~現代 | 近世~現代 | 三権分立・選挙・人権 | 企業・為替・市場 |
| 2025年 | 自然・人口 | 気候・産業 | 古代~現代 | 中世~現代 | 憲法・人権・地方自治 | 環境問題・価格・財政 |
| 2024年 | 気候・産業・地形図 | 地形・民族・産業・アジア | 古代~現代 | 中世~現代 | 人権・裁判・国連 | 労働・市場・税 |
| 2023年 | 気候・産業・人口 | 産業・貿易・図法 | 古代~現代 | 古代~現代 | 人権・国会・憲法 | 市場 |
| 2022年 | 地形図・人口・産業 | 発電・貿易・環境問題 | 古代~現代 | 中世~現代 | 選挙・国際政治 | 市場・消費者問題 |