お茶の水女子大学附属高校 2026年 教科別入試問題分析
英語

1 リスニング問題:小問数4
放送内容に関する質問への適切な答えを選ぶ問題でした。近年は放送回数が1回でしたが、2026年は2回となりました。
2 リスニング問題:小問数7
イベントに関する放送文を聞き、表中の空所に補う適切な語句や、その内容と一致するものを選択する形式でした。2025年は放送回数が2回でしたが、2026年は1回になりました。
3 説明文の読解(約790語):小問数14
災害現場など危険な場面で活躍するロボットについての説明文で、空所に適切な語を補って要約文を完成させる形式でした。構文や語法に関する知識を基に本文中にない単語を使って答える箇所が増え、例年より苦戦した受検生もいたと思われます。また、2023年まで出題されていた自由英作文が再度出題された一方、和文英訳の大問7がなくなりました。
4 物語文の読解(約420語):小問数4
ニューヨークを初めて訪れた夫婦についての物語文でした。下線部の理由を日本語で説明する例年通りの形式に加え、オチの理解を問う抜き出しが出されました。登場人物の言動から心情を読み取る必要がある答えにくい問題もありました。
5 説明文の読解(約380語):小問数5
ビッグベンの歴史についての説明文で、英文中の5つの空所に入る適切な文を選ぶ形式でした。余分な選択肢はあったものの、空所前後の文脈や接続詞に注目すれば解きやすかったと思われます。
6 並べかえ英作文(約260語):小問数5
長文中で与えられた語句を並べかえ、英文を完成させる形式でした。2025年は余分な語句が2つ含まれていましたが、2026年は語句に過不足はありませんでした。語句から構文を見抜いたり、完成する英文の意味を前後の内容から推測したりして、時間をかけずに解けたかどうかがポイントでした。
| 年 | 長文読解 | 記述 | 文法 | リスニング | 発音・語彙 | |||||
| ① | ② | ③ | ④ | 日本語 | 英語 | 大問 | 長文内 | |||
| 2026年 | 説明文 | 物語文 | 説明文 | - | ● | ● | ● | ● | ||
| 2025年 | 説明文 | 物語文 | 説明文 | - | ● | ● | ● | ● | ||
| 2024年 | 説明文 | 物語文 | 説明文 | - | ● | ● | ● | ● | ||
| 2023年 | 説明文 | 物語文 | 説明文 | - | ● | ● | ● | ● | ||
| 2022年 | 説明文 | 物語文 | 説明文 | - | ● | ● | ● | ● | ||
数学

1 小問集合
(1)平方根の計算、(2)二次方程式、(3)作図という構成でした。(1)(2)ともに、丁寧な計算をしてミスなく正答したいところです。(3)の作図についても、基本的な内容であり、確実に得点したい大問でした。
2 文章題
速さの文章題で、先発した人を追いかける問題でした。(1)(2)は速さの基本と言える問題で、多くの受検生が悩むことなく解答できたことと思われます。(3)では難度がやや上がり、苦戦した受検生も少なくないと思われます。
3 二次関数
二次関数と直線に関する問題でした。(1)(2)では与えられた文字で直線の式や座標を表す問題で、文字の処理に慣れていない受検生は戸惑うこともあると思われます。(3)(4)では文字の処理は減りますが、(4)はルートの計算になるため、計算ミスに気をつけながら完答を目指したい大問でした。
4 平面図形
平行四辺形の周上や辺の延長に点を取り、角度、長さ、面積を総合的に求める問題でした。各小問の答えや、そこに至る考えが、それ以降の小問を解くきっかけになっていました。(3)で難度が上がるため、ここで苦戦した受検生も多かったと思われます。(3)が解けると、(4)は解きやすいため、差がつけられる大問でした。
5 確率
さいころの目により正五角形の頂点を移動する点に関する問題でした。小問が進むにつれて、さいころを投げる回数が増えていきますが、難度はそれほど高くはないので、確実に正答を出したい大問でした。
| 年 | 計算問題 | 整数 | 作図 | 証明 | 文章題 | 円 | 平面図形 | 関数 | 二次関数 | 場合の数 | 確率 | データの活用 | 空間図形 | 球 |
| 2026年 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ||||||||
| 2025年 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | |||||||
| 2024年 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ||||||||
| 2023年 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ||||||||
| 2022年 | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
国語

1 吉岡洋『AIを美学する』
AIの時代において芸術というものは人間にとってどういう意味を持つかについて論じた文章でした。近年続いていた複数の文章を読む形式ではなくなり、時事的なテーマなので読み取りにくさはありません。また、字数制限のある記述は、数こそ近年では少ない2問だけでしたが、文脈を正確に理解したうえで具体的に書かれている内容を自分の言葉でまとめ、字数内で整理する必要がある差がつくものでした。そのほか、文章内容についての記号選択2問と漢字が出されましたが、標準的な難度でした。
2 吉野せい『洟をたらした神』
山麓で貧しい開墾生活を送る家族の中で、柔軟に成長していく子どもたち、それを見守る母の心情変化が描かれた文章からの出題でした。詩やほかの小説からの引用があるうえに脚注が20以上もあり、テンポ良く読み進めていく必要がありました。大問1同様、字数制限のある記述の数は2問と減少しましたが、登場人物の心情をふまえたうえで、傍線部に含まれる比喩表現を自分の言葉で分かりやすく換言する必要がある難度の高いものでした。文章内容についての記号選択3問と語句に関する記号選択は標準的な難度でした。
3 『徒然草』
鎌倉時代の随筆文からの出題でした。脚注も多く、物事を達成するための秘訣について具体的な例を用いて説明しているため、例年に比べて読みやすい文章と言えます。字数制限のある記述は、文中の対応する箇所が特定できれば解答できるものでした。そのほか、主語の問題、文法の知識が前提の傍線部解釈の問題、文脈から判断できる語句の意味に関する問題が出されました。
| 年 | 文章1 | 文章2 | 文章3 | 文章4 |
| 2026年 | 吉岡洋『AIを美学する』 | 吉野せい『洟をたらした神』 | 『徒然草』 | - |
| 2025年 | 岩内章太郎『〈私〉を取り戻す哲学』 | 太宰治『たずねびと』 | 『撰集抄』 | ー |
| 2024年 | 今井むつみ・秋田喜美『言語の本質』 | 石川達三『生きている兵隊』 | 『発心集』 | ー |
| 2023年 | 佐伯和人の文章/中谷宇吉郎の文章 | 国木田独歩『画の悲しみ』 | 『枕草子』 | ー |
| 2022年 | 伊勢武史『生態学者の目のツケドコロ』 | 芥川龍之介『戯作三昧』 | 『宇治拾遺物語』 | ー |
理科

1 小問集合(物理、化学、生物、地学)
2025年までは大問2つに分かれていた小問集合が1つにまとまりました。知識、計算、グラフや表の読み取りなどの小問が各分野から出されました。正確な知識に加えて分析力や思考力が問われました。
2 化学変化(化学)
ホットケーキの生地をテーマにした、化学変化に関する問題です。過去の難関校の入試でも扱われたことのある内容だったため、類題演習の有無や、化学変化の計算問題の理解度によって差がついた可能性があります。記述形式の問題では、読解力や思考力が求められました。
3 天体(地学)
前半は標準から応用レベルの知識問題や典型的な記述問題が出されています。後半は日時計をテーマとして、理科的な思考力と数学的な図形の処理能力を要する問題でした。
4 力、運動とエネルギー(物理)
物体にはたらく力に関する問題です。力と物体の運動についての理解度が問われました。近年頻出の仮説を実験結果と比較する形式の出題もあり、読解力と思考力が求められました。基本事項の理解の深さによって、差がつきやすい内容のため、得点差が生じたと考えられます。
5 植物、遺伝(生物)
植物の分類やつくりに関する知識問題と遺伝子のしくみに関する読解力を要する問題です。知識はいずれも基礎的なものなので確実に正解したい問題です。花のつくりに関する遺伝の問題は難関校の入試で扱われることがある内容だったため、類題の演習経験がある受検生は取り組みやすかったことでしょう。
| 年 | 物理分野 | 化学分野 | 生物分野 | 地学分野 |
| 2026年 | 電流、力、運動とエネルギー | 電気分解、気体、化学変化 | 人体、植物、遺伝 | 天気、天体 |
| 2025年 | 放射線、電流、音、光、運動 | 化学変化、イオン、物質の特徴 | 動物、食物連鎖、顕微鏡、植物 | 地質、天気、天体 |
| 2024年 | 光、力、電流 | 物質の特徴、イオン、化学変化 | 植物、動物、人体、生殖 | 岩石、天気、天体 |
| 2023年 | 光、放射線、電流、力、仕事 | 化学変化、物質の特徴、イオン | 植物、動物、人体、生態系 | 天体、天気、地震 |
| 2022年 | 音、電流、力、運動とエネルギー | 化学変化、水溶液、イオン | 顕微鏡、生殖、人体 | 天体、火山、岩石、環境問題 |
社会

1 世界地理総合
世界の地域区分を題材とした問題でした。思考力が問われる文章記述問題が1問あったものの、その他は基礎的な問題で、手早く処理し、かつ確実に得点したい大問でした。
2 日本地理
関東地方を題材とした問題でした。空欄補充問題は、確実に得点したい基礎的なものでした。統計資料を用いた問題は他校の入試問題でも頻出のものであり、各都府県の特徴を理解し、柔軟に知識を引き出せれば解答できるものでした。
3 古代~近世の日本史
農作業が描かれた中世の屏風とそれに関する生徒の会話を題材とした問題でした。歴史に関する知識だけでなく、一般常識に関することや絵から読み取ったことを解答するものもあり、総合的な知識が試されました。仕事と飲酒に関する文章記述は、史実に反することのない整合性のとれた解答を作成する必要がありました。
4 近現代の歴史
アジア・アフリカ会議に関する新聞の社説を題材とした問題で、すべての設問が語句記述問題と空欄補充問題で構成されていました。資料中の空欄を補充する形式の問題は、資料の内容を丁寧に読み取りながら慎重に解答する必要がありました。
5 公民総合
日本の労働経済に関する厚生労働省の資料からの出題でした。政治・経済分野から幅広く出題されましたが、いずれも標準的なレベルの問題でした。
| 年 | 日本地理 | 世界地理 | 日本史 | 世界史 | 政治 | 経済 |
| 2026年 | 気候・人口・産業 | 産業・地形・気候・人口 | 古代~中世・現代 | 近代~現代 | 憲法・国会・裁判所 | 企業・労働・市場 |
| 2025年 | 気候・産業・貿易 | 産業・地形・宗教・気候 | 古代~近代 | 近代~現代 | 憲法・立法・裁判 | 企業・流通 |
| 2024年 | 地形・災害 | 産業・地形・宗教 | 古代~近代 | 中世~現代 | 憲法・選挙・国連・裁判所 | 金融・財政・企業 |
| 2023年 | 産業・交通・自然 | 産業・貿易・人口 | 古代~近世 | 現代 | 国際連合・三権 | 為替・消費者問題 |
| 2022年 | 産業・交通・自然 | 貿易・産業 | 古代~現代 | 古代~現代 | 国会・内閣・国際社会 | 資本主義経済 |