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早稲田実業学校高等部 2023年出題傾向リサーチ

出題傾向リサーチ

英語

A 同意文完成:小問数6

2022年に引き続き基本的な文法、熟語の知識を問うものが出題されました。

B 正誤問題:小問数4

誤りのある箇所を選んで訂正する2021年の形式に戻りました。全体として標準的な難易度と言えます。

C 同音異義語:小問数5

各組の英文の空所に同じ発音でつづりが異なる語を答える問題でした。

D 和文英訳:小問数2

日本語の文章の一部を英訳する、早実高で頻出の出題形式です。2022年とは異なり、それぞれの問題に条件が与えられています。

E 説明文の読解(約520語):小問数8

森林火災においてビーバーの果たす意外な役割についての説明文でした。設問の多くが文脈把握、内容理解に関するものでした。

F 説明文の読解(約580語):小問数12

悪癖と考えられている人間のある習慣に関する説明文でした。高校レベルの語彙が用いられていて、難度の高い英文だったと言えます。問7では、必要な情報を本文中から正確に探し出し、それを選択肢とあわせて考える情報処理能力が求められました。

G 物語文の読解(約1080語):小問数10

主人公の女性と、不思議な提案をしてくる男性のやりとりを描いた物語文です。問4は主人公が気づいた事実を日本語で説明する問題で、本文全体を理解しているかどうかが問われる難問でした。

H リスニング問題:小問数14

試験開始後54分経ってから始まり、4つのパートで構成されています。前半は1度しか放送されないため、前もって質問と選択肢に目を通しておくことが大切です。

数学

1 小問集合

(1)因数分解、(2)データの活用、(3)食塩水の文章題、(4)不定方程式についての出題でした。処理に時間がかかる問題もありますが、確実に得点したい大問でした。

2 確率・作図

(1)はさいころの出た目と対応した円周上の点についての問題で、丁寧な処理が求められました。(2)は与えられた円に接する円の作図の問題で、解法の糸口を掴むのに苦労した受験生もいたかと思われます。

3 二次関数

2本の直線と2つの放物線との交点で作られる図形を考察する問題でした。(1)(2)は早実高の受験生であれば、類題を解いた経験もあったことでしょう。(3)は少し処理に時間はかかりますが、問われていた内容自体の難度は高くないので、完答を目指したい大問でした。

4 空間図形と球

正四面体とその高さを直径とする球についての問題でした。(2)(3)は球と正四面体の交わりについての問題でしたが、適切な平面を取り出せたかどうかがポイントでした。

5 座標平面での動点

座標平面上を動く点についての問題でした。問題文から正確に状況を把握することが求められました。(3)②はある時間における座標を求める問題で、点が動いてできる図形の長さの数値が煩雑であったことから、正確に計算をして解ききることができた受験生は少なかったと思われます。

国語

1 又吉栄喜 『カーニバル闘牛大会』

アメリカの統治下にあった戦後の沖縄を舞台とする小説文です。文章量は2022年までと同程度ですが、登場人物の心情に注意しながら丁寧に読み進める必要がありました。設問の中心は文章の内容理解に関するものですが、表現技法についても問われています。空欄補充1問以外すべて記号選択で、文章全体にわたって注意深く読むことができれば、受験生を悩ませるような選択肢はありません。ほかの大問に時間がかかる分、この大問は素早く処理したいところです。

2 佐藤弘夫『死者と神の行方』

日本において変遷する死者の観念について述べた文章です。死の儀礼という一般的になじみの薄いテーマだったため、読みにくさを感じた受験生もいたものと思われます。制限字数25字の記述が3問、30字の記述が1問、20字の記述が1問出されていますが、書くべきポイントを意識せずに、漫然と解くだけでは得点に結びつかないところが早実高の国語攻略の鍵です。知識分野からは漢字の読み取り1問、書き取り2問が出されました。

3 『風姿花伝』

室町時代の能楽論書からの出題で、ベテランの役者が心得なければならないことが説かれています。設問の形式は記号選択が中心ですが、選択肢にまぎらわしいものがあるため、キーワードとして使われている言葉に込められた筆者の考え方を、注釈を参考にしながら読み取る必要があります。内容理解に関する問題以外では、文学史や歴史的仮名遣い、古文単語の意味が出されました。これらの知識問題は、いずれも確実に得点しておきたい標準的な難度です。