筑波大学附属駒場高校 2026年 教科別入試問題分析
英語

1 リスニング問題:小問数7
問1は短文の書き取りが2問で、2回ずつ放送されます。問2はマジックショーに関するスピーチについて、英語の質問に日本語で答える形式が4問と、記号選択形式が1問で、1回のみの放送です。試験開始約10分後に始まるので、あらかじめ聞き取るべきポイントを確認しておくとよいでしょう。
2 物語文の読解(約1030語):小問数8
小学校に入学した息子が1人のクラスメイトについて家族に話す物語文です。物語を読み進めるうちに展開が大きく変わっていくのは筑駒高の特徴の一つで、話の筋を正確に追えたかどうかがポイントでした。家族内での隠語の意味を答える問題は、的確な日本語で表現するのに苦労した受験生も多かったと思われます。大問3も含め、日本語記述問題のほとんどに字数指定があり、限られた時間のなかで解答の要素を過不足なくまとめることが求められた高難度の問題でした。
3 物語文の読解(約700語):小問数8
主人公が駅で出会った女性に再び会うため、自分の職業経験を活かして居場所を推理する物語文です。比較的解答しやすい問題も多いなか、物語前半の細かい描写が解答のポイントとなる記述問題もあり、慎重に読み進める必要がありました。筑駒高では行間を読んだり張られた伏線に気づいたりする必要のある文章が頻出なので、過去の入試問題で経験を積んでおくことが大切です。
4 和文英訳・自由英作文:小問数2
ピクトグラムについて、新旧のイラストを見比べながら指示に沿って英文を記述する形式です。2問構成で、①は与えられた日本語を英訳する問題、②は2種類のピクトグラムから1つ選び、変化の様子とその理由を35~45語の英語で記述する問題です。2025年に引き続き、イラストに絡めて現代社会に関するテーマが出題されました。日頃から時事的なテーマに関心を持っておくと解答しやすかったと思われます。
| 年 | 長文読解 | 記述 | 文法 | リスニング | 発音・語彙 | |||||
| ① | ② | ③ | ④ | 日本語 | 英語 | 大問 | 長文内 | |||
| 2026年 | 物語文 | 物語文 | - | - | ● | ● | ● | ● | ||
| 2025年 | 物語文 | 物語文 | - | - | ● | ● | ● | ● | ||
| 2024年 | 物語文 | 物語文 | - | - | ● | ● | ● | ● | ||
| 2023年 | エッセイ | 物語文 | - | - | ● | ● | ● | ● | ||
| 2022年 | 物語文 | 物語文 | - | - | ● | ● | ● | ● | ||
数学

1 二次関数
正十二角形と放物線からなる図形についての問題でした。(1)~(3)は基本問題なので、計算ミスに注意して正解したいところです。(4)は解法によって計算量が変わるため、差がつきやすい問題だったと思われます。
2 整数
条件を満たす二次方程式について考察する問題でした。(1)は基本問題でしたが、(2)は解法が思いつかなかった受験生も多かったと思われます。(3)は(2)の結果を利用するため、正解にたどり着けた受験生は少なかったことでしょう。
3 折り返し図形
長方形を折り返してできる図形の問題でした。(1)は折り返し図形の基本構図なので確実に正解したい問題です。(2)は問題文からどのように折ったのかを考える必要がありました。折り目を手がかりにして、状況を的確に把握したうえで、図形的性質に気づけたかどうかがポイントでした。
4 空間図形
2つの立方体を重ねてできた立体の体積、表面積を求める問題でした。(1)は立体の形状を把握しやすいので、計算ミスに注意して正解したいところです。一方、(2)は共通部分の立体の形状を把握することが難しく、時間内に完答できた受験生は少なかったことでしょう。
| 年 | 計算問題 | 整数 | 作図 | 証明 | 文章題 | 円 | 平面図形 | 関数 | 二次関数 | 場合の数 | 確率 | データの活用 | 空間図形 | 球 |
| 2026年 | ● | ● | ● | ● | ||||||||||
| 2025年 | ● | ● | ● | ● | ● | |||||||||
| 2024年 | ● | ● | ● | ● | ● | |||||||||
| 2023年 | ● | ● | ● | ● | ||||||||||
| 2022年 | ● | ● | ● | ● |
国語

1 髙階秀爾『西洋の眼 日本の眼』
日本と西洋の伝統的芸術観について対比的に述べた論説文でした。具体例を挙げながら述べられているため難解な読解ではありません。例年同様、字数制限のない記述が中心ですが、ほかにも空欄補充や記号選択、漢字の書き取りが出されています。漢字の書き取りはどれも標準的な難度のものなので、きちんと得点につなげることが必要です。記述は傍線部を言い換えるタイプの問題だけでなく、筆者の表現意図や考えを問うものも出されました。いずれも文中に根拠を求め、的確にまとめていく力が求められていました。
2 平野啓一郎『文学は何の役に立つのか?』
文学についての現代社会の風潮に対する筆者の意見が述べられた随筆でした。筆者自身の経験について具体例を挙げて述べられていて、こちらも読解に難しさはありません。設問はすべて字数制限のない記述でしたが、それぞれ傍線部の換言説明、理由説明、筆者の表現意図や考えを問うものと、多様な形式で出されました。設問意図を正確にふまえながら、短い時間で素早く記述する力が求められました。
3 『今物語』
鎌倉時代に成立した説話集からの出題でした。日頃から古文の学習を十分に積み重ねていれば読解に難しさはありません。記号選択5問と字数制限のない記述2問という構成です。記述は細かな条件が設定されていて、そうした設問意図をふまえて解答する必要がありました。また、2020年、2021年に出されていた歌の解釈が必要な問題も出され、時間がかかってしまった受験生も多くいたと思われます。
| 年 | 文章1 | 文章2 | 文章3 | 文章4 |
| 2026年 | 髙階秀爾『西洋の眼 日本の眼』 | 平野啓一郎の文章 | 『今物語』 | - |
| 2025年 | 山内朋樹『庭のかたちが生まれるとき』 | 折坂悠太『折坂悠太(歌)詞集』 | 『無名抄』 | - |
| 2024年 | 佐々木健一『経験としてのエイジング』 | 最果タヒ『不満でいたい』 | 『玉勝間』 | - |
| 2023年 | 須藤靖の文章 | 奈倉有里『ゲルツェンの鐘が鳴る』 | 『蒙求和歌』 | - |
| 2022年 | 宮野真生子の文章 | 乗代雄介『旅する練習』 | 『増鏡』 | - |
理科

1 化学変化、イオン(化学)
主に化学変化の実験に関する計算問題でした。答えに至るまでの段階、処理すべき情報量、計算量がやや多く、思考力・分析力が求められました。むやみに計算するのではなく、日頃から情報を整理して確実に正解する解き方を徹底することが重要です。
2 天気(地学)
乾湿計を題材としたやや変わった形式の問題でした。典型問題ではありませんが十分に対処できる難度で、全問正解を目指したい内容です。
3 植物(生物)
生物分野においてグラフを読み取る形式の問題が出たのは、2017年以来でした。文章やグラフから必要な情報を短時間で抽出できるかどうかがポイントでした。ここも全問正解を目指したい内容です。
4 天体(地学)
月からの地球の見え方と月面上での1日に関する問題でした。月からの地球の見え方については、過去の入試問題で出されているため、解いたことがあるかどうかで差がついたことでしょう。
5 微生物、生態系(生物)
微生物と食物連鎖に関する問題でした。発展的な知識を求められた一部の設問のほかは、短時間で正解したい内容です。
6 光(物理)
高度な思考力と分析力を要するという点で、2024年の物理分野の難問と似た傾向でした。入試でよく出される実験を題材としながら、条件の見落としがないかどうか検証するのが難しく、工夫された問題でした。諦めずに解けるところを探すことが求められました。
| 年 | 物理分野 | 化学分野 | 生物分野 | 地学分野 |
| 2026年 | 光 | 化学変化、イオン | 植物、微生物、生態系 | 天気、天体 |
| 2025年 | 仕事、力、エネルギー | 化学変化 | 植物、生態系、進化 | 地震、天体 |
| 2024年 | 電流、磁界 | 化学変化 | 人体、動物、遺伝 | 天体 |
| 2023年 | 電流、磁界 | 中和、電気分解 | 細胞、動物 | 地質 |
| 2022年 | 運動 | 中和、化学電池 | 細胞、生態系 | 天体、地質、天気 |
社会

1 日本史・公民総合
日本史における20世紀前半の社会主義運動とその取り締まりに関する文章を題材とした問題で、前半から後半にかけて徐々に難度が上がっていく構成でした。最後の小問6は正しくないものをすべて選ぶ形式であり、難度が高いものでしたが、それ以外の小問は得点したいところです。歴史と公民の小問が混在していたため、受験生は双方の知識が柔軟に引き出せるように整理できていることが重要でした。
2 歴史総合
複数の生徒が日本史および世界史上の戦争について調べたメモに関連づけた総合問題でした。年代や正誤を素早く判断する知識量に加えて、単文で内容をまとめる記述力、設問条件を正しく読み取る力など、あらゆる能力が問われる筑駒高らしい大問でした。標準~応用レベルの問題が並び、すべての中で最も差がつく大問だったと思われます。
3 地理・公民総合
自然災害と被災者の権利に関する文章を題材とした問題でした。記号選択問題は知識として覚えていないことでも、選択肢の文を冷静に読めば判断できるものも多く、正しくないものをすべて選ぶ形式の小問5以外は得点したいところです。記述問題は設問条件と指定された文字数の中で解答することが難しく、作題者が何をポイントとしているのかを推し測る分析力とそれをまとめあげる記述力が必要でした。
| 年 | 日本地理 | 世界地理 | 日本史 | 世界史 | 政治 | 経済 |
| 2026年 | 地形・産業・地形図 | 地形・各国の地誌 | 古代~現代 | 中世~現代 | 選挙・裁判所・国際政治 | 地域主義 |
| 2025年 | 人口・地形・気候 | 気候・各国の地誌 | 古代~現代 | 古代~現代 | 国際政治・選挙・人権 | 消費・環境 |
| 2024年 | 観光・地形・気候 | 地形・気候・産業 | 古代~現代 | 古代~現代 | 国際政治 | 環境 |
| 2023年 | 地形・都市 | 貿易 | 古代~現代 | 古代~現代 | 憲法・人権・国会 | 財政・消費 |
| 2022年 | 静岡県 | 各国の地誌・エネルギー | 古代~現代 | 古代~現代 | 国際政治 | 消費・価格・企業・環境 |