開成高校 2026年 教科別入試問題分析
英語

1 エッセイの読解(約500語):小問数11
筆者が子どもの頃の、クリスマスプレゼントにまつわる苦い経験をつづったエッセイです。文中での筆者自身の心情変化や家族との関係性を丁寧にとらえながら読み進める必要があり、開成高の受験生でも難度は高く感じたことでしょう。
2 説明文の読解(約540語):小問数8
子が親に対して、心遣いや感謝の気持ちを伝えることの大切さを説く内容です。長文の語数は大問1と合わせて2025年より約360語短くなりましたが、記述問題も含まれ、設問の難度は高いです。50分の試験時間内で長文2題にかけられる時間は約25~30分、一問あたり1分~1分半程度で解く速さも必要でした。
3 同音異義語:小問数5
発音系の語彙問題は頻出で、5年間で4回出されています。2026年は比較的易しく、確実に正解しておきたい問題でした。
4 正誤:小問数5
英文中の、文法上または表現上不要な1語を答える問題です。不要な単語がない場合は×で答える必要があり、誤りの有無を素早く的確に判断していくことが求められました。
5 適語補充:小問数5
会話調の柔らかい言い回しを、自分が知っている英語の熟語表現で置きかえることが必要でした。
6 並べかえ英作文:小問数4
与えられた単語に不足する1語を補って並べかえ、英文を完成させる問題です。大問3~6にかけられた時間は約5~10分と想定され、素早く確実に解き進める必要がありました。
7 リスニング:小問数11
3つのパートに分かれ、各パート2回ずつ放送されました。Part Aは対話文、Part Bは旅行先での支出金額を計算する問題、Part Cは鳥の生態について述べた説明文です。特にPart Cは通常の長文問題と同等のハイレベルな内容を聞き取る必要があり、事前の練習と当日の高い集中力が要求されました。
| 年 | 長文読解 | 記述 | 文法 | リスニング | 発音・語彙 | |||||
| ① | ② | ③ | ④ | 日本語 | 英語 | 大問 | 長文内 | |||
| 2026年 | エッセイ | 説明文 | - | - | ● | ● | ● | ● | ● | |
| 2025年 | 物語文 | 説明文 | - | - | ● | ● | ● | ● | ● | |
| 2024年 | 物語文 | エッセイ | - | - | ● | ● | ● | ● | ● | |
| 2023年 | エッセイ | 説明文 | - | - | ● | ● | ● | ● | ● | |
| 2022年 | 物語文 | エッセイ | - | - | ● | ● | ● | ● | ● | |
数学

1 二次関数
放物線上の点を結んだ複数の直線の傾きの条件をもとに、さまざまな線分比、値について考えていく問題でした。小問間のつながりを読み解きながら考えることが必要で、力の差が出る巧みな問題構成になっていました。2018年に似た構図が出題されていますが、2026年は問題の意図を冷静に考えながら、最後の(4)①~④でどこまで正解していけるかがポイントでした。
2 2点の動き
一定の速さで動く2点について考察する問題でした。最初に点の動きを表すグラフの概形を解答し、そのグラフをもとに、以降の小問を解き進める形式でした。最後まで丁寧な誘導がついているため、ケアレスミスに注意しながら、誘導の流れに上手く乗って解き進めていきたいところです。
3 2つの断頭三角柱
合同な2つの断頭三角柱を合わせてできた空間図形について考察していく問題でした。こちらも、着眼点が小問ごとに示されていて、解き進めながら題意を把握できるので、粘り強く取り組みたいところです。また、大問1と同様に解答のみを記せばよいという設定で、その点でも精神的な負担が軽くなった受験生は少なくないでしょう。
| 年 | 計算問題 | 整数 | 作図 | 証明 | 文章題 | 円 | 平面図形 | 関数 | 二次関数 | 場合の数 | 確率 | データの活用 | 空間図形 | 球 |
| 2026年 | ● | ● | ● | |||||||||||
| 2025年 | ● | ● | ● | ● | ||||||||||
| 2024年 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | |||||||
| 2023年 | ● | ● | ● | ● | ● | |||||||||
| 2022年 | ● | ● | ● | ● | ● |
国語

1 大嶋義実『演奏家が語る音楽の哲学』
日本古来の芸能や芸術が死者の世界と関連することを論じた文章からの出題でした。受験生にとってはなじみの薄いテーマであり、読み取りに時間を要した受験生もいたと思います。ただし、各設問は、傍線部をきちんと把握し、設問の指示を丁寧に理解することで対応できるものでした。2025年と同様に、すべての記述で字数制限がありません。解答欄の長さに応じて何をどこまで書くかを分析して解答をまとめる必要があります。漢字は全部で4問でした。
2 川内有緒の文章
作者自身の旅に関する体験を独自の視点でつづった随筆文からの出題でした。2025年は大問2の文章が異例の短さだったのに対して、2026年は文章の長さと難度はともに標準的なものでした。設問は、字数制限のない記述3問で構成されています。うち1問は、受験生の「考え」を問うものでしたが、作文のように書くのではなく、あくまで文中の根拠や設問意図を的確に理解したうえで、要点を外さず解答する必要がありました。この大問では受験生の得点に大きく差が生じたと考えられます。
3 『鈴屋答問録』
2025年に引き続き2026年も江戸時代の国学者・本居宣長による文章からの出題でした。例年と比べるとかなり短めで、具体的な説明も多く、読み取りやすいものでした。記述は解答枠1行のものが1問で、簡潔にまとめる必要があります。そのほかの設問も作者の考えを理解しているかどうかを試す、標準的な難度のものでした。開成高の対策をしてきた受験生であれば、この大問では、できるだけ失点を避けて高得点を取りたいところです。
| 年 | 文章1 | 文章2 | 文章3 | 文章4 |
| 2026年 | 大嶋義実『演奏家が語る音楽の哲学』 | 川内有緒の文章 | 『鈴屋答問録』 | - |
| 2025年 | 谷原つかさ『「ネット世論」の社会学』 | ハルノ宵子『隆明だもの』 | 『源氏物語玉の小櫛』 | - |
| 2024年 | 國分功一郎『目的への抵抗』 | 岩城けい『M』 | 『遠思楼詩鈔』 | - |
| 2023年 | 宮野真生子の文章 | 正宗白鳥『吉日』 | 『今昔物語集』 | - |
| 2022年 | くどうれいん『氷柱の声』 | 内田樹『武道論』 | 『新花摘』 | - |
理科

1 天気、地震(地学)
前半は湿度の計算や露点を求める実験に関する問題、後半は地震に関する計算とやや発展的な知識の問題でした。露点を求める実験については、実際の実験手順を想像しながら解き進める必要があるもので、標準レベルだと言えます。湿度と地震の計算問題は基礎レベルなので、ミスなく正解したい内容でした。
2 物質の特徴、化学変化(化学)
二酸化炭素を発生させる実験に関する知識と計算の典型問題と、実際に実験を行う際の注意点に関する問題でした。基礎レベルの問題が多く、落ち着いて解き進める必要がありました。なお、化学分野において、実際の実験を意識した出題は2025年と同じ傾向であり、今後も注意が必要でしょう。
3 人体、動物(生物)
前半は人体の反応に関する基礎レベルの知識問題、後半はネズミを用いた実験とその結果を用いて、その場で考えるタイプの問題でした。生物分野で、中学生が初めて見るであろう実験を題材とした出題は、2025年と同じ傾向です。実験結果を分析・考察する力は、ある程度以上の期間をかけて培うものです。日頃からの学習姿勢が問われていると言ってもよいでしょう。
4 音(物理)
音の伝わり方や波形に関して、中学生には見慣れない実験を題材とした出題でした。高校物理に題材を求めている点は、2025年と共通しています。実験やグラフの条件を注意深く読み取ったうえで、その場で考察するタイプの問題でした。難度は標準レベルですが、制限時間内で解ききるためには集中力と高い思考力を要求される構成でした。
| 年 | 物理分野 | 化学分野 | 生物分野 | 地学分野 |
| 2026年 | 音 | 物質の特徴、化学変化 | 人体、動物 | 天気、地震 |
| 2025年 | 運動 | 化学変化 | 生態系、動物 | 天気、地質、天体 |
| 2024年 | 電流 | 中和 | 細胞、生殖、遺伝 | 天体 |
| 2023年 | 水圧 | 化学変化 | 人体 | 岩石、火山、天気、天体 |
| 2022年 | 電流、磁界 | イオン、中和 | 遺伝 | 火山、岩石 |
社会

1 歴史総合
中世から近現代までのさまざまな戦乱を説明したA~Hの文と、それらに関連する出来事からの出題でした。空欄補充と年代判別が主で、例年見られる正誤判断や地図と関連づけて詳細な知識を問うものはほとんどありませんでした。全体的に易しく、高得点勝負となる大問だったため、空欄補充や語句記述の問題で漢字のミスによる失点を防ぎ、確実に得点することが重要でした。
2 地理総合
世界の郷土料理と日本の食料生産を題材とした世界地理・日本地理の総合問題でした。世界地理は国名とその国の地形・気候・言語・宗教といった特色がしっかりと結びついているかどうかを試されるものでした。日本地理は稲作に関する問題で、複数あるグラフを正確に読み取ることができれば解答は容易だったと思われます。2026年は地図や地形図を用いた出題がなく、例年と比べて解答しやすい形式でした。
3 公民総合
「公園を設置することによる効果」に関する文を題材とした政治・経済の総合問題でした。開成高の過去の入試問題と類似したものも複数見られたため、過去の入試問題の演習が有効でした。文章記述が2問あり、1つは特定の用語の意味を説明するもので、もう1つは問題文を読み取って解答する形式のものでした。前問は日頃の学習姿勢が試されるものであり、後問は身近な題材を扱ったものだったので、解答しやすいと感じる受験生も多かったと思われます。
| 年 | 日本地理 | 世界地理 | 日本史 | 世界史 | 政治 | 経済 |
| 2026年 | 気候・産業 | 地形・民族・統計資料 | 中世~近代 | 中世~現代 | 憲法・国会・地方自治 | 価格・社会保障・財政 |
| 2025年 | 地形図・気候・産業 | 気候・都市 | 古代~現代 | 古代~現代 | 国際政治・選挙・人権 | 消費・企業・金融政策 |
| 2024年 | - | 地形・統計資料 | 古代~現代 | 古代~現代 | 憲法・国会・地方自治 | 企業・財政 |
| 2023年 | 地形・気候・産業 | 地形 | 古代~近代 | 近現代 | 人権・選挙 | 価格・労働・環境問題 |
| 2022年 | 地形・災害・地形図 | 地形・気候・地図 | 古代~現代 | 古代・中世 | 国会・内閣・人権 | 環境問題 |