英語

1 リスニング問題:小問数5
例年通り、問題Aと問題Bの2つに分かれていました。問題Aは設問ごとに対話とそれに関する質問を聞き、適切なものを選択肢から答える形式です。問題Bはある中学校へ着任した外国人の英語教師による生徒に向けた自己紹介で、その内容に関する選択問題と英文記述問題が出されました。
2 対話文の読解(約1500語):小問数11
「キャラを演じる」ことの良し悪しや、自分の性格を変えることについての対話文です。なじみのあるテーマのため、読みやすかったと思われます。例年より小問数が少し増えました。また、本文の空所に適切な語や文を補充する問題が5問あり、前後の文脈から適切な流れを把握する能力が問われました。さらに、本文の内容と異なるもの、適切でないものを選ぶ問題も3問あり、本文の記述を細かく確認する必要がありました。
3 説明文の読解(約1195語):小問数9
落語に関する説明文です。上方落語と江戸落語の特徴、講談と落語の違いなど、2つのものを対比しながら読み進める必要がありました。2020年と比べて語数が200語以上増えた一方、小問数は少し減りました。また、大問2の最後にあった自由英作文が、2021年では大問3に移動しました。落語の魅力について本文を参考にして50語以内で書くという問題で、本文の内容を踏まえながら、自分の言葉で表現することが得点の鍵になります。問6は本文の流れに合うように空所に入る英単語1語を本文中から抜き出す問題でした。落語噺のオチとなる言葉で、本文の内容を正確に読み取る必要がありました。
年 | 長文読解 | 記述 | 文法 | リスニング | 発音・語彙 | |||||
① | ② | ③ | ④ | 日本語 | 英語 | 日本語 | 英語 | |||
2021年 | 対話文 | 説明文 | ● | ● | ● | |||||
2020年 | 対話文 | スピーチ | ● | ● | ● | |||||
2019年 | 対話文 | エッセイ | ● | ● | ● | |||||
2018年 | 対話文 | 物語文 | ● | ● | ● | |||||
2017年 | 対話文 | 説明文 | ● | ● | ● |
数学

1 小問集合
平方根の計算、二次方程式、空間図形、確率、作図の5問からなる小問集合でした。いずれも標準レベルの問題でしたので、高得点を取るためには確実に正解したいところです。
2 二次関数
〔問1〕は変域、〔問2〕は座標平面上に作られる三角形の面積についての問題でした。典型的な問題で難度は高くありませんが、解法によって正解を導くまでの時間に差がついたと思われます。素早く確実に正解するには、適切な解法を選ぶことが大切でした。
3 円
円の内外に作られる図形に関する問題でした。〔問1〕は角度を文字で表す基本問題でした。〔問2〕(1)の証明問題は、〔問1〕の結果を上手く利用できたかどうかで、正答率に差がついたと思われます。(2)の長さを求める問題は、(1)で証明した事柄を用いることができれば、正解を導くことは難しくなかったでしょう。
4 文章題
球を規則的に並べ、数の性質を考察する問題でした。分かりやすい規則ですので、〔問1〕は確実に正解したい問題です。〔問2〕は問題文に書かれている例から、どのような考え方で答えを導いていくかを理解することが必要でした。(1)は条件の数が大きく、(2)は文字式での計算になるので、正解するにはどちらも丁寧な計算が求められました。
年 | 計算 問題 |
整数 | 作図 | 証明 | 文章 題 |
円 | 平面 図形 |
関数 | 二次 関数 |
場合 の数 |
確率 | 資料の 整理 |
空間 図形 |
球 |
2021年 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ||||||
2020年 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | |||||
2019年 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ||||||
2018年 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | |||||||
2017年 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
国語

1 漢字の読み取り
2020年と比べて受検生になじみの薄い語句が多く出されました。漢字の学習に力を入れているかどうかが問われています。
2 漢字の書き取り
標準的な難度の問題が多く出されましたが、大問1と同様に難度の高い四字熟語も含まれています。
3 上野歩『就職先はネジ屋です』
ネジ会社に就職した主人公が指導を受けて成長していく様子を描いた小説文です。傍線部の前後を丁寧に読み進めていけば解答できる問題が多く、全体的に取り組みやすい大問であったと言えます。2020年と同様に記述が出されていますが、標準的な難度の問題であったため、得点につなげていきたいところです。
4 広井良典『人口減少社会のデザイン』
福祉、環境、経済の3つの面から今後の日本社会について論じた文章です。2020年とは異なり、文中にある図表を読み解いて解答する問題が出されました。図表を含む文章の出題はこれまでになかったため、戸惑う受検生も多かったと考えられます。2020年に出されていた制限字数50字以内の記述はなくなりましたが、課題作文は例年通り制限字数240字以内で、文章内容をふまえて自分の考えをまとめる力が必要とされました。
5 前野直彬『精講 漢文』
「十七条憲法」や『古事記』に見られる漢文表現を例に挙げながら、その違いについて述べた文章でした。解答するにあたって漢文の特別な知識は必要ありません。時間配分を考えると、設問を解くうえで重要な部分に絞って読み進めていくことが求められました。
年 | 文章① | 文章② | 文章③ | 文章④ |
2021年 | 上野歩『就職先はネジ屋です』 | 広井良典『人口減少社会のデザイン』 | 前野直彬『精講 漢文』 | - |
2020年 | 砥上裕將『線は、僕を描く』 | 西江雅之『ことばだけでは伝わらない』 | 藤本宗利『感性のきらめき 清少納言』 | - |
2019年 | 額賀澪『完パケ!』 | 池内了『科学・技術と現代社会』 | 大岡信『日本の詩歌』 | - |
2018年 | 原田マハ『リーチ先生』 | 田口茂『〈交差〉としての時間』 | 三枝昂之『うたの水脈』 | - |
2017年 | 武田綾乃『白線と一歩』 | 小林道憲『芸術学事始め』 | 鈴木一雄『物語文学を歩く』 | - |