東京都立国立高校 2021入学者選抜 自校作成問題 分析

英語

東京都立国立高等学校 英語

1 リスニング問題:小問数5

 例年通り、問題Aと問題Bの2つに分かれていました。問題Aは設問ごとに対話とそれに関する質問を聞き、適切なものを選択肢から答える形式です。問題Bはある中学校へ着任した外国人の英語教師による生徒に向けた自己紹介で、その内容に関する選択問題と英文記述問題が出されました。

2 対話文の読解(約1305語):小問数10

 日本人、アメリカ人、サウジアラビア人の高校生が最新のエレベーターの仕組みとその工夫を学ぶ対話文でした。都立国立高では理数系のテーマを扱った長文が頻繁に出題されています。2021年では論理力を要するクイズのような問題が出ました。条件を正しく理解し、順序立てて正答を導き出すことが求められました。問1ではやや高度な語彙が必要とされました。問3では数学的な視点を用いて正しい図表を選択する問題が出されました。

3 物語文の読解(約1060語):小問数10

 外国で日本語を教える教師が、生徒へのメッセージを通してコミュニケーションの大切さを説く物語文でした。問1の適語句選択問題、問2と問6の下線部の内容把握問題は例年通りでした。問3の文整序問題は過去5年で初めて出されましたが、セリフの内容に注目すれば解ける平易なものでした。ただし、問7の本文から連続する語句を抜き出す問題では、空所に入れる内容の発想を広げつつ、それに適する語句を正確に抜き出す分析力が求められました。問9ではコミュニケーション能力をテーマとした英作文が出題されました。

長文読解 記述 文法 リスニング 発音・語彙
日本語 英語 日本語 英語
2021年 対話文 物語文
2020年 対話文 物語文
2019年 対話文 物語文
2018年 対話文 物語文
2017年 対話文 物語文

数学

東京都立国立高等学校 数学

1 小問集合

 平方根の計算、連立方程式、二次方程式、確率、整数、作図の6問構成で、難度は例年通りでした。〔問4〕の確率は数え漏れのないように丁寧に調べる必要がありました。〔問6〕は2020年に引き続き立体図形を題材とした作図でした。いずれの小問も難度は高くなく、すべて正解したい大問でした。

2 二次関数

 〔問1〕は変域に関する基本問題でした。〔問2〕は(1)(2)ともに方針は立てやすいですが、計算がやや煩雑になる数値設定のため、ミスに気を付ける必要がありました。落ち着いて正確に処理することで完答を目指したい大問でした。

3

 〔問1〕は円弧の長さを求める基本問題でした。〔問2〕(1)の証明は、相似の根拠を見つけるのは難しくなく、国立高の受検生であれば対応しやすかったと思われます。〔問2〕(2)は題意の四角形の面積について考察するための糸口が掴みづらかった受検生も多かったことでしょう。

4 空間図形

 直方体の内部の平面上で、小問ごとに点の場所を変えたときの、長さ・面積・体積を考察する問題でした。〔問1〕は三角定規の角度を用いる基本問題です。〔問2〕は必要な平面に注目したあと、丁寧にいくつかの長さを調べる必要がありました。〔問3〕は題意の状況を正確に把握することはやや難しいものの、そのあとの立式や計算の難度は標準程度でした。

計算
問題
整数 作図 証明 文章
平面
図形
関数 二次
関数
場合
の数
確率 資料の
整理
空間
図形
2021年
2020年
2019年
2018年
2017年

国語

東京都立国立高等学校 国語

1 漢字の読み取り

 2020年と同様に、中学生にはなじみの薄い語句が複数出されました。音読みが複数ある漢字が含まれるため、注意が必要です。

2 漢字の書き取り

 大問1と同様に、中学生にはなじみの薄い語句が出されました。日常生活であまり用いない慣用句は、文脈から漢字を推測する必要があります。

3 和泉実希『空までとどけ』

 中学生の主人公が、幼時からの知り合いである先輩とのやりとりを通して努力することの意味を見つめ直す様子を描いた小説文からの出題です。記述問題は出されず、記号選択5問と抜き出し2問という設問構成でした。字数指定のある抜き出しを素早く解けたかどうかが鍵となりました。

4 宇野常寛『遅いインターネット』

 インターネットにおける価値ある情報発信について論じた文章からの出題です。主張が明快で、読みやすい文章でした。抜き出しが2問出されたほか、2020年と同様に、文中の語句を用いる空欄補充形式の記述が1問出されました。記述は空欄前後の表現をヒントに解答する必要があります。例年通り、制限字数200字以内の条件作文も出されています。

5 高橋英夫『西行』

 西行の影響を受けた松尾芭蕉の俳諧論について述べた文章からの出題です。和歌や古文の現代語訳は記載されていますが、全体的に抽象的な内容であったため、読みづらさを感じた受検生が多かったと考えられます。一方で、5問出された記号選択は傍線部前後や現代語訳を根拠に解答できる取り組みやすい難度でした。

文章① 文章② 文章③ 文章④
2021年 和泉実希『空までとどけ』 宇野常寛『遅いインターネット』 高橋英夫『西行』
2020年 中村航・中田永一の文章 山本貴光『文体の科学』 齋藤希史『詩のトポス』
2019年 小池昌代『幼年 水の町』 酒井直樹『ひきこもりの国民主義』 松浦寿輝『黄昏客思』
2018年 米澤穂信『いまさら翼といわれても』 久保田裕之『社会を「共有」する』 藤原克己『菅原道真 詩人の運命』
2017年 松浦寿輝『川の光2』 野矢茂樹『心という難問』 鈴木一雄『物語文学を歩く』

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