海外大学進学で広がる将来の選択肢。広い視野・高い視点を持って「世界」へ

グローバル化の進展によって、小学・中学・高校生の間では「海外大学進学」も現実的な選択肢として浸透しつつあります。とはいえ、まだまだ情報が少ないため、何から準備していいのか分からないというお子さま、保護者の方も多いのではないでしょうか。そこで、海外大学に挑戦することのメリットや、受験の際に求められる力、英語を学ぶに当たって心掛けるべきことについて、Y-SAPIX Global Campus(YGC)ゼネラル・マネージャーの髙宮信乃に聞きました。

海外大学進学で得られる多文化理解と世界的な人脈

近年、海外大学を志望する受験生が増えてきています。その背景には何があるのでしょうか。
私たちの身の回りを見渡してみると、モノもサービスも、日本の企業だけで成り立っているものはごく僅かであることに気付きます。スマートフォンや、インターネットサービスなど、もはや海外企業なしでは日常生活が成り立たない時代なのです。今後、ますます少子高齢化が進み、国内の労働人口が減少することを考えると、海外企業との取引の増加や、外国人労働者の流入を避けて通ることはできません。子どもたちが働き始める10年後、20年後には、もっと本格的な国際社会が訪れていることでしょう。そうした未来を見越して、「子どもたちにはグローバルに活躍できる資質を身に付けてほしい」と、多くのご家庭が海外大学進学という選択肢を視野に入れ始めているのだと思います。
国内の大学と比較して、海外で学ぶメリットは何でしょうか?

多文化交流や多文化理解を深められることだと思います。海外の大学に行くと、おのずとその国の歴史や文化に触れながら生活することになります。そこで自国とは異なる文化を知り、その違いを受け入れることが、自身の教養や人間性を深めるきっかけになるというわけです。

イギリスのタイムズ社が発行している『Times Higher Education』などの世界各国の大学に対するランキングも無視できません。日本の大学で200位以内にランクインしているのは、東京大学(36位)と京都大学(65位)の2校のみ。評価項目に偏りがあるなど、この結果をそのまま信じることはできませんが、海外からの優秀な学生の獲得、海外のトップ企業への就職という点では、この結果は少なからずハンディになっているものと思われます。

実際、欧米のトップクラスの大学にはさまざまな国から優秀な学生が集まります。そのように、世界規模で人脈を築くことができるのも海外大学のメリットの一つです。そこで手に入れたネットワークは、今後の人生における大きな財産になることでしょう。

また、日本の大学の場合、卒業後の就職先はほとんどが国内の企業です。その後もドメスティックな社会人生活を送る可能性は否めません。その点、海外大学で学んだ後は、日本と現地の双方で就職のチャンスがあります。卒業後の選択肢が広がるという意味でも、海外大学の持つメリットはとても大きいと思います。

求められる思考力と表現力。情報収集に努め、万全の対策を

ひと口に海外大学を目指すといっても、その前段階として、海外のボーディングスクールに進み、大学受験に備えるという選択肢もあります。どのタイミングでチャレンジするのがベストなのでしょうか。
一般的なのは、大学受験から挑戦するケースです。しかし、日本国内の学校の英語教育だけでは、受験対策に限界があるのも事実です。「有名大学を目指したい」という明確な目標がある場合、YGCでは、ボーディングスクールから海外に渡り、現地で受験準備を進める方法もお勧めしています。ボーディングスクールには、中学も高校もありますので、英語にあまり親しみのないお子さまほど、早めに海外の学校にチャレンジした方が、より良い結果を得られると思います。
進学先としてどの国が人気ですか?

最近はカナダ、オーストラリア、ニュージーランドなども人気を集めていますが、安定して人気が高いのは、アメリカとイギリスです。

特にアメリカの大学は、数が約4000校と多く、また研究分野の種類も先行度も群を抜いているため、おのずと日本からの進学者数も多くなっています。

少しでもレベルの高い大学を目指したいのであれば、アメリカの大学を志望校に含めて考えるのがマストです。YGCでは、ネイティブスタッフが実戦的なノウハウを提供している他、アメリカ独特の選考方法を多角的に分析し、その対策について手厚いサポートを行っています。

欧米の大学は、授業料が高額だと聞きます。皆さん、お金の工面はどのようにされているのでしょうか。

現地の学生は、ローンを組むのが一般的ですが、外国籍である日本人はなかなか審査が通りにくいものです。そのため、最も現実的なのは、奨学金を申請することです。近年は学生向けに給付や貸与を行う財団も増えてきていますので、その中から条件の合う奨学金を探すのがいちばんの近道だと思います。

海外大学受験に求められる力は何だと思いますか?

第一に必要なのは英語力です。どのレベルの大学を狙うかによって、求められる英語力に多少の幅はありますが、世界大学ランキングでいう100位、200位以内の大学をめざすのであれば、TOEFL iBT®で80点~90点以上、SAT®(アメリカの大学進学適性試験。Evidence-Based Reading and Writing,Mathematicsの3分野で構成される)、ACTが受けられるレベルの英語力が望ましいと考えています。

しかし、英語力を完璧に磨いたから、それだけで合格できるかというとそうではありません。高校の成績や課外活動の成果もしっかり評価されますし、自分の考えをエッセーに上手にまとめる表現力の有無も、合否判定において大きな比重を占めます。

いわゆるAO入試に近い形と考えたらよいでしょうか。

その通りです。アメリカの大学入試は全てAO入試のようなものと考えるとイメージしやすいと思います。大学は「この生徒はどんな個性を持っているのだろうか」「うちの大学に入ってどこまで力を伸ばせるだろうか」といった視点から、その生徒が合格に値する人物かどうかを総合的に判断するということです。

英語の習得で広がる世界。早めのきっかけ作りを

海外大学受験を見据えて、中学生のうちからできる英語力の磨き方を教えてください。

まずは多読。英語の本をたくさん音読することです。初めは、単語のみの絵本でも大丈夫です。そこから徐々に、「英語の音」に慣れていきます。その一方で、リスニング力を高めることも大事です。リスニング力向上の一番の近道は、海外に身を置くことですが、英会話教室に通ったり、数週間のイングリッシュサマーキャンプに参加したりと、日本にいても英語に触れる機会を作ることは十分に可能です。

英語を勉強する必要性を頭では理解していても、何かきっかけがなければ実際に行動に移すのはなかなか難しいものです。しかし、ひとたび英語でコミュニケーションできる楽しさを味わうと、そこから一気に世界が開けます。勉強だけでなく、芸術もスポーツも、英語を理解できるようになれば、楽しめる範囲が劇的に広がるのです。その醍醐味をお子さまに知ってもらうためにも、なるべく早いうちから、英語に触れる機会を積極的に作ってあげてほしいと思います。

最後に、海外大学進学を検討しているご家庭に向けて、メッセージをお願いします。

私が生徒を海外に送り出すときに使うフレーズに“The world is your oyster.”というものがあります。ここでの“oyster”は、「牡蠣」ではなくて「手のひらにある真珠」という意味です。「この世界は、あなた次第でどうにでも変えられる」という成語です。

これからの未来を担う子どもたちには、そのくらいの志を持って、日本や世界が抱える課題を解決に導く人材になってほしいと願っています。そのためにはまず、自国を外から客観的に見つめ、広い世界を知ることが大切です。その大きな挑戦の第一歩として、多くのお子さまたちに海外大学を選んでもらえたらと思います。

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