筑波大学附属駒場高校 2020年出題傾向リサーチ

英語

筑波大学附属駒場高校 2020年出題傾向リサーチ 傾向分析 英語

1 リスニング問題:小問数7

例年通り、問1は短文の書き取りが2問、問2は物語文に関する英語の質問に日本語で答える問題が4問、選択肢から答える問題が1問の組み合わせでした。問2は1 回しか放送されないため注意が必要です。

2 物語文の読解(約575 語):小問数7

ある銀行の臨時支店長の計画の顛末を描いた物語です。本文中に登場する手紙が、誰のどんな意図で送られたものなのかを把握することが求められた問4、問5で差がついたと思われます。特に問5では、設問の意図を汲み、計画の全体像を理解できないと完全な正解を出すことは難しかったと思われます。

3 物語文の読解(約1000 語):小問数8

高い知能を持つコンピューターと主人公をめぐる物語です。複雑なストーリーではありませんが、短い制限時間の中、一読で全体像を把握するのは難しいものでした。特に問5以降の設問は、物語の後半の内容まで正確に把握できていないと厳しかったと思われます。例年と異なり、下線部の正しい解釈を選択する問題や、内容一致などの形式が見られましたが、深い理解が問われる点に変わりはありませんでした。

4 自由英作文:小問数1

「地球温暖化が我々の生活に与える影響」について40語以上50語以内の英語で書く問題でした。地球温暖化自体は頻出のテーマですが、自分の身の回りで実際に起きている問題を挙げるという条件があり、時間配分に苦慮した受験生も多くいたと思われます。

数学

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1 二次関数

例年通り二次関数の出題でしたが、座標平面上に正六角形を敷き詰め、グラフとの関係を考察させるというあまり見かけない設定の問題でした。ただし、難度は決して高くはないので、冷静に対応できれば十分に完答も目指せる問題でした。

2 余り

4桁および5桁の整数を7や9で割った余りに関して考察する問題でした。ルールの把握や、調べるべき要素を掴むことが難しかったと思われます。丁寧に調べることで、(2) までは正解を目指したいところです。

3 直線の折り曲げ

直線を一定の長さごとにある角度(15の倍数角)で折り曲げてできる図形について考える問題でした。(1) は基本問題です。(2)(3) は状況を正確に表した図を描いて考えることが求められました。手早く、そして丁寧に処理を進めることが必要でした。

4 2つの立体の重なり

正四角錐と直方体の重なった部分の体積を求める問題でした。(2) までは確実に正解したいところです。(3) は筑駒高の受験生であれば似た問題に取り組んだことがあるかもしれませんが、どれだけの時間を残して取り組めたのかもポイントになったと思われます。

国語

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1 伊藤亜紗の文章

「見える人」と「見えない人」の空間把握の違いについて考察を加えた論説文です。2019年に引き続き、記号選択や抜き出しは出されず、記述が4問という設問構成でした。表現意図を説明するタイプの問題と、傍線部を換言説明するタイプの問題があり、いずれも高度な思考力と記述力が必要とされています。どの問題にも字数制限は設けられていないため、解答欄の大きさの違いを考慮して解答の方針を立てる必要がありました。大問2の難度が高いため、この大問で手堅く得点できるかどうかが高得点の鍵となります。

2 梶井基次郎『過古』

主人公が胸中に抱く感慨とその移り変わりを象徴的に描いた小説文でした。状況を正確に理解するには高度な読解力が必要とされます。設問はすべて字数制限のない記述で、なかでも問1は2箇所の傍線部の意味合いの違いを説明するという難度の高いものでした。内容の書き分けは筑駒高で頻出なので、受験生はポイントを素早く掴んで的確にまとめる力を養成しておかなければなりません。総じて難度の高い大問で、時間配分にも注意が必要でした。

3 『雲萍雑志』

江戸時代後期の随筆文からの出題でした。わずか6行の文章ですが、それゆえに読み取れる情報も少なく、解答するにあたっては高度な読解力を要します。和歌の解釈に関する問1では、古典文法の知識および和歌が詠まれた状況の把握が求められました。また、問3の記述では、登場人物の発言内容をふまえつつ、比喩表現を適切に換言する必要がありました。例年同様、歴史的仮名遣いを現代仮名遣いに直す問題も出されています。

理科

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1 動物(生物)

サンゴに関する文章を読み、考察していく問題です。文章の内容を丁寧に読み解く力が求められました。

2 植物(生物)

顕微鏡やルーペの使い方、植物に関する知識問題です。2のルーペの使い方は、やや細かい知識が要求されました。ほかの問題は基礎的な内容でした。

3 天体、地質、天気(地学)

前半は天体、後半は地質や天気についての問題です。天体は星や月の動きに関して正確な理解が求められました。また、4の台風被害に関する時事問題といった、やや細かい知識が要求されるものもあり、比較的難度の高い大問でした。

4 中和(化学)

中和について、主にイオンの数の変化に関する問題です。頻出の題材ですが、選択肢が多く、慎重に解き進めていく必要がありました。この大問は差がついたと思われます。

5 イオン(化学)

原子やイオンに関する知識問題です。3は見慣れない内容ですが、イオンの基本が理解できていれば対応できます。満点を狙いたい大問でした。

6 静電気(物理)

静電気に関する会話文を読み、実験結果の考察や、新たな実験内容を記述する問題です。実験内容をすべて記述する問題は筑駒高では久しぶりの出題で、考察力、記述力が問われました。

7 水圧(物理)

主に水圧に関しての問題です。1は浮力、2、3は水圧のしくみを正確に理解しているかどうかが問われました。

社会

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1 歴史総合問題

書籍『歴史的に考えるとはどういうことか』の記述を題材とした問題でした。史料を分析し、年代を判定する高度な総合力に加えて、本文の読解が求められる非常に難度の高いものでした。また、史料を多用した出題形式は2010 年に類似していました。表面的に歴史的事象をなぞるのではなく、史料から自分なりに歴史を考える視点を持って学習しているかどうかが試されました。日頃から史料を読み解く重要性を受験生に訴えかけるような筑駒高らしい出題でした。

2 地理総合問題

自然災害を題材とした日本地理と世界地理の総合問題でした。統計資料の読み取りや世界各国の都市を判断する問題は、標準的なレベルであり、該当するものを「すべて」選ぶ問題も少なかったことから、3つの大問の中で最も取り組みやすいものでした。東京都の地形や身近な災害対策に関するものなどが出題されていて、近年特に注目されるようになった「災害」に対して、高い関心を持っているかどうかが試されました。

3 公民総合問題

2018 年の最高裁判所の判決をもとにした、基本的人権の保障とその制限に関する問題でした。近年の筑駒高では人権に関する出題が続いていますが、対策を立てて臨んだ受験生にも的を絞らせない難度の高いものでした。正しいものを「二つ」選ぶものは、該当するものを「すべて」選ぶものより、選択肢を吟味しやすかったため、こうした問題で得点することが重要でした。人権思想に関する条文を並べ替えるものは、受験生にとって頻繁に目にする条文が少なかったため、判断に迷うものでしたが、設問条件自体がヒントとなっていることに気がつけば、正答の可能性がある問題でした。

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