特色、より鮮明に。難問奇問は少なく、精度重視の傾向。
- チャートの見方
- ①漢字
- ②説明的文章
- ③文学的文章
- ④古文を含む文章
都立日比谷高

都立西高

都立国立高

都立八王子東高

都立戸山高

都立青山高

都立立川高

共通問題

総評
共通問題は、解答根拠が明確に示された問題が多く、速読と精読のメリハリをつけて読解できたかどうかがポイントでした。日比谷は、2019年に比べて文章は読みやすくなったものの、総じて記号選択の難度が高く、得点に差がつきやすい出題でした。西は、2019年より記号選択で迷う部分は減少したものの、説明的文章はテーマが抽象的で高難度の出題でした。国立は、文学的文章が読みやすかったので、この大問を手際よく処理できたかどうかが得点の鍵になったと思われます。八王子東は、説明的文章における記述量が多かったため、文学的文章や古文を含む文章を手早く処理することが求められました。戸山は、文学的文章が誤読を誘う内容であることに加え、作文では文章内容および複数の意見をふまえる必要があり、全体的に高難度でした。青山は、説明的文章で言語に関する概念を理解するのが難しく、提示された複数の図表を落ち着いて読み解く思考力が求められました。立川は、説明的文章で抽象度の高いテーマが扱われたことに加え、古文を含む文章でも慎重な読解が必要なため、時間配分が難しい構成でした。
出題分析表
漢字 | 説明的文章・著者 | 文学的文章・著者 | 古文を含む文章・著者 | 作文 | |
---|---|---|---|---|---|
日比谷 | 10 | 養老孟司 『AI無脳論』 |
伊与原新 『アンモナイトの探し方』 |
久保田淳 『西行 長明 兼好 ―草庵文学の系譜―』 |
250字 |
西 | 8 | 港千尋 『インフラグラム』 |
佐川光晴 『駒音高く』 |
池田弥三郎 『日本の旅人 在原業平』 |
200字 |
国立 | 10 | 山本貴光 『文体の科学』 |
中村航 中田永一 『僕は小説が書けない』 |
齋藤希史 『詩のトポス 人と場所をむすぶ漢詩の力』 |
200字 |
八王子東 | 10 | 西江雅之 『ことばだけでは伝わらない コミュニケーションの文化人類学』 |
砥上裕將 『線は、僕を描く』 |
藤本宗利 『感性のきらめき 清少納言』 |
240字 |
戸山 | 10 | 大澤真幸 『社会学史』 |
菊池寛 『名君』 |
鈴木宏子 『「古今和歌集」の創造力』 |
200字 |
青山 | 10 | 丸山圭三郎 『言葉とは何か』 |
宮下奈都 『アンデスの声』 |
清川妙 『清川妙の萬葉集』 |
200字 |
立川 | 10 | 小坂井敏晶 『社会心理学講義』 |
辻村深月 『光待つ場所へ』 |
松岡心平 『中世芸能を読む』 |
なし |
共通 | 10 | 福岡伸一 『動的平衡3』 |
瀬那和章 『わたしたち、 何者にもなれなかった』 |
井上靖・山本健吉ほか 『歴史・文学・人生』 『新編 日本古典文学全集』 |
200字 |
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