小学生の英語教育に今求められているものは?
社会情勢の変化に伴い、求められる力が変化しています。知識のみならず、思考力・判断力・表現力や、主体性を持って多様な人々と協働する力がより一層求められるようになりました。また、グローバル化の進展により、本人の居場所や志向を問わず、「英語を使う力」の必要性が高まっています。
英語を使う力を身に付けるための鍵となるのが、「聞く」「読む」「書く」「話す」の英語4技能の強化です。現在、「新学習指導要領」を通じて、中学・高校の英語の授業へのテコ入れはもちろん、小学校での英語教育にも大きな変化が起こっています。
小学生の英語教育はこれからどうなる?
小学校ではこれまで、5・6年生を対象に「聞く」「話す」に特化した「外国語活動(英語)」が行われてきましたが、2020年度からは、「読む」「書く」「聞く」「話す」の4技能をバランスよく高めるため、小学5・6年生から「教科」としての英語の授業がスタートしています。
教科化後は授業内容が4技能5領域化(下表参照)され、中学校以降で学習する英語と連続性を持ったカリキュラムが組まれます。目標は「コミュニケーションを図る基礎となる資質・能力の育成」。実は、これは従来の中学校の学習指導要領に書かれている内容とほとんど同じです。つまり小学生のうちに学習する英語のレベルがそれほど一気に上がるのです。
なお、「外国語活動(英語)」の実施学年は前倒しとなり、小学3・4年生からスタートしています。
「教科」としての英語と「外国語活動(英語)」との違い
2020年度~ | 「教科」としての英語(小5・6生) | 「外国語活動(英語)」(小3・4生) |
---|---|---|
内 容 |
4技能5領域 「聞く」「話す(やり取り)」 「話す(発表)」「読む」「書く」 |
「聞く」 「話す(やり取り)」 「話す(発表)」 |
目標語彙 |
目標語彙数600~700語程度 (従来の中学校の目標1200語の約半分) |
なし |
文 法 | 従来の中1生で習う文法事項の多く | なし |
時間数 |
年間70単位時間 (週2コマ程度) |
年間35単位時間 (週1コマ程度) |
成 績 | あり | なし |