英語で「書く」「話す」ための勉強は“順番とバランス”が大切

小学生・中学生が英語4技能を伸ばしていくにあたり、どのような方針で勉強を進めれば良いのでしょうか。この疑問に答えるべく、SAPIX中学部 英語科の磯金俊一が、小学生・中学生の英語学習に役立つ観点をご紹介します(この特集記事の目次へ戻る)。

アウトプット学習の効果を高めるために

解説者:SAPIX中学部
英語科 磯金俊一

英語で「書く」「話す」技能を伸ばすにあたり、英作文や英会話トレーニングをはじめとするアウトプット学習は有効な手段です。しかし、その効果を最大限に高めるための前提として、必要な語彙や文法知識をしっかりと習得(=インプット)しておくことが大切です。こうした知識の裏付けがあれば、例えば英会話トレーニングなどのアウトプット学習に臨んだ際も、定型的なフレーズを使った日常会話などの練習にとどまらず、自力で英文を作成することができるようになり、学習の効果が格段に高まります。

個人的な感覚では、英語におけるインプット量とアウトプット量の比率は10:1。言い換えれば、1を話すのに10の知識が求められると考えています。ある英語の文章を和訳する問題と、それと全く同じ内容の日本語の文章を英訳する問題とでは、同じ「書く」タイプの問題でありながら、後者の方がはるかに難しく感じられるはずです。それは、日本人にとっては日本語よりも英語の知識量が少ないことと、持っている英語の知識を適切にアウトプットする訓練が必要になるからです。「書く」「話す」といったアウトプットの質は、知識のストック量と、知識を使いこなすための訓練量に大きく左右されるのです。

英語を話せないのは、「話す」技能が低いから?

新学習指導要領では、「話す」技能を、さらに、「話す(やり取り)」と「話す(発表)」の二領域に細分化しています。

「話す(やり取り)」を行うには、スピーキング力はもちろん、相手の話を聞き取るためのリスニング力(聞く力)、聞き取った内容を理解するための解釈力・要約力といったリーディング力(読む力)も同時に求められます。また、「話す(発表)」という行為は、絵画や彫刻、音楽作品を創造することに通じる面があり、聞き手に伝わりやすい文章構成や言葉のチョイス、焦点の当て方など、話す英文を緻密に作り込むライティング(書く力)の要素を併せ持っています。

このように、英語を話せない原因は、「話す」技能の不足だけではありません「話す」という行為においては、「話す」技能の他、「読む・聞く・書く」技能を複合的に使いこなす必要があります。英語の学習にあたっては、英語4技能のそれぞれを別個に考えるのではなく、相互に関連し合うものとして捉え、各技能をバランスよく伸ばしていくという観点が大切です。

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