開成高校 2019年出題傾向リサーチ

英語

開成高等学校 2019出題傾向リサーチ 傾向分析 英語

1 物語文の読解(約805 語):小問数14

父と同じ名前を持つ主人公が、父が亡くなったときの自分の心情と生前の思い出を綴った内容です。問4は場面の状況と主人公の心情を読み取って答える選択問題、問10 は段落内で重複を避けるために省略された単語を見抜く必要がある問題でした。全体としては内容把握・文法知識の問題がバランス良く出され、難度も標準レベルでした。

2 説明文の読解(約380 語):小問数14

人間の目とカメラのそれぞれが持つ機能と、その利点について述べた内容です。問6は空所を含む文全体の解釈が難しく、解答に迷う受験生がいたと思われます。問8・9はともに内容一致問題で、問9は筆者の考えを読み取り、それを要約した選択肢を答える問題でした。説明文としては短めの分量で、語彙も標準レベルのものが中心なので読みやすかったと思われます。

3 適語補充・適語選択:小問数7

Part A・ B に分かれています。Part A(4) は日本語を英語に直訳するのではなく、同じ意味を表す別の表現で解答する必要がありました。大問全体としてはおおむね基礎レベルの文法知識が問われ、正答率は高かったと予想されます。

4 同音異義語・発音:小問数9

Part A・ B に分かれています。Part A(3) は片方の空所に入る単語がやや難解で、組み合わせを考えるのに苦労したと思われます。Part B では発音問題が11年ぶりに出されました。

5 リスニング:小問数18

4パート構成で、写真や図表を伴う開成高の特徴的な問題でした。放送時間が約14 分と長く、また非ネイティブの発音と思われるナレーションもありました。

数学

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1 二次関数と直線

2010 年以来の小問集合ではない大問となりました。(1)(2) ともに開成高の受験生であれば、短時間で正解にたどり着きたい問題でした。

2 台形と点対称移動

台形を点対称移動させて考える問題でした。対称の中心が移動するので、状況の把握に戸惑った受験生は少なくなかったと思われます。ただし、補助線が引かれた図が与えられていたため、問題の状況を図に描き込むことで、解法の糸口や方針に気づけたと思われます。考え方の道筋が見えない、手のつけ方に迷う問題であるからこそ、ひとまず図を描いてみることが重要でした。

3 二十面体のサイコロと確率

(1) は手早く正確に調べて、確実に正解したい問題です。(2) は何を調べればよいかの方針は立つものの、受験生にとってはミスをしやすい問題でした。(ⅰ)(ⅱ) ともに計算処理、または条件に注意しながらどこまで正確に数え上げられたかで差がついたと思われます。

4 複数平面の交わりと立体

立方体の表面に複数の点をとり、それらを結んでできる平面に囲まれた立体について考察する問題でした。(1)(2) は時間をかけずに処理し、正解する必要がありました。(3) は7つの点を頂点とする「凹み」のないほうの多面体の体積を求める問題でした。試験時間内でしっかりと形を捉え、正解にたどり着けた受験生は多くなかったのではないかと思われます。

国語

開成高等学校 2019出題傾向リサーチ 傾向分析 国語

1 黒川伊保子の文章

筆者の息子を例に挙げながら、人工知能とヒトの知性の違いについて述べた文章でした。読みやすい文体で、3問ある記述も一見すると取り組みやすいように感じられたかもしれません。しかし、求められている情報を的確に盛り込むためには、傍線部の表現を丁寧に換言していかなければなりませんでした。また、求められる記述量は3題の大問の中で最も多く、この大問で得点差が生じたものと考えられます。なお、5問あった漢字の書き取りはいずれも失点できない難度のものでした。

2 清岡卓行『船の中の裁判』

日本へ向かう引き揚げ船の中で行われた裁判と、それに対する主人公の心の動きを描いた小説文でした。時代背景や閉鎖的な舞台設定に戸惑った受験生もいたかもしれませんが、文章そのものは読みにくいものではありません。2問出されている記述は大問1の記述と同様に一見して取り組みやすく見えるものの、実際に書こうとすると解答のポイントがわかりにくく、難度の高い問題だったと言えます。例年の傾向通り、自分の言葉を交えながら丁寧に解答を作る必要があります。特に、問2は解答欄がやや小さく、必要な内容をコンパクトにまとめる能力が求められました。

3 『平家物語』

鎌倉時代に成立した軍記物語からの出題でした。例年通りところどころに現代語訳や注釈が付されていたため、文章内容は読み取りやすく、記述の難度もほかの大問に比べれば標準的です。また、記述以外の問題も文章内容が読み取れていれば確実に得点を重ねられるもので、手堅く得点したい大問でした。

理科

開成高等学校 2019出題傾向リサーチ 傾向分析 理科

1 地質、天体(地学)

地質時代、天体、進化の3つの単元の横断的な内容が出題されました。基本的な知識の問題、単純な計算問題、考察問題で構成されていました。計算問題は立式が1つだけで済むものだったため、単位ミスに気をつけて確実に正解したい問題でした。問4(2) の考察問題は、選択肢をしっかり読み、まぎらわしい選択肢を排除できるかどうかがポイントでした。

2 ばね(物理)

ばねに関して、分析力・思考力を要する問題です。問2以降については、ばねの見慣れない条件設定をしっかり理解しないと、取りこぼしを重ねてしまう構成になっていました。この大問で差がついたと考えられます。

3 遺伝(生物)

遺伝に関して、前半は基本的な知識としくみの理解を確認する問題、後半は文章を読んで考察する問題です。遺伝のしくみをしっかり理解できていれば、後半の問題でもさほど苦労しなかったと思われます。このように、近年の生物分野からの出題は、考察型の問題が多くなっています。

4 化学電池(化学)

化学電池に関して、前半は基本的な知識の問題、後半は実験結果から分析していく問題です。後半の実験は、よく出題される内容で、開成高でも2012年に同じ題材を取りあげていました。この大問での失点は避けたいところです。

社会

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1 3分野総合問題①

日本の水産業を題材とした総合問題でした。出題の割合が最も高かった日本史は、一問一答形式中心の構成から、正誤形式中心の構成へと出題傾向が変わり、どれだけ多くの用語を暗記しているかよりも、各時代の流れをしっかりと整理できているかどうかが試されました。学習が手薄になりがちな産業史に関しては注意が必要でしたが、全体的に見れば、教科書に掲載されている基本的な内容が中心であったため、取りこぼしなく得点したい分野でした。地理は世界各国や都道府県の特色を統計から読み取るもので、同様の問題を演習していれば得点できるものでした。全体的に見ると、「漢字」「ひらがな」「正しいもの」「誤っているもの」など設問ごとに解答の条件が変わるため、これらをしっかりと確認しながら解き進める必要がありました。

2 総合問題②

サッカーワールドカップ(ロシア大会)と国際政治を題材とした総合問題でした。世界各国の特色を問うものが大問1に続いて出され、前の大問と合わせて、世界地理に関する問題が全体に占める割合は例年よりも高めでした。公民分野に関しては、国際政治の基本問題に核兵器に関する時事を織り交ぜる構成になっていて、教科書で学んだ内容を時事問題に活かせるかどうかが試されました。選択肢を吟味し、出題者の意図を汲み取らなければ答えられない問題も出された一方で、大問1と同様に基本的な問題も多かったため、総合的に見れば、取りこぼしをしない完成度の高さが必要でした。

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