もっと知りたい!慶應義塾湘南藤沢高等部 ~全国枠入試~

国内の慶應義塾の一貫教育校で唯一、共学なのが、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)内にある慶應湘南藤沢高です。今回は、自由な校風で人気の同校の魅力をさらに掘り下げると同時に、全国枠入試対策のポイントについてもまとめました。

慶應義塾湘南藤沢高等部 校風とその魅力

充実した英語教育と情報教育

1992年に開設されたSFC高は、慶應義塾大学の一貫教育校としては最も若く、高校では国内で唯一の男女共学校です。ほぼ全員が推薦で慶應義塾大学に進学できるため、大学受験の勉強に時間を割く必要がありません。自由な校風のもと、社会で活躍できる教養人の育成に力が注がれています。

教育面での特色は、英語教育と情報教育が極めて充実していることです。英語は生徒の学力別に少人数クラスが編成され、レベルに応じた多彩な授業が行われています。ネイティブ教員が各学年に配置されていて、帰国生は週6時間、一般生は週2時間、ネイティブ教員の授業を受けます。短期と長期の海外留学プログラムも充実していて、生徒は異文化交流の機会を通じて、英語を実践的に身につけることが可能です。

また、高3(6年)の一部の生徒は模擬国連(MUN)に取り組みます。生徒は各国の国連代表団という立場から、さまざまな国際問題に関する解決策を共に模索していきます。

こうした英語教育が日常的に行われているためか、同校の雰囲気は自由かつグローバル。英語の実力を伸ばす環境が整えられているのです。

情報教育についても充実した授業が展開されています。パソコンとタブレット端末が約600台配備された環境で、目指すのは単なるプログラミングではなく、プログラマーを指揮する人材を育成することです。動画編集やDTP作品制作、さらにはマルチメディアコンテンツ制作など、その授業は大学レベルにまで達しています。

自由な高校生活を経て慶大生に

前述したように、同校の校風は自由かつグローバル。高校入試は全国枠と帰国生枠で行われるため、生徒たちは多様性に富んでいて、雰囲気は帰国生がなじみやすいものです。細かな校則も制服もなく、通学時は学校が指定するスラックスとスカートを着用すればOK。部活動が盛んなことも魅力です。

同校の持つ自由さとは、言い換えれば生徒一人ひとりの個性を尊重し、各自が自主的・自発的に行動することです。その象徴とも言えるのが、「ゆとりの時間」。「宇宙エレベーター」や「環境デザイン論」など、40以上の講座の中から興味のあるものを選んで学ぶことができます。

こうした自由な高校生活を満喫しつつ、卒業後は憧れの慶應義塾大学に進学できる点こそが同校の最大の魅力でしょう。医学部や法学部など全10学部への推薦入学の道が開かれています。

全国枠入試の概要について

SFC高では、全国各地から多様な資質の生徒を迎え入れることを目的として「全国枠入試」を実施しています。出願資格は、2019年3月卒業見込みで、同校の帰国生入試の出願資格がないことを前提として、小6から中3までの全期間(4年間)以上、東京・神奈川・千葉・埼玉以外の地域に在住、在学していることが必要です(2019年入試 募集要項より)。

全国枠入試は例年、帰国生入試と同日の2月12日に実施され、筆記試験と面接が課されます。筆記試験は国語・英語・数学の3科目で、試験時間は各60分。試験問題のうち、国語と数学は帰国生入試と共通で、英語のみ別問題です。

定員は男女あわせて約20名ですが、合格者数は定員よりも多く発表されます。2018年入試では受験者数75名に対して合格者数は繰り上げ合格者込みで38名、実質倍率は1.97倍でした。出願資格を持っている受験生の母数が少ないため、倍率については予測しづらい面があります。

各科目の傾向と対策・面接について

英語―要点をつかみながら読む練習を

英語はListening、Reading、Vocabulary、Grammarの大問4題構成で、すべて記号選択問題です。Readingではエッセイ・物語文・説明文の中から2題出題されます。語数は950語程度で、慶應義塾高や慶應女子高など、ほかの早慶高と比較するとやや少なめ。ただし語数が少ないからといって簡単に解けるわけではなく、抽象的なテーマが出題されることもあるため、しっかりとした対策が必要です。Vocabulary、Grammarは英検®2級(高校卒業程度)レベルです。

対策としては、Readingではスピードも必要になってくるので、ポイントを整理しながら読み進める習慣をつけましょう。また、知らない単語を推測して読む練習も必要です。また、語彙と文法では典型問題で失点しないように、基礎~標準レベルをしっかりと勉強してください。

国語―知識問題と条件作文を重点的に対策

国語は語句の知識を問う出題に特徴があり、2018年は社会科で習うような語句が多く出ました。しばしば問われるのは、受験のために覚えるというよりも、いろいろなことに興味を持ち、充実した中学生活を送っていれば自然と身につくような語句です。100字の条件作文は事前の練習が大切です。すぐに書き出すのではなく、全体の構成を「意見+具体例」のかたちに頭の中でまとめてから書くようにしましょう。

数学―基本~標準レベルが9割

数学は基本〜標準レベルの問題が全体の9割ほどを占めます。頻出分野は計算、二次関数、空間図形、平面図形、確率で、各大問の問2までは確実に得点すること。途中式を書いたり、自分で図を描いたりする習慣を身につけておくことが有効です。演習の際はMARCH附属校の数学の過去問が参考になります。

面接―将来のビジョンをしっかりと描く

受験生本人のみの個人面接が行われます。面接は、重視されていますが準備が手薄になりがちなので、しっかりと練習を重ねることで差をつけることができます。面接に臨むにあたっては、自分の将来についてきちんとしたビジョンを持つことが重要。「将来どうなりたいか?そのためにSFC高に入学してどのような高校生活を送りたいか?」などについて考えを深めておきましょう。

面接の基本的な質問項目は、「中学時代に頑張ったこと」「高校でしてみたいこと」「志望理由」など。志望理由のなかで、他校やほかの慶應系列校ではなく「SFC高でなければならない理由」について聞かれることもあります。学校説明会や文化祭への参加、そしてホームページや学校案内などでの情報収集で、受験までにSFC高にしかない魅力をしっかり把握しておくとよいでしょう。

地方から受験する際の注意点

全国枠入試の受験に際して、いくつか注意事項があります。第一に、学校までのアクセスを事前に確認しておきましょう。最寄りの湘南台駅から学校までバスでさらに15分かかりますので、実際に足を運んで、距離感をつかんでおくことが必要です。また、湘南台駅の近辺に宿泊して受験する場合は、年末までには宿を押さえておいたほうがよいでしょう。第二に、合格発表では合格者と一緒に繰上合格候補者も発表されるので、必ず確認するようにしましょう。また、繰上合格候補者も合格発表当日または翌日までに書類の受け取りなどの手続きが必要です。第三に、寮に入る予定の人は、早めに申し込みましょう。人気の高い寮はすぐに満室になります。入学手続きの際にパンフレットをもらうので、その足ですぐに申し込みをする人が多いようです。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

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