小問集合
※大問の中で分野が細かく分かれています。
(問1)平方根の計算、(問2)二次方程式、(問3)連立方程式または整数、(問4)確率、(問5)作図という構成は7校で共通ですが、(問2)二次方程式を除き、それぞれの小問ごとに2~3種類の設問から選択して出題されていました。(問1)、(問2)はともに基本的な計算問題で、確実に正解したいところです。(問3)は全部で3種類の問題がありました。連立方程式はとても解きやすく、根号の外れる数について考える問題がやや難度の高いものでした。(問4)は6×6の表を書くなどして、丁寧に数え上げることが必要な問題ですが、数える前に条件を整理して考えることが大切です。(問5)は「与えられた条件を満たす三角形の作図」、「円に内接する正方形の作図」のいずれかが出題されています。後者の方がやや手間はかかりますが、どちらも標準的な難度で、正解しておきたい問題です。
二次関数
二次関数 | |
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タイプA | 二次関数と四角形 |
タイプB | 二次関数と直線 |
タイプAは平行四辺形や三角形の面積比など図形的性質を利用する問題で、それを活用できたかどうかで得点差がついたと思われます。タイプBは放物線と直線の関係式を活用できれば十分に対応できる問題と言えるでしょう。
平面図形
平面図形 | |
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タイプA | 円と相似 |
タイプB | 三角形と相似 |
タイプAは円周角の性質を用いて三角形の相似を証明する問題や、相似な三角形の面積比についての問題でした。タイプBは入試問題としては頻出で、難度は高くありません。類題を解いた経験がある受験生も少なくなかったと思われます。
発展問題
発展問題 | |
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タイプA | 円柱と空間把握 |
日比谷★ | 三角すいと空間把握 |
西★ | 正四面体と動点 |
国立★ | 円すいと空間把握 |
戸山★ | 四角柱と動点 |
タイプAは、(問1)、(問2)(1)は基本的な問題で、(2)も展開図を描いて考えれば難しくなかったと思われます。日比谷高の問題は、(問2)が解法次第では計算が複雑になり、時間を要したかもしれません。(問3)も計算自体は難しくないものの正答率は高くないでしょう。西高の問題は(問1)、(問2)(1)は解きやすいものの、(問2)(2)の難度が高く、正答にたどり着けた受験生は少なかったと思われます。国立高の問題はいずれの小問も正三角形となる断面を取り出して考えるので、完答を目指したいところです。戸山高の(問1)、(問2)は確実に正解すべき問題です。(問3)は動点P、Qの位置を正確に把握できたかどうかがポイントですが、その後の計算も含め解答に少々時間を要したかもしれません。
まとめ(数学)
今年は大問1(小問集合)において共通問題が1問しかありませんでしたが、どの設問もそれほど複雑なものはなく、作図も含め、解きやすい問題でした。大問2の平面図形、大問3の関数については2種類のタイプがあり、タイプAのセットがやや難しく感じられる一方で、タイプBのセットはかなり取り組みやすい問題でした。最も特徴的だったのが大問4(発展問題)で、自校作成問題も含め、すべての学校で空間図形がテーマとなっていました。こちらは学校間で難度の差があり、空間把握を中心とした出題がある一方で、動点を絡め、その位置関係の把握を中心とした出題もありました。
日比谷 | 西 | 国立 | 八王子東 | 戸山 | 青山 | 立川 | |
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二次関数 | A | A | A | B | B | B | B |
平面図形 | A | A | A | B | B | B | B |
発展問題 | 日比谷★ | 西★ | 国立★ | A | 戸山★ | A | A |
※表中A・Bは各問のタイプA・タイプBに対応する。★は自校作成問題だと思われるもの。小問集合は省略。