2023 SSC(サピックス スペリング コンテスト)総評
小6
平均点:61.7点 / 最高点:96点
【今回の出題者】
オンライン校 英語科 高川 陸斗
今年度、小6のSSCの平均点は61.7点でした。単語の意味を答える大問1(正答率84%)や、単語の一部を補う大問4(同72%)はよくできていましたが、実際に単語のスペルを書く大問3(同49%)や大問5(同39.5%)では少し課題が見られる結果となりました。単語学習では「読める・書ける・聞ける・理解できる」の4点ができるように意識して取り組みましょう。
皆さん、SSCの実施日に向けて計画的に英単語を覚えることはできましたでしょうか。英語力は一日して成らず。英単語は今後の英語学習の土台となりますので、中学校に進学する前の今の段階から、毎日コツコツと英単語を練習する習慣を付けていき、中学校範囲の英語学習が本格的に始まる3月に良いスタートを切りましょう。
また、今回のテストでは英語の教材でよく見る単語を中心に出題しました。出題された単語は「読める・書ける」ようになるまで復習することをお勧めします。
注意!間違いの多かった問題3選
- 大問2 (5) 正解:ア (正答率 : 30.1%)
“evening”のはじめの“e”の発音を問う問題でした。発音は音声ダウンロードやMyETを使い、放送される英語をまねて発音してみましょう。正しい発音を身に付けることはリスニングテストでの得点アップや素早く文章を読むために有効です。 - 大問3 (4) 正解:nature (正答率 : 33.3%)
「意味や発音は分かるがスペルは分からない」という単語はいくつかあると思います。入試や学校の定期テスト等で記述の問題が出されることが増えてきていますので、テキストに出てくる単語は書けるようになるまで練習をしましょう。 - 大問5 (4) 正解:glad (正答率 : 26.9%)
「うれしい」の文字を見たときに一番に“happy”が頭に浮かんだ方が多いと思います。この問題では頭文字“g”と語尾“d”が与えられていたので、“glad”が正解です。“glad”は会話表現で耳にすることが多い言葉なので押さえておきましょう。同じ意味や反対の意味を表す言葉については、セットで覚えておくと良いでしょう。
中1
平均点:59.0点 / 最高点:100点
【今回の出題者】
南浦和校 英語科 篠田 陸
今年度、中1のSSCの平均点は59.0点でした。「英単語の正しいスペルが書けること」。これが重要であることは言うまでもありません。今回書けなかった英単語は、書けるようになるまで練習しましょう。その上で、今回は「こういう理由だから、この空欄にはこの単語が入る」といった、論理的思考力を求める問題を多く出しました。「どうしてこの空欄にはこの単語が入るのだろう?」と自分の頭で考える時間を作ることは、今後あらゆる英語のテストを解くことにあたり大きな力になります。
論理的思考力を測る問題としては、例えば大問3の和文英訳、大問4の言い換え、大問5(2)の前置詞などが挙げられます。日本語を英語に直す際に少し言い換える、二つの文章を比べて足りないものを補う、前後の情報を読み取って適切な前置詞を選ぶなど、実際の入試でも問われることの多い要素が今回のテストには詰まっています。ぜひ今後の学習における一つの指針にしてください。
注意!間違いの多かった問題3選
- 大問2 (5) 正解:excited(正答率:9.9%)
A: “busy”「忙しい」―B: “free”「暇な」は真逆の意味を持つので、C: “bored”「退屈した」に対応する語は“excited”「興奮した」です。空欄の中に入るのは形容詞であるということに気付かずに“enjoy”などの動詞を入れてしまっていた回答や、“happy”や“glad”などの「退屈した」の逆の意味であるとは言いづらい形容詞の回答が多く、本テスト中で最も正答率の低い問題になりました。 - 大問6 (1) 正解:gym(正答率:37.4%)
大問6は、会話文の中で説明されているとある場所の英単語を答える問題でした。(1)は「体育のクラスや、バスケなどのクラブ活動が行われる場所」なので“gym”(“school gym”で「体育館」)、または“ground”(“school ground”で「校庭」)が正解となります。校「庭」という言葉をそのまま訳した“garden”という回答が多く見受けられました。 - 大問7 (3) 正解:camel(正答率:29.8%)
大問7は会話の中で登場する動物の名前を答える問題でした。選択肢が用意されていないため、動物を表す英単語のスペルを自力で書く必要があります。与えられた情報を基にして最も適切な単語を自ら考えることも重要ですが、それと同じくらい何も見ずに英単語の正しいスペルが書けることも重要です。今後英単語を学ぶ上で意識してみてください。
中2
平均点:61.3点 / 最高点:96点
【今回の出題者】
大井町校 英語科 長瀬 謙一
今年度、中2のSSCの平均点は61.3点でした。今回のテストでは、覚えてきた単語を単に書かせるだけではなく思考力を試す問題が多く出されました。そういったテストに対応できるように単語を学習する際は、発音、品詞、類義語、対義語など幅広い視点から学習するよう心掛けましょう。
単語を覚える際、特に苦戦しがちなのが不規則変化動詞です。原形-過去形-過去分詞の三つを併せて覚える必要があります。リズム良く声に出して覚えると記憶に残りやすいでしょう。
今回得点率の悪かった問題は、大問3の日本文の意味に合う英単語を当てはめる問題と、大問5の二つの英文に共通する英単語を答える問題です。どちらの問題も正答するためには単語知識だけでなく、受動態だから過去分詞が適切、冠詞“a”がないから複数形にするなどの文法知識が必要でした。日頃から細かい文法を意識して学習することをお勧めします。
注意!間違いの多かった問題3選
- 大問2 (6) 正解:lain (正答率 : 21.5%)
“went”が過去形、“gone”が過去分詞であるため、“lie”の過去形“lay”に対応させて過去分詞の“lain”を答える問題でした。「横たわる」という意味の“lie”と「横たえる」という意味の“lay”は混同しやすいので、しっかり区別して覚えるようにしましょう。 - 大問5 (2) 正解:letters (正答率 : 7.9%)
一つ目は「手紙」、二つ目は「文字」を表す“letters”が入ります。文中の“post office”が大きなヒントで、郵便局に持っていくものを考えれば正解を導くことができました。また、“these”が付いているため複数形にしなければならない点も注意です。 - 大問5 (4) 正解:company (正答率 : 4.7%)
一つ目は「会社」、二つ目には「仲間」を表す“company”が入ります。“She works for a trading company.”という文はSSCのテキストに掲載されていた例文で、働くという部分から答えを連想できたかが鍵でした。