早慶高【数学】の出題傾向と合格のための学習法

毎年、激戦が繰り広げられる早稲田・慶應系列の高校入試。栄冠を勝ち取るためには、各校の入試の特徴をよく理解し、日々の学習を積み重ねることが大切です。

早慶高の数学でポイントとなるのは計算力の強化自分で図を書く習慣づけ。慶應義塾高・慶應志木高では、問題の難度を見極めて、解ける問題を着実に正解する力も必要です。

ここでは、SAPIX中学部の講師が首都圏の早慶各校の入試を概観し、合格のための学習ポイントを解説します。

早慶高の出題傾向|問題の選択眼がものをいう

早稲田大学高等学院

早大学院の試験時間は50分で、例年、小問数は少なめですが、その分、配点が高いのでミスをしないことが大切です。難度が高い問題がいくつか混ざっているため、解けるものを確実に見極めて、とれる問題で落とさないという意識が必要です。

早稲田大学本庄高等学院

早大本庄学院は、問題数は少なめですが、早大学院に比べて問題はそれほど難しくありません。ただ、図が示されていない問題が多いので、普段から図を描いてじっくり考える習慣を身につけてほしいと思います。

早稲田実業学校高等部

早実高は問題数が多く手間がかかる問題が多いイメージでしたが、2017年以降は比較的易しくなりました。問題内容としてはひらめきや思考力を要するものが減ったので、こつこつと学習を積んで、よくあるタイプの問題を速く正確に解けるように演習を重ねていた受験生は、得点を伸ばしたのではないでしょうか。

慶應義塾女子高校

慶應女子高はどの分野からもバランスよく出題され、どの問題もそれほど難しくはありません。それぞれの大問は、細かい小問に分かれ、解法のステップに従って問われますから、スムーズに解き進むためには、出題者の意図を読み取ることが必要です。

慶應義塾志木高校

慶應志木高は易しい問題と手間のかかる問題が混在しているのが特徴。まずは易しい問題を確実にとることが重要です。授業で習ったような標準的な問題は確実に正答して、残りの時間で思考力や処理能力が問われる問題をできる順に解いていくという方法が確実です。

慶應義塾高校

慶應義塾高は問題量が多く、手間がかかる問題もそれなりにあります。年度によって分野もレベルもさまざまで、慶應志木高以上に問題の選択眼がものをいいます。計算に工夫を要する、あるいは解き方を知らないと解けないといった問題も多いので、分からないときは勇気をもって飛ばすことも大切です。

合格のポイント・対策|定型問題に数多く取り組む。途中式はしっかり書こう

求められるレベル

数学は、全体的に見ると、少しずつ易しくなる傾向にあります。だからといって楽になったわけではなく、差がつくようになったという意味では、努力の積み重ねが一層大事になります。

また、易しくなったといっても、教科書内容の理解だけで解けるレベルではありません。早慶高を受ける生徒なら当然分かっていなければいけない問題、あるいは他の学校でも頻繁に出題されている問題が増えたという意味ですから、それらを中心に質のよい問題に数多く取り組むことが必要です。

SAPIX中学部では、基本的な計算力や解法の知識を身につけるための教材があり、それらに反復して取り組むことで、「短時間で確実に解ける」レベルにまで力を引き上げるよう指導しています。

復習のしかた・ミスを防ぐ方法

復習のしかたも大切です。なぜ間違えたのか、自分が書いた途中式を見ながら確認する習慣をつけましょう。そのためにも、問題を解くときは必ず途中式を書くこと。どこをどう間違えたのか、どこをどうすれば次は正解できるかを自分で説明できるように、セルフチェックをしてほしいと思います。

ミスは「注意を要するものが多いとき」に「すべてをフォローしきれず」起こります。ミスを防ぐには、注意力を使わなくてもいい状態をつくればいいわけです。式を整理して書くとか、ミスをしないような解き順を確立する、といったことも大切です。

中3夏の学習法|夏はじっくり勉強に取り組めるチャンス。間違えた問題を確実に復習すること

秋からはまとまった時間をとって勉強するのが難しくなるので、夏休みのうちに多くの問題に取り組むことが必要です。特に大切なのは、基本的な問題をたくさん解くことです。過去問などから課題が出されたら、きちんと取り組むようにしてください。

また、この時期にこそ、間違えた問題をしっかりと復習することが大切です。なぜ間違えたかを自分で考え、その理由と対処法をメモするノートを作って、暇があるときに見直すようにすると効果的です。

合格例の紹介|大切なのは基本の繰り返し。諦めずにチャレンジしよう

Sさんの場合

一つでも得意科目ができると、それにつられて他の科目も伸びることがあります。慶應女子高に進学したSさんは、中1で入室したときの偏差値(※)が3科目とも50前後でした。しかし、指示されたことは真面目にするので、アドバイス通りに英語を一生懸命に勉強したら成績が上がり、その後、3科目とも全体的に上がっていきました。

ただ、中3になってからは数学、特に立体図形で苦労していました。夏の間は、説明を受けても分からなくて、感情的に落ち込むこともありましたが、解けるようになるまで諦めずに繰り返しチャレンジできることがSさんの強みでした。それが功を奏して秋以降は速く解く力がつき、過去問も相当な量を解いていました。

大切なのは、どれだけ努力ができるか、それも基本的なことを繰り返しすることができるか、ということだと思います。

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