[第6回] SAPIXの窓 ― 思い入れの1問を紹介⑤

問題

問題の流れを考える

この問題は、SAPIXのオリジナルテキスト「MAIN SAPIX」に掲載されています。

(3)のオーソドックスな解法としては、三角錐の体積から△BCDを底面としたときの高さであるAHを逆算するという方法が思いつくでしょう。しかし、この解法で解こうとすると、体積を求めるための計算量が多く、とても手間がかかりますし、(1)や(2)の解を必要としません。そこで考えてほしいのは、(1)(2)の出題意図です。なぜ(1)や(2)を問う必要があったのか。与えられた展開図を組み立てるときの点Aの動きを想像してみてください。すると、平面図上で点Hは点Aから辺BCに下ろした垂線の延長上にあることが分かります。そこに気づくと、(1)でCH’の長さを求め、(2)で△ACDの形を考えさせた出題者の意図を理解できるはずです。この解法ならば、体積を求める必要もなく、あっという間に答えを出すことができます。

よりよい解法を考える

授業でこの問題を扱った際も、多くの生徒が体積からの逆算を試みました。(1)(2)はなぜ出題されているのか。もっと簡単に解ける方法はないのか。思いついた解法にすぐに飛びつく前に、一度立ち止まって考えてほしいのです。

近年の高校入試では、空間図形の出題が増えています。この問題と同じテーマが、ある有名進学校の入試でも出題されています。

実はこの問題は、高校で学習する「三垂線の定理」に関する問題です。定理を知っていれば取り組みやすかったと思いますが、実際の入試では、単に知識の有無を問うような出題はほとんどありません。知識がなくても、解き進める中でポイントに気づくことができるように作られています。オーソドックスな解法をしっかり身につけることはとても大切ですが、問題の設定や流れを読み、着眼点を知り、よりよい解法を考えることも重要な「思考力」であると考えています。

三垂線の定理
答え
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