開成高校 2017年出題傾向リサーチ

英語

開成高校 傾向分析 傾向分析 英語

1 エッセイの読解(約700語):小問数21

7年前に他界した母親からの手紙を受け取ったものの、なかなか封を開けられない筆者の、母への想いを描いたエッセイです。問2では大学入試レベルの語彙力が問われました。問3でも「文房具」や「地理」などスペリングミスをしやすい単語が問われ、開成高の語彙へのこだわりが感じられました。

2 エッセイの読解(約730語):小問数19

紅茶のいれ方に関するエッセイです。近年見られるような理科系の内容ではありませんでしたが、論理的な思考力を問う点では同じ視点から作題されています。問3(4)の整序英作文は正確な文法の力だけではなく、前後の内容理解が必要とされる難問でした。問9①と②は「言葉遊び」のセンスが要求される良問でした。

3 正誤問題:小問数2

複数の英文の中から文法上誤りのない文を選択する問題です。多くは基本的な問題でしたが、populationと組み合わせて用いる形容詞に関する難度の高い問題も出されました。

4 同意文完成:小問数8

各組の英文が同じ意味になるように空所に適語を補充する問題です。多くが基本的な文法知識に関する出題でしたが、(7)では高校の学習内容である強調構文の理解が問われました。

5 同音異義語:小問数4

発音が同じで綴りが異なる語を、与えられたそれぞれの文中に適した形で答える問題です。4問中2問は標準的な問題でしたが、(2)は高度な語彙力と文脈から推測する力の両方が求められる難問でした。

6 リスニング:小問数10

2016年と比べ、パートが1つ減り、3つのパートから構成されていましたが、 小問数に変更はありませんでした。Part Bでは複数の人物の名前が対話中に出てくるため、受験生にとって難しかったと思われます。また、対話中に登場する料理を表す写真を選択する問題が出されました。

数学

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1 小問集合

5年続けて小問集合での出題です。(1)三元連立方程式、(2)二次関数と面積、(3)正八面体の頂点移動の場合の数、(4)ある試験を行って得られた情報についての資料の考察でした。(1)(2)は基本問題です。(3)は問い方からある程度は調べるしかないと理解し、樹形図などを利用して手早く処理をしたい問題でした。(4)は難問ではありませんが、解答を得るのに少々時間がかかったと思われます。後回しにして、ほかの大問へ進んでもよかったでしょう。

2 接線の作図と円周率の考察

(1)は円の接線の作図問題で、難度は高くありません。(2)は作図した図形を活用し、π(円周率)の大きさを不等式で表す問題でした。問題文の主旨を読み取れなかったり、悩んだりした受験生が多くいたようです。

3 外接する4つの球

半径が等しい3つの球と1つの球をそれぞれ外接させてできる立体についての問題です。開成高の受験生であれば類題経験があるはずですが、図が無かったため戸惑った受験生もいたようです。(1)(2)ともに完答を目指せる問題でした。

4 空間図形と動点

立方体の対角線上を進む2点の距離について調べていく問題でした。(1)(2)は考えるべき平面を適切にとらえることができれば、あとは計算していくだけですので、確実に得点したいところです。(3)も、(1)(2)で問われた時間以降の動きを少し考えれば、適切な解法に気づくことができたでしょう。

国語

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1 平田オリザ『下り坂をそろそろと下る』

地域の自立再生において必要なものは何なのかということを、具体例を交えながら述べた文章でした。論旨が明確で読みやすい文章でしたが、2問ある記述はどちらも難度の高いものでした。思いついた内容を書くだけでは、どちらも同じような解答になってしまう可能性があり、問題によって内容を書き分けるということを日頃から意識していたかどうかによって、得点差がついたと考えられます。記述以外には漢字の書き取り4問がありましたが、受験生には見慣れない漢字も問われていて、すべて正解することは難しかったでしょう。全体的に難度の高い大問でした。

2 村田沙耶香『コンビニ人間』

本当の自分を隠しながらアルバイトをしている主人公の目線で描かれた小説が出題されました。受験生にとって、文章は読みやすいものだったと思われますが、記述の難度はいずれも高いものでした。文中の表現をそのまま用いて書こうとすると、かなり冗長な解答になってしまいます。文章内容をいかに過不足なく抽象的にまとめられるかがポイントでした。また、相違点を対比的にまとめる力も、この大問で得点を伸ばすポイントでした。大問1と同様に、難度の高い大問でしたが、問2は、他の2問と比べると取り組みやすいので、確実に得点しておきたいところでした。

3 『更科紀行』

江戸時代の紀行文からの出題でした。文章の一部に現代語訳が付いているものの、ところどころに独特の言い回しがあり、内容を把握しにくいと感じた受験生もいたようです。文中の俳句は、文章内容を適切に把握していないと、描かれている情景を理解しにくいものでした。また、この俳句の鑑賞を求める記述問題に苦しめられた受験生も多かったと思われます。この大問には、これ以外にも記述が1問、記号選択が1問、知識が2問ありましたが、いずれも俳句の鑑賞をする記述問題に比べれば解きやすいものでした。

理科

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1 エネルギー(物理)

放射線に関する知識を中心とした問題や、発熱量に関する計算問題でした。放射線の知識問題は対策がしにくい内容で、高得点は狙いにくかったでしょう。発熱量の計算問題は単位や数値が見慣れないものだったので、丁寧な処理が求められました。例年見られるような、やや高度な分析力や思考力を必要とする問題は見られませんでした。

2 食物連鎖(生物)

食物連鎖に関する典型問題が中心で、学習を重ねてきた受験生なら高得点が狙える内容でした。一部、その場で理解して考察する問題が出ましたが、近年の入試問題と比較して取り組みやすい問題が多く、受験生は対応しやすかったでしょう。

3 物質の特徴(化学)

気体の性質や発生方法に関する基礎知識を確認する問題でした。いずれも基本的な知識で対応できる内容で、ミスをいかに減らすかが重要でした。近年は、基本的な知識を確認する問題が出ることが多く、その傾向に沿ったものでした。

4 地質、天気、天体(地学)

中学1~3年生で学習する地学分野の幅広い単元からの小問集合でした。1問だけ発展的な知識を要する問題が見られましたが、そのほかはいずれも基本的で典型的な内容でした。取りこぼしさえしなければ、高得点を取ることができます。

社会

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1 歴史総合(さまざまな外交使節)

日本が派遣した外交使節をテーマとする出題でした。一問一答形式の問題は教科書で見られるような基本的なレベルの語句を問うものが中心でしたが、その多くが漢字指定であったことから、知識の幅よりも精度が試されていたと言えます。思考力・分析力を求められる応用的なものではなく、基礎の反復が得点に結びつくものばかりであったため、社会を苦手とする受験生はこの大問でしっかりと得点しておくことが重要でした。

2 地理総合(EU・ASEAN)

EUとASEANをテーマとした地理の総合問題でした。加盟国数などを問う基本的なものから、EUとASEANの違いを記述させる難度が高いものまでが階層的に出題されていました。2016年に引き続き出た英語の知識を利用して解答する問題は、2017年はEUの正式名称を英語で解答するものでした。また、EUの最大人口・最小人口の国を問うものは過去にもほぼ同じものが出題されています。

3 公民総合(人口問題)

日本の人口減少と高齢化に伴う財政の問題をテーマとした出題でした。日本のGDPや合計特殊出生率などは近年にも出題されており、過去の入試問題演習が有効でした。2000年代の出来事(6つの選択肢)を並べ替える問題は難度が高く、単年でなく長期的なつながりを頭に入れて時事問題を考えているかが問われました。また、5カ国の債務残高(GDP比)のグラフから日本とドイツのものを選び出す問題は、なぜこの2カ国を選ばせるのかという出題者の意図を組み取れば正答を予測できるものでした。

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