2016年 都立高入試分析 英語・数学・国語・理科・社会【東京都立高校共通問題】

英語

都立高入試分析【東京都立高校共通問題】 傾向分析 英語

リスニング・資料の読み取り・対話文・物語文の4題構成です。設問は、全体を通して内容に関する記号選択問題が大半を占めています。話の流れや心情の変化、登場人物それぞれの意見など、細かい部分を正確に把握する必要があります。また日本語による記述は出題されず、英語による記述が必ず出題されるのも特徴の1つです。その英文記述は、大問2の設問3の配点が高く設定されています。文法・内容ともに正しい文を書くことが重要です。

1 リスニング問題:小問数5

例年通り、問題Aと問題Bに分かれています。問題Aは男性・女性による3つの短い対話文でした。それぞれに対する質問が1つずつあり、適切な英文を選択肢から選ぶ形式、問題Bは短い英文が読まれ、その内容に関する2つの質問に対し英語で答える形式です。

2 資料の読み取り(約420語):小問数4

昨年より英文の量は増えましたが、形式は例年通りでした。設問1と設問2では図表をともなう対話文の穴埋めを完成させる選択問題、設問3では、150語程度のEメールの内容に関する選択問題が1つ、指定されたテーマに関する英文記述が1つ出されています。英文記述は、与えられたテーマについて3つの英文で解答する形式で、配点が高くしっかりと正解したい大問でした。

3 対話文の読解(約440語):小問数7

博物館で日本文化に触れた3人の日本人高校生と、1人のアメリカからの留学生が、着物について語り合う内容でした。英文の内容と一致する文章を選ぶ設問、文中で省略されている語句や日記の空所に入る語句を選ぶ設問がありました。また昨年と同様に、本文の内容に合う英文を完成させるよう、空所に英単語を補う記述式の設問がありました。今年は英文の量が減りましたが、問題の難度は昨年並みでした。

4 物語文の読解(約600語):小問数7

日本人高校生と、カナダからホームステイに来ている留学生が、職場体験を通じて成長していく物語文です。すべての設問が内容に関するもので、細部まで正確に把握する力が問われていました。設問は空欄補充・文の並べ替え・内容一致・応答文の選択問題です。特筆すべきは問4で、内容に関する質問文への応答が昨年までは英文記述形式でしたが、今年は記号選択になり、昨年に比べて取り組みやすくなりました。

数学

都立高入試分析【東京都立高校共通問題】 傾向分析 数学

大問5題で構成され、大問1は小問集合、大問2は文章題、大問3は関数、大問4は平面図形、大問5は空間図形の出題でした。難度としては基本、標準レベルの問題が中心で特に難解なものは見あたりません。作図、証明、資料の整理の出題頻度も高いので、基本的な作図の手順、証明の方法、資料の整理の用語など演習経験が不足しがちな問題についてしっかりおさえておく必要があります。合格点を勝ち取るためには、小問集合の計算問題でのミスを極力おさえ、典型問題にはきちんと対応できるよう準備をしておくことが重要です。

1 小問集合

例年通り基本的な問題で構成されていました。今年は確率に代わり再び資料の整理が出題されました。作図も含め、ミスなく処理しておきたいところです。

2 文章題

例年通りの形式で、「生徒が作った問題」について考察を深めていくというものでした。「かけ算九九の表」の中の数字の並びについて考えていくもので、問2の証明も指示通りに進めていけばよいのですが、文字式の処理に苦労したかもしれません。

3 関数

二次関数の出題でした。問1、2は基本事項の確認で、問3は座標平面上にできる三角形の面積に関する問題でした。効率よく計算できたかどうかがポイントとなったでしょう。

4 平面図形

平行四辺形の中にできる三角形の相似に関する問題でした。問2は相似の証明の問題でしたが、戸惑う点はなかったでしょう。最後の面積比に関する問題も標準レベルの問題で、ぜひ正解したいところです。

5 空間図形

正三角柱の辺上の点を結ぶ最短経路、点を結んでできる四角すいの体積に関する問題でした。他の大問に比べ若干難度は高めです。類題演習の経験によって得点差がついたと思われます。

国語

都立高入試分析【東京都立高校共通問題】 傾向分析 国語

大問数は例年通り5題で、漢字の読み取り、漢字の書き取り、文学的文章、説明的文章、古典を含む文章が出題されました。小問数も例年通り25問で、設問の中心は文章内容の理解を求めるものです。昨年に比べて設問の難度に大きな変化は見られませんでしたが、漢字と作文を除いたすべての設問が記号選択となりました。文学的文章は現代の物語文が中心で読みやすく、説明的文章ではさまざまな題材の文章が選ばれています。古典を含む文章は、古典に関する対談や講演など、現代文・古文両方の読解を必要とする出題が続いています。

1 漢字の読み取り

今年の出題レベルは例年通り標準的なものでした。ここでの失点は防ぎたいところです。

2 漢字の書き取り

この大問の出題レベルも例年通り標準的なものでした。書きまちがいしやすい字もありますので注意しましょう。

3 伊集院静『どんまい』

野球をきっかけに少年と少女が出会う場面を描いた文章です。文章量は標準的で、登場人物の相互関係や心情の読み取りが求められました。昨年と同様、心情把握や表現効果の理解を求める問題が出されました。例年出されていた登場人物の立場から心情や発言を考えさせる記述はありませんでした。

4 名児耶明『書の見方』

「書」の芸術性について論じた文章です。内容理解を求める記号選択問題が出されていますが、選択肢にまぎらわしいものもあるので、文章全体を深く読み、筆者の主張を正確につかむ必要があります。また、文章構成についても問われています。200字の字数制限のある作文は、主題を理解したうえで、具体的な根拠を挙げながら、自分の考えを述べるものでした。

5 木越隆『「枕草子」の性格』

「枕草子」に関連する講演記録と、そこで引用された古文およびその現代語訳から出題されました。歴史的仮名遣いや文法、語句の意味などが問われましたが、求められる古文の知識は基本的なレベルです。

理科

都立高入試分析【東京都立高校共通問題】 傾向分析 理科

例年通り、小問集合の大問が2題、地学、生物、化学、物理の大問が1題ずつの6題構成でした。基本的な知識やしくみの理解に関する問題と、観察や実験の結果について考察する問題が中心です。特に、観察や実験の結果について考察する問題では、複数の表や図、グラフを読み取って判断しなければならないものや、文章記述で解答するものなどがあり、得点差がつきやすくなっています。そのため、東京都立校だけでなく、他の公立校の過去の入試問題を数多く解くことで、考察を必要とする問題に対して経験を蓄積することが求められます。

1 小問集合(物理、化学、生物、地学)

物理と地学から2問ずつ、生物と化学から1問ずつの計6問でした。例年通り、大問1は基礎問題なので、すべて正解したいところです。

2 小問集合(物理、化学、生物、地学)

レポートの文章からヒントを読み取り、解答する問題です。大問2で出される計算問題は難度が高くなることがありますが、今年は基礎問題でした。そのため、大問1と同様にすべて正解したいところです。

3 天体(地学)

問1は金星と火星の高度について考察する問題ですが、他の公立校の過去の入試問題で類題が出されているため、経験の差が得点差につながりました。問2は問題文を注意深く読む必要がありました。

4 遺伝(生物)

遺伝に関する基礎問題が中心でしたが、問4はやや難度が高い問題でした。この問題についても他の公立校で過去に類題が出ています。

5 イオン(化学)

水酸化ナトリウム水溶液の電気分解や、塩が白色沈殿する中和反応に関する内容を理解している受験生にとっては解答しやすい問題でした。ただし、問4は条件を整理する力が求められ、やや難しい問題でした。

6 電流(物理)

ドライヤーのしくみに関するやや見慣れない題材がとりあげられ、これまで学んできた内容を活用する力が問われました。問3の文章記述の問題はやや解答しにくく、多くの受験生が苦戦したものと思われます。

社会

都立高入試分析【東京都立高校共通問題】 傾向分析 社会

例年通り基礎的知識を踏まえた分析力・記述力が総合的に試される出題で、大問数(6題)、小問数(20題)、分野別の問題の順番も変わりませんでした。ただし、論述問題は、4つ出題される形式から2012年以前の3題に戻りました。論述問題は部分点の基準が細かく定められ公表されているため、ポイントがはっきりと書かれていない答案は減点されてしまいます。また、論述問題が減った分、資料・統計を正確に読み取らなければならない問題が増えたことで、全体の難度は昨年並みとなりました。

1 小問集合

地理分野は北極点を中心とする北半球の地図をもとにした時差の問題でした。東京都立では珍しい地図なので、見方に戸惑った受験生もいたでしょう。歴史分野は例年より難度が高く、日頃の興味・関心で差がつくものでした。

2 世界地理

第一次産業に関するさまざまな資料をテーマとした問題でした。三大穀物の生産量や、家畜頭数とその地域における宗教との結びつきなど、地理の基礎知識を応用できるかどうかが試されました。

3 日本地理

第一次・第二次産業に関する資料を題材として、各都道府県の特色を問うものでした。与えられた文章のみから都道府県を判断するのは難しく、文章と資料を対照することで解答を導かなければならないという高い分析力を必要とするものでした。

4 歴史

交通を題材として、古代から近現代までが広く問われました。年代を答える問題は必要なキーワードに着目できれば解答しやすいものでした。論述問題は地図と文章を比べて考える例年通りの形式で、出題者の意図をくみ取って答えなければならないものでした。

5 公民

労働基本権や財政・社会保障をテーマとした問題でした。論述問題については、社会保障の給付に関する定番の内容で、2014年にも類似の出題があったため、受験生にとっては取り組みやすかったと思われます。

6 総合問題

森林と環境保全をテーマとした問題でした。気候と森林面積と木の種類の関係を答えるという分析力を必要とするもの、人口と森林面積の関係を答えるという思考力を試すものなどが出題され、全体的に難度が高い大問でした。

ページトップへ