慶應義塾高校 2016年出題傾向リサーチ

英語

慶應義塾高等学校 傾向分析 英語

今年も昨年に引き続き、同意文完成、誤文訂正、対話文完成、長文中の適語補充、長文読解総合の大問5題の構成でした。英文の総語数は、2015年と比べると微減しましたが、速読力が必要であることには変わりありません。大問1の同意文完成と大問2の誤文訂正は、思考力を要するものや中学範囲を超えた文法知識が必要なものが出題される場合もありますが、今年は標準レベルのものが大半でした。しかし、大問4の難度は昨年よりも高かったため、基本的な問題をいかに正確に素早くこなし、かつ難しい問題にも時間を取られすぎないよう設問の見極めや時間配分に注意することが大切でした。

1 同意文完成:小問数8

英文中の空所に適語を補う形式です。関係詞や使役動詞などの頻出事項に加え、今年は受動態や感嘆文の基本的な知識が問われました。3.は数・量を表す形容詞の使い分けが問われており、可算名詞、不可算名詞の違いに注意する必要がありました。

2 誤文訂正:小問数8

英文中の誤りを含む部分を記号で選び、その箇所全体を正しく直す問題です。1.のように単語の品詞理解を問うものはこの大問で頻出です。8.では、似たような意味をもつsayとtellの語法が問われました。例年、幅広い単元の細かな知識が求められます。

3 対話文の読解(約275語):小問数10

母と息子の対話文を読み、空所に適する英文を選択肢から選んで答える形式です。空所直後の発言に注目することがポイントでした。選択肢(オ)は主語のThatが何を指すのかを考えることが大切です。一見すると複数の選択肢が当てはまりそうな空所もあるため、対話の流れをきちんと把握することが重要です。

4 説明文の読解(約260語):小問数10

ミイラの作成に関する説明文を読み、本文中の空所に適する語を考えて補う問題です。今年は最初の文字が指定されている空所が一つもないうえに、動作の具体的な様子を表す副詞を入れる5や6は受験生にとって難しかったと思われます。3、7、9は他の形式の文法問題でも頻出なので、手堅く正解したいところでした。

5 物語文の読解(約1155語):小問数16

電話交換手と少年のやり取りを描いた物語文です。例年通り選択式の内容一致問題、本文中の語句を並べかえる整序英作文、本文中の英文を和訳する問題が出されました。今年の整序英作文は、例年に比べると易化したため、3問ともきちんと得点したいところでした。内容一致問題は、時系列で内容を整理し、本文の該当箇所を見つけて選択肢を丁寧に吟味すれば、正答できるものでした。

数学

慶應義塾高等学校 傾向分析 数学

大問数は5~8題、小問数は20問前後で構成されています。昨年より大問数も小問数も減少しましたが、計算に時間のかかる問題が多く、素早い処理能力が求められます。今年は、3年連続で出題された文章題がなくなり、資料の整理からの出題がありました。どのような内容が出題されても対応できるよう、偏りのない学習が必要です。解答形式は小問集合と大問の序盤が答えのみで、その他の問題は途中式も要求されます。60分という試験時間を考えても問題量や計算量がやや多いため、時間の使い方を意識することがポイントです。

1 小問集合

(1)数の計算、(2)二次方程式、(3)整数、(4)正多面体の辺と頂点の数、(5)円、(6)式の展開、(7)整数でした。高校受験で頻出の問題が多く、しっかり学習してきたかどうかが問われる内容でした。正確な計算力も必要で、得点差がついたと思われます。

2 二次関数

図が与えられていない二次関数の問題でした。問題文の表現に戸惑った受験生がいたかもしれませんが、計算処理に手間がかかるものの、図は描きやすく、基本的な内容が問われているため、正確に解ききりたい問題です。

3 平面図形

直角二等辺三角形を折り返し、重なった部分の面積について考える問題でした。(1)は解答欄が穴埋めになっているため、対処しやすかったと思われます。(2)は吟味が必要であり、慎重に解答する必要がありました。

4 確率

確率の積と和を利用する問題でした。あまり見かけない表現でしたが、(1)は基本的な問題なので、確実に得点したいところです。(2)は(1)を利用することで計算が楽になることに気がつけるかどうかがポイントでした。

5 資料の整理

度数分布表についての出題でした。計算処理が少々面倒ですが、階級値の知識があれば対応できるため、しっかり正解しておきたい問題です。

6 回転体

座標平面上の図形を回転させる問題でした。図形の把握は難しくありませんが、計算が複雑なので、途中計算をミスした受験生も少なくなかったでしょう。

7 空間図形

稜線の長さが等しい正三角錐を切断する問題でした。難度は高くはありませんが、この大問も計算にやや手間がかかるため、時間との勝負になったと思われます。

国語

慶應義塾高等学校 傾向分析 国語

2013年以降現代文2題の構成になり、今年も同様の形式でした。小問数は例年50問程度で推移しており、一つ一つの問題を手早く確実に処理する必要があります。出題される文章は、一見すると読みやすいものの、厳密な論理の把握が難しいものが選ばれています。設問の大部分を知識問題が占めているため、幅広い知識事項の習得が合否の鍵になると言えるでしょう。もちろん、記述問題をはじめとする読解問題への対策も欠かせません。年によって古文が出題されることがあるため、古文や漢文に対しても十分に対策しておくことが必要です。

1 大岡信『古典のこころ』

『古今和歌集』についての講演内容を文章化したものが出題されました。文章自体は例年に比べて読みやすいものだったと言えます。漢字の書き取り10問を含め、設問の過半数が知識に関わるものでした。ただし、一見知識問題に見えるものの、実際は文章内容を理解していれば解ける問題も含まれていました。また、慶應義塾高の特徴とも言える一般常識や文法に関する問題も出されていましたが、対策してきた受験生にとってはそれほど難しくないレベルでした。記述問題では、文章の内容を理解したうえで、必要とされる要素を限られた少ない字数内でまとめる力が要求されました。この大問であまり時間をかけずに得点できたかどうかが合否の鍵になったと考えられます。

2 小宮豊隆編『寺田寅彦随筆集 第二巻』

ある科学的原理を題材に、学説を理解するための心得について論じた文章でした。大正時代に書かれた古い文章でしたが、論説文を読むように、対比を軸にして内容をとらえる訓練を積んだ受験生にとって、それほど難しい内容ではありませんでした。大問1とは異なり、知識問題は三つだけで、しかも文中における語句の意味を問うものでしたので、結果的に設問のほとんどが文章内容の理解に関するものでした。さらに、50字の記述が2問、15字の記述、20字の記述がそれぞれ1問ずつ出されており、記述力が試された大問だったと言えます。「論旨をふまえる」という設問条件を意識しつつ、必要とされる要素をスピーディーに解答に盛り込む力が要求されています。文章表現を「自分の言葉」に置き換える訓練の有無が高い点数を取れるかどうかの分かれ目でした。

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