慶應義塾女子高校 2016年出題傾向リサーチ

英語

慶應義塾女子高等学校 傾向分析 英語

例年の傾向として、リスニング・速読力・内容理解力・記述力と、英語の総合力が問われていますが、今年は特に「時事性+ノンフィクション」がキーワードとなりました。最先端技術が社会に与える影響、在宅教育の是非、民族アイデンティティなど、現代社会におけるタイムリーな話題を英語で読み解く問題は、高校入試の長文題材における最高峰の一つと言えます。また、大問ごとの難度バランスも例年に比べ拮抗しており、どの問題から解き始めても受験生にとっては難しく感じられたことでしょう。総単語数1600語を超える長文3題を攻略するためには、時間配分が大きな鍵となったと思われます。

1 リスニング問題:小問数6

三つの放送文を聞き、それぞれに選択問題と記述問題が1問ずつ含まれる形式は昨年と同様です。試験開始直後にリスニングが始まるので、予め問題文を読むなどの準備が難しく、注意が必要です。

2 説明文の読解(約695語):小問数14

無人飛行機「ドローン」の技術革新について述べた説明文でした。例年理科系の説明文は必ず出題されますが、今年は単なる科学技術の説明に止まらず、その技術が社会にどのように貢献し、また悪用される危険性があるかという社会学的な側面を含んだ内容でした。本文の内容に合う適語を抜き出す問5、問題文中の空所に適語を補う問7は難問でした。また、英文和訳の問6は文構造がやや複雑で、文意を理解し自然な日本語で表現するのに受験生は苦労したと思われます。

3 対話文の読解(約470語):小問数8

「在宅教育」の是非について4人の学生が議論するという内容でした。対話文中の空所に選択肢を入れる問2は慶應女子高の特徴的な出題形式の一つです。また、登場人物の意見の違いをグループ分けして答える問3は、図を描いて整理するなど工夫が必要でした。

4 エッセイの読解(約450語):小問数8

キューバ出身の筆者が子どもの頃アメリカに移住し、自身の「民族アイデンティティ」に悩むというエッセイでした。父親のアドバイスに筆者が感じた内容を答える問4は、選択肢の作りがやや複雑で、比喩表現の解釈と選択肢の見極めが鍵となった問題でした。

5 自由英作文:小問数1

「中学1年生に向けてのアドバイス」を50語程度の英語で書く問題でした。高校入試を迎え、卒業を控えた中学3年生として、自分の知識や経験をどう後輩に伝えるかという、受験生の身の丈にあったテーマながらも、論理性と客観性が求められる難しい英作文だったと思われます。

数学

慶應義塾女子高等学校 傾向分析 数学

二次関数と図形の融合問題や空間図形、円、整数が頻出分野です。また、穴埋め形式での出題も特徴の一つですが、2015年に続き2016年も出題されませんでした。近年では、目立った難問は出題されておらず、2016年も解法が浮かびにくい問題はありませんでした。2016年では「[2](1)(2)」や「A、Bを求めよ」のように細かく分けて問う形が多く、解答すべき数が増加していますが、問題を解きやすくするための誘導なので、試験時間内での処理が厳しくなったわけではありません。そのため、計算ミスや思い違いなどの単純なミスには十分な注意が必要でした。

1 小問集合

[1]は未知数三つの文章題、[2]は円になる軌跡の作図でした。演習の経験があると思われる、標準的な難度です。ただし、[1]の複数解答、[2]の見落としやすい箇所などでは、注意が必要でした。

2 さいころの確率

さいころの出た目の数だけ数直線上を進める問題でした。[2]はさいころを何回目に投げたときに点A、Bにいるかを正確に調べることが必要でした。どちらも正解したい問題です。

3

円にできる相似と特別角の利用に関する問題でした。[1]~[4]まで慶應女子高の問題としては取り組みやすい問題でしたので、短時間で完答を目指したいところです。

4 二次関数

[2](1)は二つの式の値を求めますが、式の意図が読み取れず、戸惑った受験生もいたと思われます。ただ、[2](2)については、(1)を利用しなくても計算力で処理することが可能です。一方で(1)を正解しても(2)で上手に活用できた受験生は多くはいなかったと思われます。

5 四角錐の切断

底面がひし形になっている四角錐の切断に関する問題でした。取り出す平面や線分比を考えるうえで、必要な誘導として、小問が丁寧に作られています。[3](1)(2)(3)については、(1)が解ければ(2)もできる、(2)が解ければ(3)もできるといった具合でだんだん易しくなっていくようになっており、[4]は[3](3)を正解できた受験生であれば解けたはずです。[3](1)が得点差に大きく影響する重要な1問であったと思われます。

国語

慶應義塾女子高等学校 傾向分析 国語

大問の構成は現代文2題と古文1題で、年によっては古文の代わりに短歌や俳句などを含んだ文章が出題されることもあります。文章のテーマには偏りが見られませんので、さまざまなジャンルのものに対応できる力を身につける必要があります。設問の大きな特徴は、記述中心であることです。昨年の9問から1問増え、今年は10問の記述が出されていました。古文では、現代文で求められるのと同じレベルの高い文章理解力が必要とされます。最難関女子校の一つですので、万全を期した対策を心がけましょう。

1 おのりえん『虫愛づる姫もどき』

主人公の女性が桜の木の思い出を回想するという内容の小説文でした。絵本・童話作家ならではの独特の文体や表現に戸惑った受験生もいたと思われますが、内容自体は読み取りやすいものでした。文章の長さも例年と同程度でしたので、読解に時間はかからなかったと思われます。どのような意味の表現なのかを文章の流れの中から読み取り、それを手がかりにして登場人物の気持ちを丁寧につかむことが必要です。記述については例年通り、傍線部の内容説明に関するものと、理由説明を求めるものが計4問出されていました。求められている要素をしっかりとまとめきることが肝要です。

2 『風姿花伝』

父、観阿弥の教えをもとに、息子である作者が記した室町時代の作品からの出題でした。部分的に、受験生にとって読み取りづらい表現はありますが、注釈などを手がかりにすれば、大まかな内容はつかむことができます。記述が2問出されていましたが、いずれも、作者がどのようなことを読者に伝えたかったのかを理解できれば、対応可能なものでした。そのほかの文学史や空欄補充の問題は難度の高いものではありませんので、記述の出来で大きく差がついたと考えられます。

3 渥美堅持『イスラーム基礎講座』

イスラーム世界に関する論説文でした。日本とイスラーム世界の価値観の違いをきちんとつかみながら読み進めていけば、読みにくい文章ではありませんでした。記述は4問出されていましたが、解答の根拠を文中に見つけやすいものでした。しかし、その発見した根拠を要素として解答に盛り込み、制限時間内にまとめる必要があります。その処理をいかに素早くできたかどうかで、得点に差が出たのではないかと考えられます。

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