西大和学園高校 2016年出題傾向リサーチ

本校入試(奈良県)

英語

西大和学園高等学校 傾向分析 英語

例年通りリスニング1題と長文読解3題、和文英訳1題の計5題でした。長文読解は説明文が2題と物語文が1題出されました。長文の総単語数が約1700語で、問題の小問数が昨年に比べ3問増えているので、英文を速く読み問題を処理する必要があります。問題形式、難度については昨年と比べ大きな変化はありませんが、長文読解の中で語彙の知識が問われるものも出題されています。このことから西大和学園高の英語では豊富な語彙力が必要とされていることが分かります。また、今年のリスニング問題は出題形式に変化がありました。和文英訳は難度に大きな変化はありませんでした。英語を正しく運用するための正確な知識が必要とされます。 

1 リスニング問題:小問数6

例年出題されていた和文記述がなくなり、内容一致の選択問題に変わりました。小問数も1問増え6問でした。対話文を聞き、それに対する質問の答えとなる英文を選ぶ形式が4問と、対話文の内容を正しく説明している英文を選ぶ形式が2問でした。

2 説明文の読解(約490語):小問数4

美術館とそこから展示物を盗む泥棒についての説明文です。出題形式に変化はなく、10個の選択肢から正しいものを4つ選ぶ内容一致問題でした。与えられた選択肢それぞれの内容は本文中に順序通りに出てくるため、本文を読みながら選択肢を順番通りに吟味することができます。また選択肢の中には一般的に考えにくい内容も含まれていたので正解しやすい問題でした。

3 説明文の読解(約500語):小問数9

食べ物の好き嫌いに関する説明文でした。ここ数年で頻出の脱文挿入や段落挿入の問題、和文記述問題は今年は出されず、動詞の語形変化や語彙の知識を問うものがそれぞれ2問ずつ出されました。その他、単語の並べ替えや英文和訳、適語(句)選択は例年通りの出題でした。

4 物語文の読解(約700語):小問数11

「謝ること」についての父と子の物語文です。昨年出題された単語の並べかえと適語抜き出しは出題されず、英文和訳が出題されました。その他の出題形式に変化はありませんでした。問6では、昨年に引き続き英文の並べ替えが出題されましたが、空所の後に続く英文とのつながりを考えると解きやすい問題です。

5 和文英訳:小問数3

日本文を英文に直す問題が3問出されました。付帯状況を表すwithや動詞askの正しい使い方、また「~するのはいかがですか」のような勧誘表現など、頻出の文法知識が問われました。3問中1問は接続詞を伴う長い一文でした。細かいミスに気をつけたい問題です。

数学

西大和学園高等学校 傾向分析 数学

今年の問題数は、大問が4題、小問は20問で、概ね例年通りの分量です。出題分野は大問1が数量分野の小問集合、大問2は図形分野の小問集合、大問3は二次関数、大問4は平面図形でした。また、作図が1問出題されましたが、頻出の証明問題は出ませんでした。難問は見当たりませんが、典型問題が多い傾向なので、差をつけられないようにきちんとした学習が必要です。

1 数量分野の小問集合

(1)、(2)、(3)が式の値、(4)が確率、(5)が整数、(6)が速さの文章題、(7)が食塩水の文章題でした。どの問題も悩むことはなかったかと思いますが、文章題が苦手な受験生は(6)、(7)で手が止まってしまったかもしれません。

2 図形分野の小問集合

昨年と異なり、関数分野からの小問は出題されませんでした。(1)、(4)が円の求角問題、(2)が平面図形、(3)が立体の求角問題でした。(3)を除いて、時間をかけ過ぎてしまう可能性もある問題でした。特に(2)の正答率はかなり低いと思われます。

3 二次関数

台形が絡む放物線の問題でした。(3)、(4)は面積を求める問題で、図がやや不正確でしたが、西大和学園高を受験する生徒であれば完答したい大問でした。

4 平面図形

連続した相似形の問題で、(2)は場合の数が絡んだ出題でした。落ち着いて数えれば正解できた問題ですが、図があまり正確ではなかったため正答できなかった受験生もいたと考えられます。(3)の作図も基本的な問題、(4)も頻出問題でしたので、(2)で差がついたと思われます。

国語

西大和学園高等学校 傾向分析 国語

大問数は例年3題で、論説文・小説文・古文が出題されます。今年の小問数は36問ですが、試験時間からすれば適度な問題量と言えます。西大和学園高らしさと言えば、全体的に文章量が多いことと、記述や記号選択などがバランスよく出されていることです。論説文はさまざまな題材が選ばれています。小説文は文章量が多いのですが、受験生には読みやすい内容になっています。古文は中世・近世の幅広いジャンルから出題されています。いずれの大問においても、文章を深く読む力と、記述する力とが求められています。

1 野矢茂樹『哲学・航海日誌Ⅰ』

自他の意識の違いに関する哲学的な文章でしたので、受験生にとって読みづらいものでした。内容理解・理由説明・空欄補充といった読解力を求める問題が中心で、字数制限のある記述2問(30字と70字)も出されています。受験生にとってなじみのない言葉もありましたが、きちんと文章を読めば、対応できたと思われます。また、記号選択の選択肢にまぎらわしいものもあるので、文章全体にわたって注意深く読み、筆者の主張を正確につかむ必要があります。漢字の書き取りも5問出されています。

2 原田マハ『生きるぼくら』

いじめをきっかけに、引きこもりになった主人公が、祖母の家で予想外の出来事を経験するという内容の文章です。文章量は多いですが、読みやすい文章なので、この大問でしっかりと得点したいところです。心情把握・内容理解・理由説明といった読解力を求めるものが中心でしたが、ここでも字数制限のある記述2問(60字)が出されていて、文章の内容をしっかりと理解し、自分の言葉で表現しなければなりません。また、語句の意味に関する知識問題も二つ出されています。

3 『宇治拾遺物語』

鎌倉時代前期の説話で、一昨年と同じ出典です。字数制限のある記述1問(50字)が出されていました。傍線部にいたる内容を正確に読解したうえで、設問条件に応じた解答をしなければならないので、ここで得点差がついたと思われます。そのほかの問題も文章の概要をつかむだけでなく、細部への理解ができていないと、得点には結びつきません。

理科

西大和学園高等学校 傾向分析 理科

例年通り、物理、化学、生物、地学の各分野から1題ずつの構成でした。難度は基礎~応用と幅広く、高度な分析力・思考力を問う傾向があります。近年、生物や地学で、初見の実験や現象に関する文章やグラフをふまえて解答する形式が多く出題されているため、読解力も必要です。計算問題も各分野に散りばめられているので、基礎~標準レベルの問題は手際よく処理し、難度の高い問題に時間をかけることができるような時間配分が重要です。まずは典型問題を取りこぼさないことに重点を置きましょう。

1 天気(地学)

台風と風向きに関する基礎~標準の問題でした。一部、細かい知識が求められましたが、落ち着いて対応したいところです。(2)、(8)、(9)は風向きの変化を正確に把握し、分析する必要がありました。大問を通しての難度は高くないので、ミスは1、2問に留めたいところです。

2 溶解度、中和(化学)

前半が溶解度、後半が中和反応の問題でした。どちらの単元も正確な理解と十分な演習量が求められました。(6)は類題の演習経験があり、解法を知っていた受験生にとっては有利だったでしょう。(10)、(11)の計算問題は、問題文をしっかり読み、丁寧に処理することが求められました。いずれも、過不足なく反応する質量比を用いた計算が身についているかどうかで、得点に差がついたと言えます。

3 電流(物理)

電流計、電圧計の基本の知識と電気回路の問題でした。電流計、電圧計のしくみや性質は電気回路へのつなぎ方からも推測でき、また、電気回路は典型的なものが出題されました。西大和学園高の受験生ならば、全問正解したいところです。

4 細胞、生殖(生物)

細胞分裂、生殖についての知識と、読解力を問う構成となっていました。前半は基礎知識の確認なので、取りこぼしはなくしたいところです。後半は文章とグラフから情報を抽出した後、自分なりに状況を整理し、まとめる必要があったため、難度が高かったと言えます。各小問の内容が連続しており、一つのミスによってその後の問題も連続して間違えてしまう恐れがあったため、注意深く解き進めることが求められました。

社会

西大和学園高等学校 傾向分析 社会

今年度は例年と比較して、多様な資料を用いて受験生の分析力を試す出題が増えたため、難度は上がりました。また、社会が抱える課題や時事をテーマに、その場の対応力をはかる出題も見られ、これまで以上に社会への興味・関心や学習の深さが求められる問題でした。出題範囲・出題形式は年によってさまざまで、例年の合格者の平均点も高いため、時間をかけてじっくりと対策を練っておく必要があります。十分に演習を積んで知識力、分析力、思考力、記述力をバランスよくレベルアップしていくことが合格への鍵と言えます。

1 世界地理(南北アメリカ)

南北アメリカの地誌に関する出題でした。資料・統計を用いた問題は定番のものではなく、地図や資料をよく分析し、消去法などを用いて解答を導き出す工夫が求められていました。ただし、そのほかは記述問題も含めて基礎知識の定着を試すものだったため、確実に得点したい大問でした。

2 日本地理(観光・地形図)

日本の観光産業の現状、地形図、農業に関する出題で、最も難解な大問であったと言えます。訪日外国人旅行者が増加した理由を答える問題や津波の避難場所を示すマークを考えさせる問題、滋賀県の農業に関する記述問題などは、細部まで資料を検討する注意力や、出題者の意図を見抜いて解答を導く発想力が求められるものでした。

3 日本史・世界史

写真と年表を題材にした日本史と世界史の融合問題でした。例年と比べて、世界史の内容だけを問う問題は少数でした。豊臣秀吉の政策を並べ替える問題や、徳川綱吉の将軍在任期間中の出来事を選ぶ問題など、年代の把握を試す問題の難度は上がっていたものの、全体的には日本史・世界史ともに基礎から標準レベルの出題が多かったため、確実に得点しておきたい大問でした。

4 公民

日本国憲法、三権分立、価格と企業など政治・経済分野の頻出項目からの出題でした。語句記述問題の漢字表記に気を配る必要があったものの、教科書に掲載されているレベルの基礎的かつ定番の出題が中心であったため、失点を避けたい大問でした。

県外入試(東京・東海・中四国・福岡)

英語

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1 リスニング:小問数5

例年通りの形式で、対話を聞いてその内容について放送される英語の質問に答えるものでした。設問Aは選択肢が与えられているので、内容と質問を正確に聞き取ることがポイントです。対話文と質問文はそれぞれ2回ずつ放送されます。

2 物語文の読解(約570語):小問数4

ある特殊な状況に置かれた父親とその妻子の物語です。場面が想像できるかどうかで得点に大きく差がつくと思われます。設問の形式は例年通りで、与えられた選択肢(英文)から本文の内容と合致するものを選ぶ形式でした。速読しながら全体の内容を把握する力が求められています。

3 エッセイの読解(約530語):小問数7

サッカー選手の背番号に関するエッセイです。文章中で扱われている数字やその不思議な力に対する理解を試す問題がいくつかありました。大問2とは異なり、下線部和訳や整序英作文などの問題形式も含まれています。問5と問6では、不定詞の理解がポイントになっています。さらに問5の和訳問題は、間接疑問文も含まれ、複数単元の正確な理解が必要な難問でした。読解力だけでなく文法力も問われる問題構成は例年通りです。

4 エッセイの読解(約670語):小問数7

人生の選択に関するエッセイです。設問形式に変化はありませんが、問3の記述問題は特筆に値するでしょう。昨年は30字以内の記述でしたが、本年は40字以上50字以内と量が多く、一段と高度な記述力が求められました。また問5の英文和訳は、関係代名詞の省略を含む複雑な文構造の把握が要求される難しい問題でした。

5 和文英訳:小問数3

例年通り、与えられた日本文を英語に書きかえる形式です。基本的な文法事項が問われているので、それらを正確に使うことができるかどうかがポイントでした。

数学

西大和学園高等学校 傾向分析 数学

1 計算分野の小問集合

(1)は整数の計算、(2)は平方根、(3)は文字式、(4)は確率、(5)は文章題でした。いずれも難度は高くないですが、(1)(2)は解法の方針にやや戸惑った受験生がいたかもしれません。値を代入していく方法でも正答を得ることができるので、確実に解き進めたいところです。

2 図形分野の小問集合

(1)は円と正方形、(2)は円の面積、(3)は三角形の面積比、(4)は四角錐の切断に関する問題でした。西大和学園高の受験生であれば、いずれも一度は目にしたことのある問題だったと思われます。時間をかけることなく、完答を目指したい問題でした。

3 二次関数

放物線と直線について、与えられた面積比を利用して解く問題でした。(3)では等積変形、(4)では回転してできる立体の体積と、こちらも高校入試においては頻出の問題でした。前の小問で求めた解答を用いていくので、計算ミスに十分注意しながら素早く解き進めたい問題でした。

4

長方形の1辺を半径、直径とする円について考えていく問題でした。(1)では2015年に引き続き証明が出題されましたが、標準レベルでしたので、素早く簡潔な記述を目指したいところです。(2)以降の設問は、与えられた図が不正確であることに気づけるかどうかがポイントです。また、直角二等辺三角形の発見や、面積比の考え方を利用できたかどうかによって、計算量に差が出たものと思われます。

国語

西大和学園高等学校 傾向分析 国語

1 鷲田清一『教養としての「死」を考える』

現代の社会生活から生と死が見えにくくなっていることについて、身近な具体例を交えながら述べた論説文でした。難度は標準的で、内容把握のしやすい文章でした。漢字の書き取りが5問、空欄補充が3問、記号選択が2問、抜き出しが1問、制限字数60字の記述が2問でした。この記述問題2問で差がついたと考えられます。

2 辻村深月『タマシイム・マシンの永遠』

長男と家族の姿を見て心情を変化させていく主人公の様子を描いた小説文でした。やや長めの文章でしたが、内容は読み取りやすいものでした。知識が3問、記号選択が3問、抜き出しが1問、記述が2問でした。やはりここでもポイントになるのは記述問題で、文章を丁寧に読み取らないと得点しづらいものでした。また、記号選択問題も、まぎらわしい選択肢があり、注意深く取り組まないと大幅に失点する可能性のある大問でした。

3 『俊頼髄脳』

長さ、難度ともに標準的な文章でした。動作の主体を答えるものが3問、記号選択が6問、記述が2問でしたが、文章内容の把握がしっかりとできていれば、正解できる難度でした。また、記号選択も、語句の意味を問うものや傍線部の口語訳を問うものなどで、基本的な古文単語や文法などが身についていれば、高得点を望めるものでした。したがって、この大問での失点は最小限におさえたいところでした。

理科

西大和学園高等学校 傾向分析 理科

1 地質(地学)

地質についての知識や、地層のでき方の順番などを考察していく問題でした。断層についての記述問題もありましたが、典型的な問題が多くなっています。そのため、ここでの失点は極力避けたいところです。

2 遺伝(生物)

(1)~(5)は遺伝についての基礎知識と典型的な計算問題ですが、(6)は文章を読み解きながら計算していく思考力の必要な問題でした。ここでは、(6)の問題で差がついたと思われます。他校の過去の入試問題で同様の問題が出題されたこともあり、一度でも経験した受験生にとっては容易に解ける問題ですが、初見で挑んだ受験生は特に(6)の後半部分で時間がかかってしまったでしょう。

3 化学変化(化学)

主に化学変化の計算問題でした。(4)の問題において、各種の原子の質量比を求めるのに苦労した受験生もいたかと思いますが、その解答を導き出せれば、残りは典型的な計算問題なので得点できたかと思います。また、質量比を覚えている受験生はそれを使ってそのまま計算することもできました。一方で、(4)で質量比が求められなかった受験生は(5)、(6)も解答が出せず、これらの問題で差がついたと考えられます。

4 力学(物理)

力学についての標準・応用問題でした。慣性の法則、力のつり合い、作用・反作用について正確に理解していないと解答が導けない問題でした。また、(8)以降のゴンドラの問題は、計算自体は複雑ではないものの、すべての力のはたらき方を把握して立式していく必要があり、難度が高く、正答率が低かったと思われます。

社会

西大和学園高等学校 傾向分析 社会

1 世界地理

従来の統計資料を判断する問題を中心とした出題から、作題者の意図をくみ取って解答するタイプの出題へと、傾向に変化が見られました。また、オセアニアという受験生の対策が手薄になりがちな地域からの出題であったため、一見して多くの受験生が難しくなったと感じたのではないでしょうか。しかしながら、オセアニア州に位置する国旗を選ぶ問題など、持っている知識を冷静に活用できれば得点できる問題も多くありました。

2 日本地理

日本の地域別特色を題材とした出題でした。北海道の住宅に見られる屋根の形の変化に関する記述問題は、知識よりもその場の発想力を問うものでした。また、米の銘柄に関するものなど、実社会で得た見聞や社会に対する興味・関心が試される出題が多く見られました。

3 日本史

すべての大問の中で最も出題数が多く、基礎的な問題が中心であったため、合格ラインを突破するためには確実に得点しなければならない大問でした。そのためには、「×民政→○民生」など、漢字指定の語句記述などで誤字によるミスを出さないことも重要でした。また、平城京における寺院の位置を答える問題では、修学旅行での体験など、実体験や興味・関心を試す出題がありました。

4 公民

政治・経済の重要事項をリード文とした問題でした。オーソドックス、かつ標準レベルの問題でまとまっていて、四つの大問の中では最も得点しやすかったと言えます。一般常識のレベルで処理できるものもあり、公民が苦手な受験生でも負担に感じることなく正答できる問題だったと言えるでしょう。

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