渋谷教育学園幕張高校 2016年出題傾向リサーチ

前期

英語

渋谷教育学園幕張高等学校 傾向分析 英語

例年通り大問5題とリスニング問題の構成でした。毎年大問4、5が長文読解問題で、説明文と物語文が1題ずつ出され、そのほかの大問は整序英作文、会話文、正誤問題、英作文の中から3題選ばれます。例年、自由英作文が出題されていましたが、昨年と今年は英文補充問題になっています。特に配点が高いと予想される長文問題では内容把握や人物の心情理解に関する設問が多く、深い読解力が求められています。全体としては、記述が多く出題されるため、時間の配分に苦労した受験生もいたものと思われます。

1 正誤問題:小問数6

例年通り、下線部に文法・語法上の誤りのある文を選び、正しく書き直す形式です。go fishingのような基本的な知識もありますが、文法事項を理解し、使いこなせないと正解できない問題もあります。品詞にも注意を向ける必要があります。

2 整序英作文:小問数5

例年通り、長文の一部分を完成させる形式でした。前後のストーリーに沿って並べ替える必要があり、難度の高い問題です。

3 英文補充:小問数2

笑い話として成立するように、自分で考えて英作文する問題でした。今年は字数指定がないことで、さらに難しく感じた受験生もいたのではないでしょうか。英語力だけではなく論理的思考力を試す問題です。

4 説明文の読解(約580語):小問数12

国境上の「壁やフェンス」についての説明文です。問1は多くの受験生にとって見慣れない単語の意味を文脈から類推する問題でした。問2でも文脈を把握する力が求められています。段落ごとの要旨を素早く正確につかむことができたかどうかが鍵となったでしょう。

5 物語文の読解(約500語):小問数6

ストーリーを丁寧に読む必要がある物語文でした。今年は問3で母に対する気持ちを尋ねる設問、問4は30字以内の日本語で説明する設問がありました。和訳するだけでなく、行間を読んで心情をしっかり理解できているかどうかが試される問題でした。

LISTENING COMPREHENSION :小問数7 

Part1とPart2に分かれています。Part1は英文を聞き、その内容に関する設問に対して答えを選ぶ形式です。Part2は父親と娘の会話を聞き、その後に読まれる英文が会話の内容と合っていればT、異なっていればFで答える形式です。例年英文は問題用紙に印刷されていたので、今年の受験生は苦労したと思われます。

数学

渋谷教育学園幕張高等学校 傾向分析 数学

関数、平面図形、空間図形、確率、整数など、幅広い分野から出題されています。例年、解法を残したり、説明を求めたりする出題がありますが、近年では、図形の証明の大部分を記述させる出題が目立つようになりました。また、図が与えられていないことも多く、自分で図を正確に描く力も求められています。整数においては、その場で考え、規則性に気づく必要がある出題が多いので、時間配分に注意しつつ、冷静に対処しましょう。

1 雑小問群

(1)2016に関する整数問題、(2)約束記号、(3)さいころの確率、(4)平面図形が出題されました。渋谷幕張高の受験生であれば、(1)、(3)は確実に得点したい問題です。(4)は図が与えられていない問題でしたが、基本レベルの問題です。(2)②、(3)については差がつきそうな問題でした。

2 数列

一定の数ずつ増加する数列に関する問題でした。規則の読み取り自体は容易で、(1)は基本的な問題です。(2)は明確な根拠を持てなくても、感覚的に正答を導くことはできたかもしれませんが、正答率は高くなかったと思われます。

3 文章題

複数のものの動きについて考える、速さの文章題でした。問題の条件が多く、それらを理解・整理するだけで時間がかかります。また、ダイヤグラムを描くなどして状況を正確に把握し、立式することも容易ではないため、完答できた受験生は少なかったでしょう。

4 円(証明)

円に関する証明問題でした。相似を用いた基本レベルの問題のため、正確で簡潔な記述を目指したいところです。他の大問に時間をかけるため、素早く処理するべき問題でした。

5 空間図形

立方体の辺上の点を結んでできる立体について考える問題でした。いずれの小問も高校受験で頻出なので、しっかりと得点を重ねたい問題です。

国語

渋谷教育学園幕張高等学校 傾向分析 国語

例年、現代文2題と古文1題の3題構成です。昨年は大問3が解説文つきの古文でしたが、今年は古文単独の出題に戻りました。また、小説文の文章量も、一昨年と同程度に戻っていますが、他校の入試問題より長めの文章が出題されているのが特徴です。出題傾向は、記号選択問題と記述問題が中心である例年の形式に変更はありませんでした。文章内容は入試問題でよく扱われるテーマのものが選択されやすく、それぞれのテーマについて事前に学習しておくと有利になります。

1 加藤尚武『二十一世紀のエチカ』

環境と資源の問題に倫理学という観点から取り組む「環境倫理学」についての文章でした。環境問題は頻出のテーマですが、倫理学になじみのない受験生にとっては取り組みにくい文章で、正確に理解するためにはかなりの読解力が求められました。筆者の論理に沿って「環境倫理学」とは何か、を読み取ることが重要です。漢字の書き取り4問、空欄補充3問、記号選択3問、知識1問、2行以内で説明する記述が2問という構成でした。

2 大岡昇平『出征』

作者自身の体験を元にして描かれた戦争小説が出題されました。文章の長さは一昨年と同程度でしたが、戦争に関する専門用語が多く使われ、注釈がついているものの、読みにくさを感じた受験生も多かったのではないでしょうか。これから前線へと派遣されることが決まった主人公の、動揺する気持ちを読み取ることが必要です。漢字の書き取り5問、知識1問、空欄補充1問、字数制限のある記述1問、記号選択3問という構成でした。

3 『今物語』

鎌倉時代の説話集からの文章でした。一昨年までの傾向通り、古文単独での出題に戻りました。基本的な文法事項や単語の意味を問うものも見られましたが、大半は文章の内容に関するもので、意味がしっかりと読み取れていたかどうかが問われました。記号選択5問、知識3問、空欄補充1問という構成でした。

理科

渋谷教育学園幕張高等学校 傾向分析 理科

2013年に物理と地学の融合問題が出されましたが、2014年から3年続けて物理、化学、生物、地学から各1題の4題構成となり、この形式で落ち着いてきた印象です。基本事項を確実に理解していることを前提に、文章読解を中心とした出題で、高度な思考力や分析力が求められます。以前は頻出であった難解なテーマは影をひそめ、受験生が取り組みやすいテーマが設定され、着実な学習が実を結びやすくなりました。その分、得点差が生じたと考えられます。

1 電流(物理)

回路と電圧計に関する応用問題です。普段とは異なる電圧計の使い方をしますが、設問中にヒントがあります。電気の基礎知識と読解力が求められました。基本問題を確実に正解していく必要があります。

2 地質(地学)

地球の構造についての問題です。説明文が非常に長いうえ、まったく知らないことではありませんが、問題として解いた経験はほとんどないテーマだったと思われます。特に記述問題は難しかったことでしょう。一方で、冷静に取り組めば正解にたどり着ける問題も見られました。

3 植物(生物)

光合成と対照実験の考察問題です。記述問題が5問含まれ、その他の設問も思考力を要するものが多かったものの、今年の入試問題の中ではもっとも取り組みやすく、高得点を狙える設定でした。ここは確実に正解しておきたいところです。

4 化学変化、エネルギー(化学)

発電のしくみがテーマでした。化学反応式は解きやすいものでしたが、計算問題は説明文を正しく把握する必要があり、高度な分析力が求められました。時間も限られているため、全問正解は難しかったと思われます。

社会

渋谷教育学園幕張高等学校 傾向分析 社会

選択・正誤判定・用語記述・文章記述など、さまざまな角度から受験生の実力を測る構成です。特に、用語を記述する問題と論述問題の割合があわせて6割程度とほかの難関校と比べて高く、その中には高度な知識・思考力を必要とするものも含まれています。2016年は、これまで出題が続いていた深く分析する力を要求される資料の読み取りが減り、解きやすくなった印象はありますが、全国屈指の難度であることは変わりません。ただし、平均点から見ると、合格に必要な得点は毎年5~6割程度なので、難関校で出される基本から標準レベルの問題を確実に得点することができれば、合格ラインに達することができるでしょう。

1 歴史総合

改新の詔、慶安の御触書、桂・タフト覚書など、古代から近代までの史料の解釈に関する文章をもとに関連知識が問われました。改新の詔の内容に関わる郡評論争や慶安の御触書が天保期に流布した背景の記述、桂・タフト覚書で触れられている国や地域を解答する問題は知識だけでなく、その場で与えられた題材をもとに解答を推測していく、渋谷幕張高ならではの出題でした。また検見法と定免法の違いや東遊運動など、一歩進んだ歴史の知識も問われました。

2 公民総合

日本や世界の社会問題に関する会話文をもとに公民の関連知識が問われました。多数決の原理で大切なことを問う記述では、一般的な解答として知られる「少数意見の尊重」以外を答えなければならず、日頃の学習の幅が試されました。また、日本国憲法で採用されている直接民主制度を記述する問題は、解答欄の大きさから単に用語を書くだけでなく、そこに付随する説明も加える必要があったと思われます。

3 地理総合

近代オリンピック夏季大会の開催都市と開催国の一覧表を題材に地理の関連知識が問われました。近年、大問3は一般常識も含め、幅広い角度から問う難度の高い出題が続いていましたが、今年は他の大問と比べても得点しやすい問題でした。しかし、問題に示されている地図が少なく、頭の中で世界や日本の地図を整理できていなければ解けない問題が多かったため、日頃から地道かつ丁寧な学習ができている受験生と、そうではない受験生とで点差が開いたと推測されます。

後期

英語

渋谷教育学園幕張高等学校 傾向分析 英語

1 正誤問題:小問数6

下線部に文法・語法上の誤りがあるものを選び、正しく書きかえる形式です。基本的な知識の範囲ですが、look interestedのように、文型をしっかり理解していないと正解を得られない問題もありました。

2 整序英作文:小問数5

例年、長文内の一文または一部分を完成させる形式でしたが、今年は対話の中で意味が通るように並べかえる問題でした。前後の内容を考える必要がありますが、例年ほどは難度は高くありませんでした。

3 英文補充:小問数2

空所に6語以上の英語を補ってパラグラフ全体を完成させる問題です。文脈に即した内容を表現する力が問われています。

4 説明文の読解(約420語):小問数11

「迷信」についての説明文です。英文自体は、読みやすかったと思われます。すべて記号選択問題でした。設問はすべて内容に関するものなので、文脈を丁寧に読み取る必要があります。

5 物語文の読解(約660語):小問数7

墓地の管理人と老婦人の物語文です。すべて心情把握が必要な設問でした。日本語による記述問題が2問でました。特に問2は、liveの意味を類推させるもので難問でした。

LISTENING COMPREHENSION :小問数8

Part1は英文を聞いて、その内容に関する質問に対する答えを選ぶ形式です。Part2、3は英文を聞いて、設問の英文が本文の内容と合っていればT、異なっていればFで答える形式です。

数学

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1 雑小問群

(1)因数分解・式の値、(2)二次方程式、(3)確率、(4)資料の整理という構成でした。どの小問も計算量が多く手間がかかり、中でも資料の整理の問題は場合分けが必要で、正解を得るのに時間を要したと思われます。

2 二次関数

図が与えられていない二次関数の問題でした。放物線と直線の関係や三角形の外心の性質を理解していれば解ける問題ですが、与えられた点の位置関係を正確に把握しにくく、戸惑った受験生も多かったように思われます。

3 文章題

食塩水の入れ替えに関する文章題でした。(1)は高校入試問題ではよく見かける問題でした。指定された文字をすべて用いなくても正解できるので、戸惑った受験生もいたと思います。また、(2)は(1)と同じテーマの問題でしたが、出題の仕方が工夫されていたので、正解できた受験生は多くはなかったでしょう。

4 平面図形

正三角形と直角二等辺三角形が合わさった図形に関する問題でした。特別角に注意して三角定規形の直角三角形を上手く利用できれば解くことができますので、最後の設問まで得点したい問題でした。

5 空間図形

正四角錐に球が内接している問題でした。(1)(2)は確実に得点したい問題でしたが、(3)は球の中心と平面との距離が求めづらく、正答できた受験生は少なかったでしょう。

国語

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1 佐倉統『現代思想としての環境問題』

地球環境問題のとらえ方を、近代的な自我の確立と関連づけて論じた文章でした。高校受験において頻出テーマである「自然観」についての知識があれば、主張を理解しやすかったと思います。設問は、記号選択、抜き出し、記述、文学史、漢字の読み書きとバランスよく出題されていました。80字以内で答える記述は、傍線部周辺を精読することで、過不足のない解答を導けます。また、傍線部に指示語を含む問いが多いので、指示内容を意識した丁寧な読解が必要でした。難度は標準的で、論の構成を正確に把握できたかどうかがポイントです。

2 片岡義男『目覚まし時計の電池』

二十代で画家を目指す主人公の心の動きに焦点を当てた小説でした。会話を中心として物語が展開するため、昨年に比べると読みやすい文章でした。設問は記号選択が中心です。登場人物の心情の変化や行動の理由、発言の意図が問われました。直接的に説明されていない内容は、傍線部周辺で描写された出来事や行動を手がかりに、丁寧かつ客観的に読み取る必要がありました。70字以内で答える記述は、主人公の心情が変化した理由を問うものです。出来事と心情の両方をふまえて解答を作成したいところです。

3 『発心集』

鎌倉時代に書かれた説話集からの出題です。出典をヒントにして、仏教に関する内容であることが推測できれば、理解しやすい文章でした。設問は例年通り、古語や古典常識といった知識に関するものがありました。古文知識の習得を前提とした出題ではありますが、知識を機械的にあてはめるだけでは対処できません。たとえば古語は、複数の意味を持つものをどう解釈するかがポイントです。文脈から判断して解答する必要があるため、知識力と思考力、そして簡潔に説明する表現力など総合的な国語力を試される出題だと言えます。

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