灘高校 2016年出題傾向リサーチ

英語

灘高等学校 傾向分析 英語

変化のあった昨年と同じく、大問8題構成でした。灘高の英語は、大問ごとに求められる力がはっきりと分かれていて、読解力・記述力・知識がまんべんなく問われます。例年、長文読解は3、4題で、文脈理解、内容説明、英文解釈、空所補充などが出題されます。他の学校では見られない難度の高い長文の出題が最大の特徴です。知識の問題は、共通語、書きかえ、正誤が多く出題され、基本的な知識から応用力まで幅広く問われます。記述問題は、日本語の記述が7~9問、英語の記述が3~5問毎年のように出されています。

1 物語文の読解(約540語):小問数8

故事成語の「塞翁が馬」をもとにしたと思われる物語文でした。随所に難しい表現を含みますが、文脈を理解することは難しくなく、しっかりと正解を出したい大問でした。問6は、文法学習のみでは習得できない内容で、難問でした。

2 正誤問題:小問数5

文に含まれる文法的な誤りを改める問題でした。基本的な文法事項が中心ですが、倒置の文を扱った1.はやや難問でした。

3 説明文の読解(約350語):小問数5

レンブラントの絵画「夜警」に関する説明文で、すべて記述問題でした。問1,4は15字もしくは20字以内という字数制限があり、まとめるのに苦労した受験生も多かったと予想されます。

4 物語文の読解(約350語):小問数6

自分と同じ境遇の犬と出会い、その犬を買い求める少年の物語でした。設問は、語形変化を含む適語選択と並べかえ英作文で、ほぼ文法問題と捉えてもいい出題でした。素早く解くことができたかがポイントでした。

5 適語補充:小問数3

空所に適切な2、3語を補充し、対話文を完成させる問題でした。1.は、試験後にミスに気づいた生徒も多かったと推測される秀逸な問題でした。

6 エッセイの読解(約445語):小問数5

感情のコントロールの仕方を独自の視点でつづったエッセイでした。聞き慣れない話題であるうえに抽象的な内容のため、どの設問も難問でしたが、特に問4は正答率が低かったはずです。

7 和文英訳:小問数3

例年の灘高の和文英訳に比べ、取り組みやすい内容でした。全問正解を狙いたい大問です。

8 自由英作文:小問数1

「余暇は、友達と過ごしたいか、一人で過ごしたいか」というテーマでした。昨年と同じく、字数制限はなく、「できるだけ詳細に」という指示がありました。

数学

灘高等学校 傾向分析 数学

大問6題、小問20問程度で、平面図形、空間図形、場合の数・確率、二次関数からの出題が近年では目立ちます。どの問題も難度は高く、全体にわたって高いレベルの数学力が求められます。また、大きな特徴として、難しい証明問題が挙げられます。平面図形での証明が多く、その対策は不可欠です。また、入試問題の最初に「途中の式や文章も記入すること」というただし書きがあるため、大問1の小問集合や他の大問での序盤の小問を除き、解法まですべてを記述することが求められています。2016年は昨年よりも小問数が減り、複雑な計算や解答処理に時間のかかるものも多くはなかったので、平均点が上がりました。

1 小問集合

(1)は式の値、(2)は二次方程式、(3)は記号を導入した整数問題、(4)は線分比と面積比の活用でした。(1)(2)(4)はともに最適な解き方を考えないと正解することは難しかったでしょう。

2 確率

1~9の数が3×3のマスに書かれている状態について考えていく問題でした。例年に比べると取り組みやすい問題ではありますが、それでも標準レベルを超えた難度です。(2)までは正解しておきたいところです。

3 整数

(2)で4桁の数を2桁ずつに区切って入れ換えた数について考察する問題でした。(1)の式変形をヒントにして、(2)で複数解答を探していくことになります。漏れなく見つけきれるかどうかがポイントでしょう。

4 二次関数

関数を絡めた図形の計量についての問題でした。考え方で手が止まるということはありません。昨年ほど計算も煩雑ではなかったので、完答を目指したい問題でした。

5 空間図形

立方体の中にある四面体について考えていく問題でした。(1)は空間の位置関係の把握ができているかどうかが問われています。この問題で求めたものを活用して(2)の求積をしますが、(2)は(1)の結論を活用して比較的容易に求めることができるので、(1)は時間をかけてでも正解したい問題です。

6 円と二等辺三角形(証明)

小問3つとも証明です。示したものを次の小問に活用していく形になっています。例年の証明の難度と比べると若干取り組みやすい問題ですが、3問とも完答するのは容易ではないと思われます。(2)までは得点しておきたいところです。

国語

灘高等学校 傾向分析 国語

構成は例年、論説文(説明的文章)、小説文または随筆文、古文の3題です。今年も論説文、随筆文、古文の出題でしたので、この傾向は今後も続いていくと思われます。文章は難解ではありませんが、さまざまなテーマのものが選ばれる傾向にあり、きちんと対応するためには、しっかりとした読解力が必要です。設問の中心は、字数制限のない記述です。昨年まではほかにも、抜き出し、記号選択、空欄補充などバランスよく出されていましたが、今年は記述の割合が大きくなっています。古文については、他校に比べるとやや長めの文章で、設問は現代文同様に、内容の理解に基づいた記述が中心です。

1 武村政春の文章

デジタルメディアの功罪について述べた論説文でした。文章の長さは例年とほぼ同じで、読みにくさもありません。漢字の書き取りと抜き出し、空欄補充以外の4問はすべて字数制限のない記述が出されています。漢字の書き取りは、受験生にとって特に難しいレベルではありませんでしたが、同音異義語に注意すべきものが2問含まれていました。文の前後の流れから意味を推測することが必要です。記述については、昨年に引き続き、傍線部の理由を答えるもの、表現を解釈するものなど、それぞれの出題意図に即した対応が必要なものが出されていました。何を問われているのかをしっかりと把握し、含めるべき要素をすべて盛り込んで解答を作る力が問われました。

2 三宮麻由子『そっと耳を澄ませば』

筆者の、「音」についての経験を述べた随筆文でした。全体的に読みづらい部分はありませんでしたが、随筆文特有の、筆者独自の表現が使われている箇所がいくつかあり、その意味を理解する必要がありました。記述式の空欄補充1問以外の6問はすべて、字数制限のない記述が出されていました。問われている内容は、傍線部の内容説明や理由説明、表現の解釈など、さまざまです。特に表現の解釈の問題については、文中の言葉の書き写しだけでは対応できないものもあり、自分の言葉で解答をまとめる必要がありました。そうした問題をいかに素早く処理できたかどうかが、大きな点差につながったと考えられます。

3 『十訓抄』

鎌倉時代の説話集からの出題でした。例年通り、他校に比べて文章量は多かったものの、読みにくさを感じる部分はありませんでした。単語や文法をふまえて現代語訳をするものも含め、すべてが記述の問題でしたので、この大問に時間がかかってしまった受験生もいたのではないでしょうか。設問の大半が文章内容の把握に関するものでしたので、正確に、かつ素早く文章の意味を理解することが求められました。

理科

灘高等学校 傾向分析 理科

大問数は、物理、化学、生物から2題ずつと地学から0~1題の合計6~7題で安定しています。2014年以前と比較して、2015年以降は計算問題の数がやや少なくなっています。問題の難度は高く、知識力、分析力、思考力のいずれにおいても、全国的に最高水準が要求されます。過去に出題されたテーマが再び取り上げられる場合もありますが、全体としては初めて見るものの割合が大きいです。幅広い知識を吸収するとともに、暗記に頼らない本質的な問題解決能力を磨くことが求められます。

1 進化、動物、植物(生物)

各地質時代に起こったできごとについて答える問題、古生代の生物と現在の生物を比較して考察する問題、植物の進化と繁栄に関する問題で、幅広い知識が必要です。特に、問1、問2は、やや細かな知識が必要だったため、学習量で差がついたでしょう。

2 電流(物理)

高校で学習する物理でよく見られる電気回路の題材で、誘導にしたがって解いていく問題でした。書かれている内容を落ち着いて処理していけば、一つ一つの問題は難しくありませんでした。関西の難関校ではよく出題される形の電気回路なので、解法を理解している受験生は有利だったでしょう。

3 天気(地学)

日本付近の大気の動きに関するやや細かな知識の問題と、前線に関する基礎知識の問題でした。短時間で解答を終えたい大問です。

4 力(物理)

水圧や浮力について、理解の深さを試される問題でした。典型的な問題も含まれていますが、その他の問題では状況を一つずつ理解し、整理する力が求められました。

5 気体(化学)

灘高でよく見られる気体の計算問題でした。十分に対策をした受験生ならば、対応しやすかったでしょう。2016年の入試問題の中では計算量が多かったですが、ミスは最小限にとどめたい問題です。

6 食物連鎖(生物)

生態系の中を移動する物質の質量を計算する問題で、灘高では頻出です。数値は大きいものの、計算量は少ないので、ここは全問正解を狙えるでしょう。

7 電気分解(化学)

電気分解について、やや細かな内容に踏み込んだ問題です。同様のテーマは、過去に洛南高などで類題がありました。問題演習による経験の差が、得点差につながりやすいと言えるでしょう。

ページトップへ