開成高校 2016年出題傾向リサーチ

英語

開成高等学校 傾向分析 英語

大問数は昨年の7題から6題に減りましたが、小問数は52問から59問へ増加しました。大問1、2では難問が多かった反面、全体的に標準レベルの問題が多く、平均点は昨年を上回りました。大問2では昨年の「てこの原理」に続き、「メンデルの法則」に関する理科系の長文が出題されました。遺伝に関する説明を、柔軟かつ正確に英語で理解する力が求められています。昨年に引き続き大問3では英単語の定義が問われ「英語を英語で理解する」という開成高の出題意図が感じられます。

1 物語文の読解(約990語):小問数20

定年退職直後の男性が弱った子猫の世話を通して自身の幸せとやさしさを取り戻していく話です。1000語近くの長文と20問という小問数だったため効率よく解く力が求められました。

2 エッセイの読解(約920語):小問数14

メンデルが遺伝に興味を持った理由と行った実験内容について書かれた自伝的な文章です。開成高が近年出題している理科系に関する内容で、論理的に読む力が求められています。問8ではメンデルの実験結果を理解できたかを問う要約問題が出されました。問6で語数指定の和文英訳が出されていることも特筆すべき点としてあげられます。今年の開成高の理科の問題でもメンデルの法則に関する問題が出されました。

3 適語補充(約140語):小問数5

テーブルマナーに関する適語補充問題です。昨年に引き続き英単語の定義に関する出題でした。どれも身近な単語ですが、スペリングを正確に書くことができるかがポイントでした。④の単語は日本語のイメージと異なるため難問だったと思われます。

4 適語補充:小問数5

日本文にあわせて英文内の空所に適語を埋める問題です。(1)~(4)は日本語と英語の表現の違いを問う難度の高い熟語力が求められており、受験生の盲点をつくような問題でした。

5 同意文完成:小問数5

会話文でよく使われる表現が出題されていました。その多くは標準レベルの問題でしたが、(5)については熟語のレベルが高く、注意が必要です。

6 リスニング:小問数10

今年はパートが一つ増え、四つのパートから構成されていました。Part AからPart Cまではそれぞれ3問あり、Part Dは1問のみでした。どれも四つの選択肢から一つを選ぶ形式です。Part Dは少年2人の会話を聞き、その内容を推測する問題です。

数学

開成高等学校 傾向分析 数学

大問4題で構成されることが多く、基本的にはすべての問題について解法を書く必要があります。近年では球や正多角形を含む空間図形、円が多く出題されており、2016年では大問3が直線図形と円の融合問題、大問4が空間把握の問題でした。また、大問1は完全に独立した問題のときもあれば、一般的な入試問題に見られるような計算問題や図形の小問集合のときもあります。どのような形式になってもあわてずに試験に取り組めるような準備が必要です。また、近年は証明の出題も目立っているので注意しておきましょう。

1 小問集合

4年続けて小問集合での出題です。(1)平方根の計算、(2)因数分解、(3)連立方程式、(4)数量範囲の計算、(5)正六角柱の面の塗り分け、(6)空間内で平面と直線が垂直であることの穴埋め形式の証明の6問でした。大問2、3は取り組み易い問題であり、大問4は見慣れない問題であったため、大問1でどの程度正解できたかが合否を分けたと思われます。(2)~(5)は受験生がミスしやすそうな問題でした。

2 二次関数

座標がやや複雑ですが、問われているものは基本的な内容です。いずれの小問も開成高の受験生であれば完答を目指すべき問題でした。

3 正方形と四分円

(1)~(3)までは基本的な問題なので、確実に正解しておきたいところです。(4)は解き方の方針によって、正答までの計算量や要する時間が変わってきたと思われます。ここは問題の流れから、最適な解法で処理したいところです。

4 平面と直線の関係に関する論証

直線と平面に関して、いくつかの基本的な性質が成り立つことを確認しながら、最終的には空間上での幾何的性質の証明まで導くという過程を考察する問題でした。問題文は65行もあり、その途中部分に空欄があったり、理由を答えさせたりする問題が散りばめられています。かなり難度が高く、時間もかかりそうに見えますが、序盤の穴埋めは比較的解きやすいので、そこだけでも取り組んでおきたいところです。

国語

開成高等学校 傾向分析 国語

昨年は、韻文を含む現代文、漢文を含む現代文、古文という構成でしたが、今年は、論説文、小説文、古文という一昨年までの構成に戻りました。過去の入試問題を解いてきた受験生は落ち着いて取り組むことができたと考えられます。しかし、だからこそ実力の差が出た問題だったとも言えます。平均点は昨年と同程度で、今年も文章の主題を適切に読み取る高度な読解力と、必要な内容を的確にまとめる高度な記述力の両方が要求されていました。

1 直江清隆・越智貢『災害に向きあう』

東日本大震災やその被害の違いから、人間一人ひとりの違いについて論じた文章でした。この文章ならではの独特な使い方をされている言葉がいくつかあり、文章内容の方向性を意識しながら読まないと言葉の意味が理解できなくなるおそれがありました。漢字の書き取りが4問、記述が3問ありましたが、記述問題では具体的な内容について述べられている部分を文中からピックアップして書いたうえで、それらを抽象化してまとめる力が求められました。この傾向はこれまでの開成高の入試問題と同様なので、しっかりと準備をしてきた受験生は高得点を狙える大問だったと言えるでしょう。

2 松田青子『ヴィクトリアの秘密』

高校卒業を間近に控えた外国人の少女が主人公の小説文でした。アメリカと思しき外国が舞台で、アメリカ風の若者文化、話し言葉のような文体、注釈のつけられた表現やカタカナ語の多さに、読みづらさを感じた受験生がいたかもしれません。しかし、文章の難度が高いわけではないので、落ち着いて読んでいけば文章に通底するテーマをつかむことができました。記述が2問出されていて、どちらも登場人物の心情に関するものでしたが、ここで求められたのは、登場人物の言動を抽象化してまとめる力でした。この大問で差がついたと言えるでしょう。

3 『仮名草子集』

江戸時代の笑い話からの出題でした。文中に出てくる短歌の内容についての記述が1問あり、この問題が得点差を生んだと考えられます。それ以外には、歴史的仮名遣いを現代仮名遣いに直す問題や、傍線部の表現の意味を問う記号選択が出題されましたが、いずれも開成高の受験生は失点してはいけないレベルのものでした。

理科

開成高等学校 傾向分析 理科

開成高の理科は、物理、化学、生物、地学から1題ずつ、合計4題が毎年異なる順番で出題されます。地学や生物については、以前は知識力を必要とする問題が多く出されましたが、近年、分析力・思考力を必要とする問題が増加傾向にあります。一方で、化学では基礎・標準レベルの典型的な問題、物理では標準・応用レベルの問題が出される傾向は変わりません。理科の合格者平均と受験者平均の差は例年4点前後となっていて、合格者平均を超えるには知識だけでなく、十分な演習量が必要です。

1 化学変化(化学)

銅の酸化および酸化銅の還元についての問題です。記述が3問ありましたが、問6以外は典型的な問題です。問6については、学芸大附高の過去の入試問題で出されているため、解いたことのある受験生は解きやすかったでしょう。全体として、さほど難しくはなかったので、この大問はすべて正解したいところです。

2 天体(地学)

特殊なレンズを使用して撮影した太陽の動きの写真を見て、分析・考察していく問題です。南半球で観測していることを正しく理解しないと連続して間違えてしまう可能性があり、注意が必要でした。また、問5は時事を絡めた問題でしたが、文章にヒントがあったので得点しやすかったでしょう。全体的には得点差がつきやすい大問と考えられます。

3 光(物理)

前半は凸レンズを中心とした光の問題で、後半はレンズを使用してものを見る仕組みに関する問題でした。前半は典型的な問題ですが、見る方向などを正確に把握する必要がありました。後半の問5では、正確な作図ができないと解答を出せなかったので、完答するのは難しかったでしょう。一方、複雑な計算は見られませんでした。近年の問題に比べて解きやすかったと言えるでしょう。

4 遺伝(生物)

メンデルの法則について、前半は典型的な基礎問題、後半は文章を読んで分析していく問題でした。後半は難しい内容ではありませんでしたが、正確に理解しなくてはならず、時間をかけてじっくり考える必要がある問題でした。

社会

開成高等学校 傾向分析 社会

基礎・標準レベルの設問を中心とした出題が続いており、ほかの私立難関校に比べて基本知識の定着を重視する傾向が見受けられます。ただし出題範囲は時事も含めて幅広く、受験生のミスを誘うタイプの設問も目立つため、豊富な学習量に裏づけられた確実な得点力が受験生には求められています。また、一つの大問の中で地理・歴史・公民を総合的に出題する従来の傾向に加えて、今年は英語や国語(古文)といった他科目の知識を活用して解くものも見られました。机上で学習した「社会科」の内容をもとに、広い視点で現代の「社会」を捉える力を身につけていくことが必要です。

1 歴史総合(馬・砂糖から見るグローバル化)

馬や砂糖の伝播に注目したグローバル化の歴史についての文章をもとに、中世から近現代にかけての歴史が出題されました。教科書に記載されているレベルの問題が中心でしたが、武士の生活や絵巻物の作品名について答えさせるなど、資料を用いて多角的な学習を行っているかどうかを試す問題もありました。なおこの大問では歴史分野の語句記述問題に漢字指定がなく、これに気づいた受験生は難解な漢字をひらがなで解答して確実な得点を狙うという柔軟な対処もできたでしょう。

2 地理・歴史総合問題(鉄道交通の発達)

近現代における鉄道の発達を題材とした地理・歴史の総合問題でした。世界地理は、昨年と同様に資料統計を用いたスタンダードな出題が中心でした。また、以前はほとんど出されなかった日本地理の問題(地形図・統計問題など)は、ここ最近、数年に一度の傾向が定着しつつあります。1920年代以降アメリカで鉄道輸送が衰退した理由を答える問題は、開成高では珍しく字数や語句を指定するもので、歴史知識の応用力とともに、適切な長さで文章を完成させる記述力も求められました。

3 政治・経済総合(安倍内閣)

昨年に引き続き、安倍内閣の政策をテーマとした時事を含む政治・経済の総合問題でした。日本の安全保障、社会保障と財政の問題、一票の格差に関する問題など、年間を通じてニュースを見ていれば自然と答えられるものが大半でした。NBCweapon(大量破壊兵器)の「C」が示す単語を答える問題は、開成高の英語で求められる語彙力を持つ受験生なら十分解答できるものでした。また、需要・供給曲線に関する設問は、文中の条件をしっかりと読まないと失点してしまう問題でした。

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