東京学芸大学附属高校 2016年出題傾向リサーチ

英語

東京学芸大学附属高等学校 傾向分析 英語

リスニング、説明文、物語文、対話文が1題ずつという問題構成や、マークシートと記述問題が組み合わされるという解答形式は近年変わりません。内容把握に関する出題が大半を占めるという特徴も継続しています。必要な要素を含めたうえで簡潔に説明する和文記述、与えられた英単語の運用能力を試す英文記述が毎年出題されています。また、四つの大問に取り組むためのスピードが必要ですが、問題数は30問前後と少ないため、慎重に答えることも求められます。特に今年は、小問数は増加したものの、長文の総語数は昨年より200語程度減ったため、より丁寧な読み取りが求められました。

1 リスニング問題:小問数4

放送文の内容に適するものを四つの選択肢から選ぶ形式です。本文と質問は交互に2回ずつ読まれます。試験開始後1分程でリスニングが始まるため、選択肢に目を通す時間はほとんどありません。2013年以降、空欄補充から選択へと解答形式が変わっています。難関私立校と比べると、聞き取り易い速度で内容も複雑ではありません。

2 説明文の読解(約495語):小問数13

キウイに関する説明文です。「身近なもの」に関する話題である点は昨年と同様です。問1の和文記述は、3年連続でthisが表す内容を説明する問題が出されました。問5の適語補充に関しても例年出題されます。受験生にとっては取り組みづらい問題ですが、今年は根拠となる箇所が同じ段落内にあったので、解きやすかったと言えます。

3 物語文の読解(約730語):小問数10

自分とよく似た外見の人物に依頼され、代役を務めた女性の話です。依頼主と主人公との区別をつけるため、代名詞に注意し丁寧に読み進めることが求められました。また、たくさんあるセリフに関しても、誰の言葉なのか読み違えないよう状況を思い浮かべて読む必要がありました。問2の単語を並べ替えて完成させる英作文では、関係代名詞と不定詞の正確な理解が求められました。問3の和文記述は、直訳ではなく、ポイントを取り入れたうえで自身の言葉で簡潔にまとめ直すことが必要でした。

4 対話文の読解(約370語):小問数9

“リサイクル”という語を軸に展開する対話文です。不定詞の省略部分や代動詞が表す内容の把握が必要となる問題が出され、細かい点まで理解することが求められました。問3では、与えられた単語を順に用いて文脈に沿う形で表すという条件つきの英文記述が例年同様出題されました。また、as forやat the same timeなど対話文でよく見られる表現も問われました。

数学

東京学芸大学附属高等学校 傾向分析 数学

大問は5題、小問数は16~17問となっており、円、平面図形、関数、空間図形などの内容が頻繁に出題されています。また、関数や図形の大問において「点や図形を移動させる問題」や「設問ごとに状況が変化する問題」の出題頻度が高いことが特徴で、状況の正確な把握と、緻密な処理が要求されています。2013年以降は解法を記述させる問題や証明の出題が続いていましたが、2016年はありませんでした。

1 小問集合

(1)は式の値、(2)は連立方程式、(3)は確率、(4)は資料の整理の4問でした。いずれも基本レベルですので、確実に得点したいところです。

2 一次関数

3本の直線によって囲まれる三角形の面積について考える問題でした。設問ごとに与えられる条件は異なりますが、いずれの小問も解答までの流れは同様です。手早く処理し、完答したい問題でした。

3 二次関数

放物線上の点などを結んでできる、直線や三角形について考えていく問題でした。こちらも設問ごとに設定が異なる問題のため、自分で図を描いて状況を把握する必要があります。いずれも高校入試においてはよく見られる問題でしたので、入試に向けた準備によって、差がついた問題と思われます。

4 平面図形

長方形の紙を折り返した図形について考える問題でした。問題で与えられた条件から、直角二等辺三角形ができることに気づければ、(2)の面積についてもそれほど煩雑な計算にはならないでしょう。(3)は角度を求める問題でしたが、明確な根拠を持って解答できた受験生は多くないかもしれません。

5

長方形と円によってできる図形について考える問題でした。まずは与えられた条件より、三角定規形の三角形を見つけることが重要です。(2)は与えられた線分比の活用に悩んだ受験生も少なくなかったでしょう。正答率は低いと思われます。

国語

東京学芸大学附属高等学校 傾向分析 国語

今年は、論説文、小説文、漢文の書き下し文という3題構成でした。漢文の書き下し文の代わりに、古文が出題される年もありますが、例年、3題構成での出題が続いています。問題は例年と同様、記号選択、抜き出し、漢字の書き取りでした。極端に難解な文章は出ませんが、選択肢が長くまぎらわしいことが多いので、スピードを落とさずに丁寧な読解をする確実性が求められます。ここ数年と同様に高得点勝負になったと考えられますので、不用意な失点をいかに防げたかがポイントだったと言えます。

1 山崎正和『混沌からの表現』

芸術や演劇について論じた文章でした。文章の難度はそれほど高くなく、丁寧に論理を追っていけば、論旨を把握できました。5問あった漢字の書き取りは標準的な難度で、失点できないものばかりでした。その一方で、記号選択では、選択肢を慎重に検討しなければ正解できないものもいくつかあり、受験生は苦労したかもしれません。また、抜き出しが1問ありましたが、傍線部の意味の把握が難しく、この問題で差がついたと考えられます。なお、例年出されている空欄補充問題は、空欄部に入る適切な接続語の組み合わせを選ぶものでした。

2 河野多惠子『考えられないこと』

終戦後数年間における兄の思い出を回想風に描く形式の小説文でした。難しい言い回しもなく、全体的に見れば読みやすい文章でしたが、ところどころに文と文のつながりが明確でない箇所があり、読みやすさにつられてなんとなく読んでしまうと、大切な情報を見落としてしまう可能性がありました。抜き出しが1問あった以外は記号選択で、判断に迷うものがいくつかありました。3題の大問の中では、最も得点差がつきやすい大問だったと言えるでしょう。例年通り、語句の意味や文法の知識も問われていますが、今年は表現の特色についての問題は出ませんでした。

3 『捜神記』

漢文の書き下し文からの出題で、返り点を書かせる記述が1問出ましたが、それ以外は記号選択でした。返り点を書かせる問題は、他校ではあまり見られませんが、必要な知識は基本的なものなので、確実に正解したい問題です。文章は説話的な内容で、古文や漢文の学習を十分重ねてきた受験生は、文章内容を理解しやすかったでしょう。問題の難度も標準的でしたので、この大問での失点は避けたいところです。

理科

東京学芸大学附属高等学校 傾向分析 理科

近年、傾向は安定しており、難度に大きな変化はありません。知識の定着やしくみの理解が不十分な状態では正解できないよう、一つ一つの選択肢が練られており、学習量が得点に反映されやすい内容となっています。そのため、どの単元についても知識を正確に定着させ、基本的なしくみの理解を十分に深めたうえで、基礎~標準レベルの問題を数多く演習しましょう。また、表を読み取る問題や物理の発展的な問題など、その場で対応しなければならない問題もありますので、時間配分に気をつけながら解き進めましょう。

1 イオン(化学)

主にイオンに関するしくみの理解を問う内容です。一つ一つの選択肢が練られているため、十分に理解していないと、正答を選ぶことが難しい問題です。

2 天体、地質(地学)

天体に関するしくみの理解に加えて、文章や図の内容から考察する力を必要とする問題です。難度はそれほど高くはありませんが、天体をきちんと学習してきたかどうかを試す問題となっています。

3 運動とエネルギー(物理)

運動とエネルギーの基本的なしくみの理解と、表を読み取る力が問われています。(3)は、力のはたらき方に関する理解があいまいな状態では間違えやすい問題です。

4 生殖(生物)

細胞分裂に関する基礎~標準レベルの知識と、表を読み取り考察する力が問われています。知識問題は選択肢がよく練られているため、正確な知識に加えて、注意深さが求められます。

5 物質の特徴(化学)

密度に関する基礎問題です。(4)のプラスチックのやや発展的な知識問題を除いて、すべて正解したい大問です。

6 天気(地学)

天気に関する基礎問題です。典型問題ですので、すべて正解したいところです。

7 食物連鎖(生物)

食物連鎖に関する基礎問題です。大問6と同様、典型問題が中心ですので、すべて正解したい大問です。

8 化学変化(化学)

化学変化に関する基礎問題であり、典型問題が中心です。(3)のグラフの作成においては、表や条件をしっかりと読み取る必要があります。

9 光(物理)

光に関するやや発展的な問題であり、2016年入試では最も難度が高い大問です。特に(1)は作図して考える力が問われていて、戸惑った受験生も多かったと思われます。

社会

東京学芸大学附属高等学校 傾向分析 社会

統計・グラフ・地図・写真・歴史文献といったさまざまな資料が数多く題材とされることから、例年問題冊子が30ページを超える厚さとなります。あらゆる範囲からの出題に対応できるムラのない正確な知識に加え、多様な出題形式に対応するための経験や分析力が必要となるなど、高いレベルで総合的に受験生の実力をはかる問題となっています。また、基礎・標準レベルの問題を素早く解き、じっくりと読み込む必要がある統計や歴史文献を題材とした問題に時間を残しておくなど、時間の配分にも気をつける必要があります。

1 政治

選挙権に関する会話文を題材とした問題でした。参議院の定数が変更になった背景に関する問題は、出題者の意図を資料から探し出さなければならず、思考力を必要とするものでした。

2 経済

税率の推移に関する問題は資料が細かく、その意味を理解しづらいものであったため時間配分に注意が必要でした。また、教科書には記載がなく、日頃から新聞やニュースに目を通していないと、解答が難しいものもありました。

3 世界地理

グラフや地図などさまざまな資料が題材とされました。ユネスコによって無形文化遺産に登録されている食文化に関する問題は、食文化の説明文と地図上の国を組み合わせていくもので、世界に対する興味や関心を問う学芸大附高ならではの出題でした。

4 日本地理

東海地方に関連するさまざまな資料が題材とされました。人口規模・主な製造品・鉄道の乗車人数・乗用車の保有台数・主な農作物など各県の特徴を理解できているかどうかが問われました。

5 世界史

移民の歴史が題材とされました。正誤判定問題を確実に得点していくためには、十分な知識量と演習量が必要であったと言えます。また、記述問題は論点が判断しにくく、例年以上に思考力、記述力を必要とするものでした。

6 日本史

足軽の出現に関する史料や図版などが題材とされました。史料が示す歴史上の出来事やその前後における歴史の流れを正確に判断する力が求められました。

「SAPIX高校受験情報室」― 学芸大附属高校 関連コンテンツ

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