筑波大学附属駒場高校 2016年出題傾向リサーチ

英語

筑波大学附属駒場高等学校 2016年出題傾向リサーチ 傾向分析 英語

例年同様大問1がリスニング問題、大問2、3が長文読解、大問4が自由英作文という構成でしたが、昨年の問題に比べて全体のレベルが大幅に上がりました。筑駒高では、登場人物の嘘や勘違いを含む複雑な物語が多く出され、登場人物の行動や発言の真意を見抜く必要のある問題やうまくまとめるのが難しい記述の問題が出されます。今年は特にその傾向が強く、各設問にかなりの時間がかかり解き終わらなかった受験生も多かったと予測されます。例年出題されるリスニングの書き取りや自由英作文で確実に得点できたかどうかで差がついたでしょう。

1 リスニング問題:小問数7

問1は例年通り短文の書き取りが2問でしたが、問2は物語文に関する英語の質問に日本語で答える問題が4問から3問に減り、選択肢から選ぶ問題が1問から2問に増えました。2011年以降、問2は放送が1回のみですので、注意が必要です。

2 物語文の読解(約960語):小問数7

旧友を殺害された男がトリックを見破り犯人を言い当てる物語文でした。筑駒高の真骨頂とも言えるような、嘘の絡んだ複雑な内容であることや約960語という語数から考えても、例年以上にこの大問には時間がかかったと予測されます。設問も、いわゆる基本問題は1問もなく、それぞれの設問で文章の深い理解が求められるため、受験生はかなり苦労したことでしょう。問1~3を確実に正解できたかどうか、問4以降の記述問題である程度的を射た解答を書けたかどうかがポイントになったでしょう。

3 物語文の読解(約755語):小問数6

若い画家が仲間の功名心に翻弄されながらも成長し、画家として成功を収めるまでを描いた物語文でした。例年に比べ、語数が多く、大問2と同様に裏のある内容であったため、苦労した受験生は多かったでしょう。大問2に時間がかかりすぎ、大問3にはあまり時間をかけられなかったという受験生もいたと思われます。問5の並べ替えで確実に正解し、その他の記述問題で必要な要素を踏まえた解答を書けたかどうかで差がついたと予測されます。

4 自由英作文:小問数1

半年前まで留学に来ていた友達の住むカナダに旅行することになったという設定で、3つの要素を入れ、50~60語程度で英文を作る問題でした。3つの要素が内容的にはそれほどつながっておらず、つなぎ方に苦労した受験生もいたかもしれません。ただ、大問2、3のレベルを考えれば、ここでは確実に得点をしておきたいところです。

数学

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近年では、二次関数、整数や規則性に関する問題、平面図形、円、空間図形の出題が続いています。大問1では1997年以降、2004年を除き関数が出題されており、特に二次関数の出題頻度が高いです。図形は動点に関するものや、図形に動きを与えたもの(回転、重なる面積、軌跡、特定の状況となるときなど)の出題頻度が高いことが特徴です。また、複数解答や、その場で調べたり考えたりする必要がある出題なども筑駒高の特徴です。昨年はこのような出題がありませんでしたが、2016年は再び出題されています。ただ、問題全体としては2015年と同程度の難度です。

1 二次関数

例年通り二次関数が出題されましたが、近年の筑駒高の中ではかなり解きやすいものでした。確実に完答しておくべき問題です。

2 桁の入れ換え

5桁の数の各位の数を入れ換えてできる数について考える問題でした。3年連続で、馴染みのある・取り組みやすい整数問題であり、完答を目指せる問題ですが、注意深く考えていかないとミスをしてしまう可能性がありました。(1)(2)(3)は確実に得点し、(4)を正解できるかがポイントになりました。

3 直角三角形内に図形を配置

「考えられるものをすべて求めよ」という問題でしたが、複数解答になるものは最後の(3)だけでした。(1)(2)は解答が一つしかないことに多くの受験生が気づけているはずですが、少々戸惑ったと思います。

4 正八面体

正八面体の辺上の動点について考察する問題でした。(1)(2)(ア)は確実に正解したい問題です。(2)(ア)は見取り図が把握しづらい状況でしたので、注意深く取り組む必要があります。(2)(イ)は難度が高かったので、場合によっては他の問題へ時間を割いたほうが得策だったでしょう。

国語

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論説文・随筆文(または小説文)・古文という3題構成が続いています。いずれも短めの文章から出題されていますが、設問の約半数を記述問題が占めているため、時間的な余裕はありません。設問の難度が非常に高く、受験生にはハイレベルな思考力と記述力が要求されています。漢字の書き取りや記号選択問題などで着実に得点しつつ、記述問題でどこまで加点を得られるかが合否を分けると言えるでしょう。今年は例年より古文が難化し、読解に相応の時間を要したため、適切な時間配分ができたかどうかもポイントになりました。

1 野家啓一『科学哲学への招待』

「反証可能性」という概念をもとに、科学理論のあるべき姿について論じた文章です。書き出しこそ抽象的ですが、文中に挙げられた具体例に即して考えていけば、論旨をつかむことは難しくありません。字数制限のない記述が3問出されていますが、いずれも傍線部周辺の内容を丁寧に解答に織り込むことが求められました。また、記号選択問題の選択肢が例年よりもまぎらわしくなっているため、注意が必要です。漢字の書き取りは5問とも基本レベルだったものの、同音異義語との書き分けには十分気をつけなければなりませんでした。

2 内田百閒『正直の徳に就いて』

「嘘をつく」という不徳に甘んじることが、ときに「正直の徳」にも勝ることをテーマにした文章です。ほぼ会話文だけで書かれているため、発言内容に注意しながら登場人物の考え方や心情を読み取っていくことになります。記述が4問出されていますが、そのうち一つは「自分なりの答え」をまとめるもので、過去にはなかったタイプの問題でした。見慣れない設問に戸惑った受験生もいると思われますが、落ち着いて自分の考えと判断根拠を示すことが大切です。その他の記述にも書きづらいものがあり、総じて点差がつきやすかった大問だと言えます。

3 『無名抄』

鎌倉時代成立の歌論書からの出題でした。例年通り文章は短めで、読解に特別な知識も必要ありません。しかし、人物関係の把握が非常に難しく、読みづらさを感じた受験生も多かったのではないかと考えられます。その意味で、主語判別に関わる問3と、文章内容をまとめる問4で差のついた大問だったと言えるでしょう。例年通り、歴史的仮名遣いを現代仮名遣いに直す問題も出されています。

理科

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筑駒高の理科は、物理、化学、生物から2題ずつと、地学から3題の合計9題で構成されています。2014年に大問数が変わったことがありましたが、全体の問題量は変化していません。例年、深い知識を必要とする問題や、分析・思考型の問題が中心となっています。また、「すべて選ぶ」形式の問題が多いのも特徴の一つです。合格点を取るためには、分野ごとの対策をしっかり行い、弱点がない状態で受験に臨む必要があり、十分な学習が求められます。

1 化学変化(化学)

金属の酸化に関する計算問題です。基礎問題なので、全問正解したいところです。

2 物質の特徴(化学)

気体の発生に関する実験の問題です。2①の現象についての考察問題は見慣れない内容で難しいものでしたが、それ以外は典型問題です。

3 天体(地学)

冥王星に関する時事問題です。1の冥王星の特徴については、深い知識が必要だったため、正答率は低かったと思われます。

4 天気(地学)

天気図から特徴と季節を答える問題です。典型問題ですが、①だけは判断が難しかったと思われます。

5 地質(地学)

氷河期に大陸から渡ってきたホニュウ類の動物の名称、二酸化炭素が熱の一部を地球に戻す効果の名称を答える知識問題です。

6 力(物理)

摩擦力に関する問題で、力の変化を表すグラフを選択する形式です。筑駒高の入試では出題頻度の高い力学の難問です。得点差がついたと考えられます。

7 電流(物理)

電流に関して、最大・最小の組み合わせを見つけて計算していく、筑駒高入試の典型問題です。計算にやや手間がかかるので、正確さが求められます。

8 食物連鎖(生物)

文章やグラフから、関係性を分析・考察していく問題です。短時間でどれだけ情報を把握できるかがポイントです。

9 人体(生物)

反射の問題です。どれも基礎問題なので、すべて正解したいところです。

社会

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「知識を運用する力」、「世界情勢や現代社会が抱える課題に対する関心の深さ」、「限られた時間の中で、リード文や設問を注意深く読み取り、出題者の問いかけを的確に理解する思考力・分析力」などが総合的に試される問題です。「二つ以上」あるいは「すべて」の解答を選ばせる出題形式は難度が高く、入念な準備が必要です。今年の問題は、例年の傾向を踏襲していたものの、例年よりも選択肢の絞り込みに苦労するものが少なかったことから、対応しやすいものでした。2013年以降続いてきた難化傾向もひとまずは落ち着いたと言えます。

1 歴史上活躍した日本の女性

日本史上で活躍した女性を題材とした問題でした。人名やその事績を問うものは得点しやすかったため、誤字などによる失点は確実に避けなければなりませんでした。出来事を時代順に並べ替える問題は、その時代を象徴するキーワードを選択肢の文章の中から探し出さなければならず、単に年号を暗記しているだけでは対応できないものでした。

2 茶を通じて見る日本と世界の歴史

茶の歴史を題材とした日本史・世界史の総合問題でした。選択問題ではリード文に選択肢を判断するヒントが隠されていたため、リード文と見比べながら一つ一つの選択肢を注意深く判断する必要がありました。また、受験生の理解があいまいになりがちな部分を狙って出題されていたものもあり、正確な理解が求められました。

3 各国のエネルギー問題

原子力発電が抱える課題をテーマに、エネルギー問題や地誌を問うものが出ました。記述問題は、出題者の意図を注意深く分析しなければ正解できない傾向でしたが、今年は論点が比較的明確であったために受験生にとって取り組みやすいものでした。

4 ギリシャ経済危機・難民問題

2015年に話題となった難民とギリシャ経済危機をテーマとした問題でした。知識の定着に加えて、学んだことを時事に関連づけて論理的に考える姿勢が身についているかどうかが試される難度の高い問題でした。

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