- 帰国生入試の概要~新・帰国受験生へ~
- 志望校の選び方
- 2010年帰国枠高校入試結果と2011年入試の展望
帰国生入試は大きく分けて、
A.海外で受験する
B.国内で受験する
という2つのタイプがあります。
もちろんAの、「海外で受験する」というタイプをとれるのは、海外に居住している人に限定されますが、このタイプの試験は、試験日程が早い、比較的合格率が高いなどメリットも多く、受験できるならお勧めの入試です。11月や12月の早い時期に海外入試を実施している高校としては、桐蔭学園高、同志社国際高、日大系列各校、立命館宇治高などの日本にある学校のものと、ドイツ桐蔭学園高、早稲田渋谷シンガポール幕張高、立教英国学院などのいわゆる在外私立に大別できます。また、在外私立はこの他に、毎年2月~3月にも試験を行う慶應ニューヨーク学院等もあり、帰国生の受験のチャンスは一般入試に比べ、長期に及ぶといえます。この長期に渡る受験のチャンスをうまく使うことで、第一志望校合格への一助とすることもできるでしょう。
さて、国内での帰国生入試の第一のピークは、1月です。帰国生に特化した試験が目立ち、特に英語が得意な人であればチャンスといえる試験も少なくありません。
例えば、青山学院高、市川高、渋谷幕張高、早大本庄高のI選抜などが挙げられます。いずれも英語を得意とする帰国生にお薦めですが、公表されている入試問題があるなら必ず一度は目を通してから、公表されていないならできるだけ多くの情報を集めて臨んでほしいと思います。また、ICU高、中大杉並高、桐朋女子高など帰国生にシフトした観点をもつ学校の入試も受験者を集めています。
この他、帰国生枠を設け、一般生と同じ問題を解く学校(開智高、栄東高、西武文理高、淑徳与野高などの埼玉県下の学校)が近年受験者数を伸ばしているのも注目に値します。日程の早さだけでない、学校の人気の上昇もその数の後押しとなっているようです。
2月入試は、今年初年度の募集となった東京学芸大附属国際中等教育学校や聖学院等を除けば、一般生と同じ試験問題を解く、難関といわれる学校が2月7日の慶應志木高の入試を皮切りに早慶各校の面接試験が終了する2月中旬まで続きます。精神力、学力だけでなく体力も問われます。運動も適度に取り入れた生活を心がけましょう。

志望校は、前年の倍率や社会的評価をひとまずおいておき、まっすぐな気持ちで1校を選べればそれが一番です。しかし、帰国生には海外で理科や社会を学ぶ機会に恵まれなかったり、海外の学校と日本の受験勉強とでは科目が同じでも全く分野や進度が違っていたりとマイナスな条件が数多くつきまとって、そうした条件から志望校の選定も制約がつきがちです。そのためどんなところから選んでいったらよいかというと、
A.大学附属校(大学入試の必要がない)
B.大学受験校
にまず大別されます。次には、
A.共学校
B.男子校 or 女子校
の選択。次いで受験科目の選択となります。
初めから受験科目を見てせっかく魅力を感じたのにその学校をあきらめてしまうのはお勧めできません。日本でのこれからの生活を考えるなら、受験勉強をいままでの分の遅れを取り戻すチャンスと捉え、前向きに臨んでいってほしいと思います。勉強は決して楽しいものではありませんから、周囲が皆、勉強する中3のこの時期に一緒に頑張ろうと思って取り組んでいただければよいでしょう。
こうした観点から、帰国の際には必ず実際の学校を見て、自分の考えをもって志望校も判断しましょう。学校を見ることでモチベーションも上がりますし、たとえ志望校を変えたとしてもそれはそれでよいことだと思います。
昨年からの新規参入ながら、数を伸ばしている市川高の帰国生入試、安定した人気を呈している、ICU高(A入試)や青山学院高、難関ながら人気の高い渋谷幕張高といった学校はやはり観点がはっきりしているだけに日頃からの準備がものをいいます。まずは中3範囲の学習を終わらせること、通学している学校の内申点(成績)が大きく関わる場合にはそれを上げることが大事です。自分の受験しようと考えている学校の試験の特徴をつかみ、春から夏にかけての時期にそのための対策となるような基礎的な学習を心がけましょう。
帰国生入試の今年の特徴の一つとしては、従来から人気の高い、慶應湘南藤沢高、青山学院高、学芸大附属高、早大本庄高(I選抜)女子、早稲田実業高といった学校が軒並み受験者数を増やしたことが挙げられます。このうち共学校では女子の数が男子に比して増えています。今年度の中学入試では、男子は保守的で手堅い受験を考えるので「記念受験」的な要素のあるものは敬遠傾向にあるといった分析結果が出たそうですが、高校入試の結果もまたそうしたメンタルな根底があってのものなのかもしれません。記念受験はともすると一笑に付されがちな行為ですが、必ずしも悪いことではありません。高い目標によって引っ張られ育っていくものも多いからです。
ですからここぞという学校があったら、ぜひ簡単に諦めずまず努力を始めてみてください。その努力は、たとえ結果が出なかったとしても、その人の糧となっていくはずです。海外での貴重な経験を生かしたいと心から思える学校を探しましょう。









